今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
先日、元横綱千代の富士が膵臓がんでなくなりました。
膵臓がんと糖尿病は非常に関係が深く糖尿病では膵臓がんのリスクが2倍になります。
相撲取りの食事は1日2回で、8,000カロリーも摂取するそうです。
そんな食生活の相撲取りはどうして糖尿病にならないのでしょうか?
生活習慣病である糖尿病の大きな原因は何といっても肥満です。
日本相撲協会の入門条件は
- 身長は171cm以上
- 体重は75kg以上
ですから、BMI は25.7で、もしあなたがこの身長体重なら健康診断で「肥満です!」と言われてしまいます。
最も大きかった相撲取りは元横綱・武蔵丸で、
- 身長 : 191.0cm
- 体重 : 225.5kg
- BMI : 61.8
です。BMIが61.8って、、、。
どうしてこんな超肥満の相撲取りが糖尿病にならないのでしょうか?
相撲取りの食事は2食で8,000kcal
相撲取りの食事は、
- 昼食
- 夕食
の2回だけです。
朝は6時~7時頃に起床して朝稽古をして、
- 12時に朝食兼昼食のちゃんこ鍋
その後は2時まで昼寝。
- 午後6時~8時頃に夕食
と、2食です。
力士にもよりますが、相撲取りの1日の食事摂取量は7,000~8,000kcalといわれています。
厚労省による日本人のエネルギー必要量は、
18~29歳の男性では 2,650kcal
ですから、相撲取りは3倍の食事量を摂っているのです。
もし、あなたがこの食生活を半年続けたら確実にメタボリックシンドロームで、肥満、糖尿病は確実でしょう、、、。
1日2食は太る
このように、相撲取りの食事は1日2回。
プロレスラーの食事も1日2回だそうですが、
ボディビルダーは1日に5~6回で、2~3時間毎に少量ずつを食べるそうです。
1日の摂取カロリーが同じなら、
食事回数が少なく1回の食事量が多い方が太りやすいです
のです。
ですから、このサイトでも、糖尿病を防ぐなら、1日3回の食事を摂った方が良いとお伝えしましたが読んでくださいましたか?。
食事回数が少なくドカ食いに比べて、ボディビルダーのような何回にも分けて食べる方が血糖値の上下が少ないため、基礎代謝量が増え脂肪がつきにくいのです。
原始時代の狩猟生活では毎日きちんと食べられるかどうかわからないような生活であったことから、私達の体は、食事と食事の間隔が長いとその間のエネルギーを体内に蓄えようとすると言われています。
実際に、ダイエットのために1日1食にすると、最初は摂取カロリーが少なくなるために体重は減少しますが、ある程度経過すると、体重は逆に増加し始めるのです。
減量をしたいのであれば、同じ食事量でも朝昼晩と3回に分けて食べる方が効果的なのです。
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相撲取りには糖尿病が少ない
相撲取りの食事は上にも書きましたが、
- 昼食
- 夕食
の2回のみ。
夕食後に外食に出掛けたり、就寝前に間食を採ったりする力士もいるそうですから、厳密な2食ではない場合が多いのですが、、。
- 食事回数2回
- 大量の食事量
- 昼食後は昼寝1時間
となると、直ぐにでも糖尿病になってしまうと思われるのですが、糖尿病になる力士は意外と少ないのです。
「力士たちの健康管理」バイエルブックレットシリーズ53によると、
690名の力士のうち、
空腹時血糖が 111mg/dl以上 の力士は76名(15.2%)
だったそうです。
日本人成人における空腹時血糖の正常値は、
- 正常値 : 100~110 mg/dl
- 境界型 : 110~125 mg/dl
で、126mg/dl以上が糖尿病です。
現在、日本人成人の6人に1人が糖尿病かその予備軍と言われていますので、このような食生活をしていることを考えれば、相撲取りには糖尿病は非常に少ないということができます。
もっとも、相撲取りは全く糖尿病にならないわけではなく、鳴戸親方(元横綱・隆の里)が糖尿病で苦しんだことは有名ですし、小結まで昇進した千代大龍も糖尿病を患い、糖尿病に起因する網膜剥離と緑内障などにより現在は十両に落ちてしまっています。
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相撲取りの運動量は半端ない
相撲取りはどうして糖尿病にならないのか?
その答えは簡単です。
食事量もハンパないが、運動量もハンパない
からです。
相撲取りの日常生活は、その相撲部屋でも異なるものの、
- 6時~7時 : 散歩 10,000歩
- 7時~11時 : 稽古
- 14時~16時 : 各自で筋トレなど
と、万歩計をつけたら20,000歩を超えたそうです。
力士は体を大きくするために大量の食事を摂りますが、脂肪が貯まる間もなく、稽古で脂肪を燃焼しているのです。
先日亡くなった元横綱千代の富士は握力が100Kgを超え、リンゴを握りつぶしたそうです。
そういえば、「握力が弱いなら糖尿病かも知れない」という記事は読んでいただけましたでしょうか?
相撲取りの脂肪は皮下脂肪
相撲取りのBMIは非常に高く、超肥満体なのですが、
皮下脂肪がたっぷりついていても内臓脂肪は多くないのです。
あの、大関の小錦でさえ、身長183cm、体重274kgと超肥満体でしたが、内臓脂肪は20%台だったと言われています。
幕内力士の体脂肪率は平均23.5%だそうです。
相撲取りの脂肪はほとんどが皮下脂肪で、筋肉の上に脂肪をまとったような具合なのです。
相撲取りは凄いカロリー摂取量ですが、激しい稽古で体内脂肪を消費しているのです。
ですから、相撲取りには糖尿病が少ないのです。
ダイエット成功者は運動でなく食事で成功している
といわれます。
相撲取りの運動量は我々がマネをできる運動量ではありません。
3kmを走っても、消費エネルギーは茶碗一杯ほどです。
糖尿病の予防は食べ過ぎないことに尽きるのです。
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