糖尿病予備群という言葉はご存じですよね。
糖尿病予備群とは、糖尿病の一歩手前の状態の人で、
- このままの生活を続けると糖尿病になる
- 糖尿病の可能性を否定できない
という方を指すのです。
実は、自分は糖尿病予備群だと気付いていない人が多く、
糖尿病予備群といわれる方は460万人くらいいるといわれています。
昨日の日本経済新聞の夕刊に、
がん予備群
という言葉がありました。
私は初めて聞いた言葉で、ネットで「がん予備群」を検索しても出てきませんので、
がん予備群の定義は分かりませんが、糖尿病予備群から推察すると、
- このままの生活を続けるとがんになる人
ということになるのでしょうか、、。
そして、
糖尿病の人はがん予備群
だというのです。
糖尿病患者はがん予備群
2018年3月28日の日本経済新聞・夕刊に、
空腹時血糖値は高くないが食後高血糖で糖尿病によるがんの増加警戒
という記事が出ていました。
この記事を書いたのは東京大学病院の中川恵一准教授が書かれたものです。
そして、
糖尿病の人は「がん予備群」といえます
というのです。
このサイトでも「糖尿病とがんの関係」についてはたくさん記事を書いてきました。
中川恵一准教授によれば、
肥満や糖尿病はがんのリスクを高めることが次第に明らかになり、
全世界のがんの約6%は糖尿病と肥満が原因
だという研究報告があるとのことです。
特に糖尿病や肥満と関連の深いがんは、
- 男性の肝臓がんでの23.3%
- 女性の子宮体がんでは38.4%
が糖尿病や肥満が原因だとしています。
さらに2035年までには、
- 男性の肝臓がん 23.3% → 34.3%
- 女性の子宮体がん 38.4% → 47.9%
にまで上昇すると予測されるというのです。
男性における肝臓がんの1/3が、女性の子宮体がんの1/2が糖尿病で引き起こされるというのです。
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がんのリスクを上げるのは糖尿病
上に紹介したように、
糖尿病や肥満では肝臓がんや子宮体がんのリスクが上がるのです。
日本人を対象とした疫学調査では、
肥満により、
- 大腸がん
- 肝臓がん
- 乳がん
- 子宮体がん
などのリスクが上がることが明らかになり、
さらに、
糖尿病では、
- 膵臓がんのリスクを2倍
- 肝臓がんのリスクを2倍
- 大腸がんのリスクを1.4倍
- 全がんのリスクを1.2倍
に上がるということが判明したことから、
日本人では肥満より糖尿病ががんのリスクを上げる
ことが明らかだとしています。
海外の研究では、
肥満は糖尿病よりもがんのリスクを2倍に上げる
のですが、
日本などアジア太平洋地域では、
発がんに対する影響は肥満よりも糖尿病の方が大きい
のです。
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糖尿病ではどうしてがんが多いのか?
では、
どうして糖尿病でがんが多いのでしょうか?
実はそこまでは良く分かっていないのです。
現時点で一番可能性が高いと考えられているのは、
インスリン抵抗性
なのです。
インスリン抵抗性とは、
筋肉などの組織でインスリンが充分に働かなくなることです
そのため、
- 血糖値が上げる
- さらにインスリンが分泌される
ということをくり返した後に、
- 膵臓がインスリンを分泌できなくなってしまう、、、
ということで糖尿病が一層悪化していくのです、、、
インスリンは、
- 糖を組織に取り込ませる
- 細胞の増殖を促す
という2つの作用があるのですが、
インスリン抵抗性によってインスリンがたくさん分泌されると、
インスリンががん細胞の増殖を促進してしまう
のでないかと考えられているのです。
糖尿病が進行すると三大合併症といわれる、
- 神経障害 → 足切断
- 網膜症 → 失明
- 腎症 → 腎臓透析
が起こってしまうのですが、
がんも糖尿病の合併症
なのです。
- 糖尿病を改善する
- がんのリスクを下げる
ためには、
とにかく血糖値を下げることです。
血糖値を下げるには、
炭水化物の量を少し減らしだけ、
- 朝食のパンを半分に
- 夕食のご飯を半分に
これで良いのです。
血糖値を下げるには炭水化物の摂取量を減らせば良いのですが、
- 主食を食べない
- 糖質ゼロ
という極端な制限をする必要はありません。
糖質制限はあなたの健康状態にあった方法で良いのです。
そして、糖質制限ではがん細胞が消えたということも報告されています。
糖尿病予備群の人の40%は気付いていないといわれています。
糖尿病予備群の人では糖尿病だけでなくがんのリスクも上がっているのです。
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