今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
グルテンフリーがダイエットに良いと若い女性の間で流行っています。
- 若いころのスーツをまた着られるようになった
- むくみが取れて顔がひと回り小さくなった
などと口コミで広がっていますし、
海外の航空会社ではグルテンフリーの機内食を提供するところもあるほどです。
一方、
糖質制限には凄いダイエット効果があることも知られています。
結果にコミットするで有名なライザップは糖質制限と筋トレの複合ですし、
- 糖質制限で血糖値が下がった
- 糖質制限で糖尿病が改善した
と、書店の健康コーナーには糖質制限のノウハウ本がたくさん並んでいます。
グルテンフリーと糖質制限
実は似ているようで全く違うのです。
糖質制限とグルテンフリーの違い
糖質制限 と グルテンフリー
どちらも炭水化物を食べないダイエット法だと思っていませんか?
糖質制限とグルテンフリーには明確な違いがあるのです。
この違いを理解しないままダイエットを行っても、
頑張っているのに一向に結果が出ない、、、
ということになりかねないのです。
糖質とは
糖質とは炭水化物のことだと思っている人が多いのですが、
炭水化物は、 糖質+食物繊維 からなっているのです。
同じ炭水化物でも、白米のようにほとんどが糖質でできている炭水化物もあれば、
サツマイモのように食物繊維が多い炭水化物もあるのです。
糖質+食物繊維で構成されているものもあります。
さらに糖質は、
- 多糖類、糖アルコール
- 糖質 (単糖類、二糖類)
に分けられるのです。
グルテンとは
グルテンとは小麦粉などに含まれる蛋白質の一種です。
日本語では麩質といわれ、麩はグルテンから作られるのです。
グルテンは、小麦やライ麦などの胚乳から生成されますk。
小麦粉は炭水化物とグルテンが主成分で、炭水化物を水で洗い流していくとグルテンが残ります。
グルテンは、小麦粉の製品において弾性や柔軟性、膨張などを作り出すため、パン、パスタ、うどん、ケーキ、クッキーなどのさまざま小麦食品や、化粧品、サプリメント、薬品などにも幅広く使われています。
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糖質制限とグルテンフリーの違い
もうお分かりだと思いますが、糖質制限とグルテンフリーとは全く違います。
- 糖質 : 炭水化物の一種
- グルテン : 蛋白質の一種
なのです。
糖質制限では
糖質制限とは、糖質を摂らないことで、
具体的には、
糖質が含まれる炭水化物を食べないということです。
糖質は単糖類にまで分解されてブドウ糖になり、血中に吸収されると血糖値を上げてしまいますので、
糖尿病の予防では炭水化物の摂り過ぎを控える「糖質制限」が有効だというわけです。
糖質制限では、
- 白米
- パンやウドン
- イモなどの根菜類
- 砂糖などの含まれる飲料
などの摂取量を減らすことです。
しかし、誤解されているのは、
糖質制限 = 炭水化物を全く食べない
ということではありません。
ダイエットのためには「糖質ゼロ」の方が効果があることが分かっていますが、
糖質制限では「食べ過ぎている炭水化物を減らす」ということで、
- 朝食のパンを半分にする
- 夕食のご飯を半分にする
ということなのです。
詳しく見る ⇒ スタンダード糖質制限のやり方
グルテンフリーとは
グルテンフリーとは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれる蛋白質であるグルテンを食事から抜くことです。
グルテンフリーダイエットは、モデルのミランダ・カーや歌手のレディ・ガガらが激太りし、減量のためにグルテンフリーダイエットを取り入れたことからセレブに広まったのです。
グルテンフリーでは、
小麦、大麦、ライ麦などのグルテンを含む食品を食べないということです。
具体的には、
- パン
- パスタ
- ピザ
- ウドンやラーメン
- お好み焼きやたこ焼き
- シリアル
などの、
小麦製品を食べないというのがグルテンフリーなのです。
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グルテンは食品アレルギーの原因になる
グルテンは食物アレルギーの原因となる蛋白質です。
これは、グルテンにはグリアジンというアミノ酸が含まれているためなのです。
グリアジンに過剰反応するアレルギー体質の人は、
グルテンを摂取すると、
- 下痢や便秘などの腸トラブル
- 吐き気や痛み
- 湿疹
などの症状が現れます。
さらに重篤になると小腸の炎症により、栄養分の吸収が阻害されてしまうセリアック病に陥ってしまいます。
プロテニス選手のジョコビッチは小麦アレルギーで小麦製品の摂取を止めて体調が回復して好成績をあげたことが知られています。
詳しく見る ⇒ 糖尿病とうつ病の原因は小麦
日本でも食事の欧米化が進んで小麦の摂取量が増え、グルテン過敏症やセリアック病になる人が増えているといわれています。
グルテンフリー食品は糖質制限ではない
グルテンフリーはダイエット効果があるだけでなく、
- 肌の乾燥が改善
- むくみがとれる
- 寝起きがよくなる
- 疲れにくくなる
などの効果もあるとしてグルテンフリーを始める人もいるのですが、
糖尿病とうつ病の原因は小麦 でご紹介したように、
精製した小麦の摂取では糖尿病だけでなく、うつ病のリスクが高くなるという研究報告もあるのです。
最近では、パンや麺類でもグルテンフリー製品が見られるようになりました。
これらの製品では小麦粉の代わりに、
- 米粉
- じゃがいも粉
- とうもろこし粉
などのグルテンを含まない原料を使用しているのです。
しかし、これらの製品は、
グルテンフリーですが糖質制限ではありません
グルテンフリーの食品は、
グルテンを排除した食品ですが糖質は含まれている
のです。
むしろ、
グルテンフリーの製品は糖質量が小麦を使用した食品よりも多い傾向にある可能性があるのです。
さらに、
小麦粉を使用した製品に比べてミネラルなどの栄養価も低く、
糖尿病の食事では重要な食物繊維も少ないためGI値が高いというデメリットもあるのです。
糖質制限では、
- ご飯
- パン
- 麺類
などの炭水化物の摂取量を減らすのですが、
グルテンフリーダイエットでは、
小麦粉を主原料とする、
- パスタ
- うどん
- パン
- ピザ
などを制限するのですが、
日本人の主食である白米にはグルテンが含まれていないのです。
糖質制限とグルテンフリーの違いを理解していただけましたでしょうか?
糖質制限をすると必然的にグルテンフリーの食生活になってくるので、
口コミなどでは勘違いしている方が多いのです。
しかし、
グルテンフリーの目的で食品を選ぶと糖質を多く摂取してしまう可能性が高いので、
血糖値が高い方は充分に注意してください。
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