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    Categories: 食事で治す

糖尿病で血糖値が高くても果物は食べて良い

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

血糖値が高い人や糖尿病の人では甘いものが悪いことから、

甘い果物は血糖値を上げるから良くない!

と思っている人が多いのですが、

実はそうでもないのです。

 

 

果物のGI値はご飯やパン、イモ類などの炭水化物のGI値よりもずっと低いのです。

では、果物は、

  • そのまま食べた方が良いか?
  • ジュースで飲んでも良いのか?

どうなんでしょう。

 

 

果物のGI値は低く血糖値を上げにくい

GI値をご存じですよね?

GI値はグリセミック指数といって、ブドウ糖を摂取した時の血糖値上昇率を100として、血糖の上昇率を相対的に表した数値です。

ですから、GI値の低い食品ほど血糖値を上げにくいということです。

  詳しく見る ⇒ 糖尿病の血糖値は食事のGI値の影響が大きい

 

具体的にGI値は、

  • 白米のGI値 : 91
  • 食パンのGI値 : 81
  • 玄米のGI値 : 55

と、同じ米でも食物繊維が多い玄米はGI値が低く、血糖値を上げにくいのです。

糖尿病や血糖値の高い人ではGI値が60以下の食品をとることを勧められています。

 

果物の糖は血糖値を上げにくい

果物に含まれている糖質は、

果物の種類によっても異なりますが、

  • 果糖
  • ブドウ糖
  • ショ糖

などで、果物には果糖が多く含まれています。

しかし、

果糖は10%くらいしかブドウ糖に変わらないので、ほとんど血糖値を上げないのです。

ちなみに、ブドウ糖のGI値は100ですが、果糖のGI値は20しかありません。

 

具体的には、

リンゴ1個(約240g)のカロリーは150kcalで茶碗一杯のご飯と同じですが、

糖質量は、

  • 果糖 : 18g
  • ブドウ糖 : 6g
  • ショ糖 : 9.6g
  • ソルビトール : 2g
  • 水溶性食物繊維 : 0.95g
  • 不溶性食物繊維 : 2.95g

であり、

  • ご飯一杯(150g)の糖質量 : 55g

に比べて非常に少ないのです。

 

ただし、

バナナには糖質の他にもデンプンも多く含まれているためGI値は55くらいで他の果物より血糖値を上昇させるので要注意です。

 


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果物はジュースよりそのまま食べるのが良い

最近は、果物をそのまま丸ごと食べるより、ブレンダ―などで作られたフルーツジュースして食べる機会の方が多いかもしれません。

 

特に最近は、

コールド・プレス・ジュースが美容に良いと人気です。

  詳しく見る ⇒ コールドプレスジュースは血糖値に良い

 

コールド・プレス・ジュースは、様々な作り方があるのですが、低温低圧圧縮方式ジューサーなどで搾ったジュースなのですが、

ミキサーは低速で回転するため熱が加わらないので、ビタミン類や栄養素、酵素が破壊されないので美容や健康に良いと人気なのです。

さらに、不溶性植物繊維が除かれているため消化管にも負担をかけないというのです。

 

ここで気になるのは、

  • 果物を生で食べたほうが良いのか?
  • ジュースでも血糖値を上げないのか?

ということですが、

 

イギリスの研究者グループは、

生の果物とジュースのGI値の違いについての研究論文を発表しています。

 

この研究では、

  • ミックスフルーツのジュース
  • ミックスフルーツ 
  • マンゴーのジュース  
  • 生のマンゴー

のGI値を調べたのです。

 

 

Nutrient-extraction blender preparation reduces postprandial glucose responses from fruit juice consumption.

The mechanism responsible for this effect is currently unclear. However, these results suggest that fruit homogenized by nutrient extraction should be considered as a potential dietetic strategy for glycemic control.

      詳しく読む ⇒ コチラ

 

具体的には、

同量の果物をそのままか、ブレンダーでジュースにしたものを、健康な人に摂取してもらい、

摂取後2時間に亘って血糖値を測定してGI値を算出したのです。

 

その結果、

  1. ミックスフルーツジュースのGI値(32.7±8.5)は生のミックスフルーツのGI値(66.2±8.2)より低い
  2. マンゴージュースのGI値は生のマンゴーと同等

だったとして、

フルーツジュースのGI値は果物によっては生の果物よりも低い可能性があるがメカニズムは不明だった

としています。

なお、マンゴーはGI値がおよそ55とGI値の高い果物とされています
バナナもGI値はおよそ55です。

 

この結果からいえば、果物はできるだけ生でそのまま食べた方が良さそうです。

果物には抗酸化物質がたくさん含まれ、糖尿病の進行防止や、糖尿病の予防に効果があることが分かっていますから、

血糖値が高い人にも果物はおすすめなのです。

 

果物はできればそのまま食べた方が良さそうですが、

果物ジュースを選ぶ時には、甘味料や糖質の添加がないものを選んでください。

 

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