今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
肥満は糖尿病の原因の1つです。
特に女性は女性ホルモンの影響で男性よりも脂肪が溜まりやすいのです。
肥満の原因となる脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪があり、
女性は男性に比べて内臓脂肪がつきにくいのですが、
体重は平均体重でも内臓脂肪が多い隠れ肥満が増えているそうです。
スウェーデンの研究グループは、
女性では内臓脂肪が1kg増すと糖尿病のリスクが7倍高くなる
との研究成果を発表しました。
あなたの内臓脂肪は増えていませんか?
内臓脂肪が1kg増えると糖尿病のリスクが7倍になる
肥満は糖尿病の原因になります。
肥満といえば直ぐに皮下脂肪を思い受けベますが、内臓脂肪のことも気にしてください。
1477年に創設された北欧最古の大学であるスウェーデンのウプサラ大学の研究グループは、
女性の内臓脂肪との関係について研究し、
女性では内臓脂肪が1kg増えると糖尿病のリスクが7倍になる
という研究成果を発表しています。
Contribution of genetics to visceral adiposity and its relation to cardiovascular and metabolic disease.
詳しく見る ⇒ 原著論文
研究グループは、イギリスの大規模コホート研究に参加した32万5,000人を対象とした研究で、
女性では内臓脂肪の量が糖尿病の発症に強く関連していることが明らかになったとし、
コホート研究:
病気と原因などを分析する疫学研究の1つで、特定の集団を一定期間追跡して疾病発生の原因を調べる研究
正確に内臓脂肪量を推定する方法を開発し、
さらに、
内臓脂肪の量に関連していると考えられる200以上の遺伝子を同定し、
内臓脂肪量と心疾患疾患や糖尿病との関係を調べたのです。
その結果、
内臓脂肪の量は、
高血圧、心筋梗塞、狭心症、脂質異常症と関連があることが明らかとなり、
女性では内臓脂肪量が1kg増加すると糖尿病のリスクが7倍以上になる
ことが分かったのです。
なお、
男性でも内臓脂肪量が1kg増加すると糖尿病のリスクが2.5倍に上がったそうです。
研究グループは、
内臓脂肪が蓄積する原因は食べ過ぎや運動不足であるが、
過体重ではない人でも危険な量の内臓脂肪が蓄積している可能性はあるとして、
過体重でなくても内臓脂肪に注意する必要がある
と述べています。
これまでの研究でも、痩せていても内臓脂肪が多いと糖尿病になることが明らかになっています。
あなたの内臓脂肪は増えていませんか?
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糖尿病のリスクが増える内臓脂肪とは
糖尿病のリスクが増える内臓脂肪とはどのような脂肪なのでしょう?
内臓脂肪とは字のごとく、腹の中の臓器(内臓)の周りに溜まる脂肪です。
脂肪には内臓の周りに溜まる「内臓脂肪」と皮膚の下に溜まる「皮下脂肪」とがあるのですが、
- 内臓脂肪 : 溜まりやすいが減らしやすい
- 皮下脂肪 : 溜まりにくいが減りにくい
という特徴があります。
脂肪が溜まる肥満には、
- 内臓脂肪が蓄積した体型(リンゴ型肥満)
- 皮下脂肪が蓄積した体型(洋ナシ型肥満)
の2つのタイプがあり、
- 女性は洋ナシ型の肥満
- 男性はリンゴ型の肥満
になりやすいといわれています。
内臓脂肪が多い女性の目安
このように、女性は内臓脂肪よりも皮下脂肪が溜まり安いのですが、
女性では腹囲が90cm以上が内臓脂肪が付いている目安
とされています。
しかし、
皮下脂肪が少なく痩せていても内臓脂肪が多い女性も多く「隠れ肥満」といわれる女性も多いのです。
内臓脂肪の過剰をチェックするのは、
- 横から見ると胸よりお腹が出ている
- 20歳時に比べて体重が10kg以上増えた
- 健康診断で血圧、血糖、脂質の数値が高くなってきた
- 洋菓子、果物、アルコールを良く飲み食いする
- 便秘がちで下半身がむくんでいる
- 階段も余り上らず運動習慣もない
の項目で該当する項目が多ければ内臓脂肪が溜まっていることを疑ってください。
特に、増えた体重の6割が内臓脂肪の重さだといわれます。
20歳以降に10kg体重が増えたなら6kgは内臓脂肪なのです。
最近の「体重体組成計」は高機能で体重だけでなく、
- 体脂肪率
- 内臓脂肪レベル
- 皮下脂肪率
も計測できるものも多く販売されていますか。
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まとめ
内臓脂肪は糖尿病の原因でもあり、
内臓脂肪が増えると糖尿病のリスクが上がるのです。
糖尿病と内臓脂肪とは大いに関係があり、 糖尿病の原因と肥満の関係が解明の記事でもお伝えしたように、
徳島大学の研究グループは、内臓脂肪はインスリン抵抗性を高め糖尿病を引き起こす原因になっているということを明らかにしています。
肥満といえば相撲取りを思い浮けべますが、
相撲取りは皮下脂肪が多いが内臓脂肪は少ないので、相撲取りは太っているが糖尿病が少ないのです。
私は痩せているから安心という女性でも隠れ肥満が多く、
慶応大学の研究グループは痩せた女性でも糖尿病のリスクは高いということを報告しています。
多くの人は、体重や皮下脂肪ばかりを気にするのですが内臓脂肪のことも気にしてください。
内臓脂肪は溜まりやすいが減らしやすい脂肪で、
内臓脂肪が蓄積する原因は食べ過ぎや運動不足なのです。
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