国立がん研究センターによると、
- 2017年のがん罹患数予測は101万4,000例で、
- がんによる死亡数予測は37万8,000人(男性22万2,000千人、女性15万6,000人)
であり、
- 日本人の2人に1人が生涯でがんになる
- 日本人の2人に1人が生涯でがんになる
と述べています。
一方、
- 日本人の6人に1人が糖尿病や糖尿病予備群
だと推定されているのです。
がんと糖尿病は全く関係がなさそうな病気ですが、
- 糖尿病ではがんになりやすい
ことが明らかになっており、
特に女性では、
とも言われているのです。
糖尿病ではがんになりやすい
糖尿病ではがんになりやすいことは多くの研究で明らかになっており、
糖尿病と関連があると認められているがんは、
- 大腸がん
- 肝がん
- 胆管がん
- 膵臓がん
- 乳がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん
- 前立腺がん
- 腎がん
- 甲状腺がん
- 悪性リンパ腫
など、多くのがんが糖尿病と関連があるのです。
詳しく読む ⇒ 糖尿病でなりやすいがん
日本糖尿病学会と日本癌学会による、糖尿病と癌に関する委員会の報告でも、
糖尿病の人は糖尿病でない人に比べて、
- がんのリスクが1.2倍も高い
と報告されています。
この報告では、
- 結腸がん
- 肝がん
- 膵がん
のリスクが高く、
- 女性では子宮内膜がん
のリスクも高かったそうです。
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糖尿病ではがんになりやすい理由
ではどうして糖尿病ではがんになりやすいのでしょうか?
糖尿病の治療薬でがんになるのでしょうか?
武田薬品工業のピオグリタゾン製剤(アクトス)は膀胱癌のリスクを増加させるという報告があります。
2005年に、アメリカで行われたPROactive試験においてピオグリタゾン製剤を服用した患者では膀胱がんを発症させやすくなるのではないかとの結果が得られたのです。
その後も、ピオグリタゾン と膀胱がんの関係について多くの研究がなされましたが、ピオグリタゾンを服用すると膀胱がんを発症することの因果関係については明確になっていません。
アメリカではピオグリタゾン膀胱がんになったと主張する裁判において、連邦地裁の陪審は武田薬品工業に対して60億ドル(約6170億円)の懲罰的賠償金の支払いを求め、和解金24億ドルによって和解が合意されました。
国内では、厚生労働省はピオグリタゾン製剤の添付文書に、膀胱がん発症のリスクについては患者に十分説明してから投与するよう記載することを指示しています。
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糖尿病ではがんになりやすい理由
ピオグリタゾンの例はありますが、
その他の糖尿病治療薬でがんのリスクが高まるとの報告はありません。
糖尿病になるとどうしてがんのリスクが高くなるのかはまだ明確になっていません。
国立がん研究センター・予防研究グループでは、
- インスリンの増加
- IGF-1の増加
が、
腫瘍細胞の増殖を刺激してがん化に関与する
のではないかと推察しています。
少し難しいのですが、
糖尿病ではインスリン抵抗性が高くなりインスリンの働きが悪くなるため、
インスリンがたくさん分泌されて血中インスリン濃度が高くなります。
(最終的には膵臓が疲れ果ててインスリンは分泌されなくなるのですが、、、)
血中のインスリン濃度が高くなると、
インスリン様増殖因子-1といわれるIGF-1の活性を上昇させ、
IGF-1はがんの発生やがんの増殖を促進するのではないかというのです。
さらに、インスリンは肝臓での女性ホルモンを増加させる作用があることから子宮内膜がんのリスクが高くなるのではないかと言われています。
糖尿病ではどうしてがんのリスクが高くなるのかは明確になっていません。
しかし、
糖尿病でがんのリスクが高くなることは世界中で多くの研究者が明らかにしており疑いの余地はないのです。
ということも明らかになっているのです。
糖尿病は合併症が怖い病気ですが、がんのリスクが高くなるということも頭に入れておいて下さい。
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