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    Categories: 糖尿病と認知症糖尿病の合併症

糖尿病でアルツハイマー病のリスクは2倍になる

糖尿病と認知症の関係がだんだんと明らかになってきています。

アルツハイマーは糖尿病の合併症」だという説や、

アルツハイマー病は脳の糖尿病」だと述べる論文もあります。

本糖尿病学会も2016年の「糖尿病診療ガイドライン」では、

糖尿病患者は認知機能障害が起こりやすいので、
高齢糖尿病患者では認知機能の評価を行い、認知症の早期発見に努めるべき。

と記載しています。

もはや専門家の間においては

アルツハイマー病は糖尿病の合併症の1つとして考えている状況なのです。

 

もちろん、

脳血管型の認知症は糖尿病における血管障害で引き起こされることは論を待たないのはいうまでもありません。

しかし問題は、一般の人は糖尿病が認知症を高率で引き起こすことを理解している人が非常に少ないことなのです。

 

 

糖尿病と認知症の関係

糖尿病が、

  • 脳血管性認知症
  • アルツハイマー病

の原因疾患であることは様々な研究で確かめられています。

 

多くの疫学調査で糖尿病ではアルツハイマー病の発症リスクが高まることが示されていますし、

アルツハイマー病患者の脳の剖検では多くの場合に血管病変があることが認められ、

糖尿病網膜症があると認知症を発症するリスクが非常にたかいことも分かっています。

 

脳血管型認知症と糖尿病の関係

脳血管型認知症とは認知症の中の一つで、

脳血管の傷害が元で脳の血流が悪くなり脳機能が低下して認知症に至のですが、

糖尿病の高血糖状態が続くと血液の粘度が高まりドロドロになり、さらに高血糖が血管壁を傷害することにより破れやすくなり、

このような脳の血管や血流に障害が起こると脳血管型認知症に至のです。

 

  詳しく読む ⇒ 糖尿病では認知症になりやすい

 

糖尿病では認知症になりやすいのですが、特に糖尿病の女性は認知症になりやすいのです。

 

アルツハイマー病と糖尿病の関係

アルツハイマー病では患者の脳にβアミロイドという蛋白質が沈着するのが特徴です。

β-アミロイドはインスリン抵抗性を高めてインスリンの働きを低下させることが知られています。

インスリン分解酵素はβアミロイドの分解を助ける働きがあるのですが、

条項血糖ではインスリンがたくさん分泌されるためにインスリン分解酵素によるβアミロイドの分解が進まず、脳にβ-アミロイドが蓄積しやすくなり、

糖尿病はアルツハイマー病の発症を高めると考えられています。

 

 詳しく読む ⇒ アルツハイマー病は高血糖によるインスリン分解酵素の低下が原因

 

糖尿病ではアルツハイマー病のリスクが2倍になる

国内の疫学調査でも糖尿病は認知症の発症が高まることが明らかになっています。

 

九州大学大が、

1961年から福岡県糟屋郡久山町の住民を対象に、脳卒中、心血管疾患などの発症に関する疫学調査では、

 

耐糖能異常の度合いが高まるにつれて脳血管性認知症やアルツハイマー病の発症率が上がることが明らかになっています。

 

60歳以上の住民を耐糖能検査により、

  1. 正常
  2. 空腹時高血糖(IFG)
  3. 耐糖能異常(IGT)
  4. 糖尿病

に分けて15年後の認知症の発症率を比較したところ、

糖尿病に近い人ほど脳血管性認知症やアルツハイマー病の発症が高い

ことが分かったのです。

 

糖尿病による認知症のリスクが上がる機序は必ずしも明確にはなっているわけではありませんが、

上で説明したような機序に加え、

糖尿病の進行にともなう糖毒性糖か蛋白(終末糖化産物;AGE)の蓄積は脳神経細胞を傷害することも確認されています。

 詳しく読む ⇒ AGEは老化や認知症を引き起こす

 

高齢者の多くは、糖尿病だけでなく動脈硬化症、高血圧症など複数の病態を持っていることから、脳血管性病変とアルツハイマー病変の相乗的作用により認知症が発症しやすくなるとも指摘されています。

 


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糖尿病の認知症を予防するには

糖尿病による認知症を予防するには、

  高血糖を改善する

に尽きるのです。

 

食後高血糖や低血糖を抑え血糖の日内変動を適切にコントロールする必要があるのです。

 

認知機能が低下した患者でも、

 高血糖をコントロールしただけで注意力や遂行機能などは改善した

との報告もあるのです。

 

認知症患者には、

  • 糖尿病の認知症
  • 糖尿病ではない認知症

がいるのですが、

糖尿病を伴う認知症患者では「糖尿病性認知症」として新たな病態として捉えるべきだと考えられているのです。

 

さらに、

糖尿病による血管や神経細胞への影響は若い時期から始まるため認知症が発症する高齢期からではなく中年期から糖尿病の予防や高血糖の改善が必要だといわれています。

 

糖尿病の認知症を予防するには食事療法

糖尿病ではアルツハイマー病の発症のリスクが2倍も上がるのです。

さらに、

糖尿病を伴う認知症では、

血糖コントロールを適切にすれば注意力や遂行機能などの認知機能が改善するのです。

 

糖尿病の血糖コントロールは非常に簡単です。

それは、

血糖値を上げるのは炭水化物(糖質)だけだからです。

 

 

糖質を制限するというと、

主食を食べない

糖質ゼロ!

だと思っていませんか?

 糖質制限 = 主食を食べてはいけない

ではありません。

 

糖質制限は、

  1.  朝食のパンを半分にする
  2.  夕食のご飯を半分にする

で良いのです。

 糖質制限は摂りすぎている糖質量を元に戻す

ということなのです。

糖質制限は、

誰でも同じでなく、あなたに合った糖質制限を選ばえらばなければなりません

 

 詳しく読む ⇒ スタンダード糖質制限食のやり方

 

 

糖尿病の食事療法は病人食ではありません

 食べ過ぎている量を元に戻す

だけなのです。

 

これで認知症が予防できるのです

 

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