夜遅く食べると太るのはダイエットをする人では常識です。
そして、夜遅く食べると血糖値が下がりにくく糖尿病の原因にもなるのです。
同じ食事内容でも食べる時間が遅いだけで肥満や糖尿病になるのはどうしてでしょう?
夜遅く食べるのは肥満や糖尿病のために良くないことは分かっていても、
仕事が遅くまで続いたり、どうしようもないこともあるのです。
でも、夜遅く食べても肥満や糖尿病を予防する方法があることを知っていますか?
夜遅く食べたら、寝る時間を遅くする!
いえいえ、違います。
寝る前に食べると太ることには科学的な理由があるのです。
その秘けつをお教えします。
夜遅く食べると肥満や糖尿病になる
夜遅い時間に食べると太るのは体重を気にしているあなたはご存じでしょう。
同じ食事内容、同じカロリーを摂取していても、食べる時間が遅いだけで肥満の原因になってしまうのです。
そして、夜遅く食べると血糖値が下がりにくく、糖尿病の原因にもなるのです。
詳しく見る ⇒ 夜食症候群は肥満や糖尿病の原因
太る理由として一般的には、
摂取したカロリーを消費できない
ということなのですが、
それでは、夜遅く食べたときには、
- 眠る時間を遅くすれば太らない?
- 食べる量を少なくすれば太らない?
のでしょうか、、、。
夜遅く食べてると太る理由は、あなたの身体の仕組みにあるのです。
夜はエネルギー代謝が低下する
一番大きな理由は、夜はエネルギー代謝が低下するからです。
食事を摂ると消化吸収されて血液中に吸収されます。
炭水化物はブドウ糖に、蛋白質はアミノ酸に、脂質は脂肪酸に。
そしてそれらは、体の組織で使われたり、細胞に貯蔵されます。
下記の図は私達の体温を24時間に亘ってモニターしたものです。
体温は、起床する6時頃から上昇しはじめ、15時頃にピークを迎え、それ以降は低下して夜10時頃には非常に低くなります。
これは、基礎代謝や活動によるもので、体の細胞や組織の代謝が盛んになれば体温が上がり、体温の変化はエネルギー代謝を反映しているのです。
人間は明るくなると活動する昼行性動物ですから、私達の体の代謝は昼間に盛んで、
夜9時頃から朝6時頃はお休みモードに入るためエネルギーの消費が非常に少なくなるのです。
したがって、
夜9時以降に食事をすると摂取したエネルギーは使われることなく脂肪として貯蔵されてしまうのです。
夜間はBMAL1が増える
夜遅く食べると肥満になる2つ目の理由は、
夜間はBMAL1が増える
からです。
BMAL1は、ビーマルワンと読みますが、Brainand Muscle Arnt-like 1の頭文字をとって名付けられた蛋白質です。
BMAL1は、2007年に埼玉医科大学の池田正明氏らの研究グループが発見した蛋白質で、
BMAL1は体の活動リズムを正常に機能するように調整する蛋白質ですが、
脂肪をため込む働きがあることがわかっています。
BMAL1は15時が最も少なく22時~2時に急増するという日内変動のリズムを持っています。
という働きをしているのです。
したがって、
夜遅い時間に食事をすると脂肪をため込みやすく太りやすい
といわれているのです。
実際に、
同じ食事を夜の早い時刻に食べるより夜遅く食べると体重が増える
という研究成果がたくさん出されています。
その原因は、脂肪合成を促進するBMAL1という物質が夜間に増えるためなのです。
BMAL1が高くなる夜10時から午前2時が最も脂肪を蓄積しやすく、午後3時は最も脂肪になりにくい時間帯なのです。
同じカロリーを摂取しても、10時前に食べるのと、10時以降に食べるのとでは、脂肪の蓄積量が異なるのです。
その他にも、
夜遅い時間や睡眠中には副交感神経が優位になってリラックスした状態で代謝を抑制するように働いていますし、
夜は血糖値を上昇させてエネルギーとして消費しやすくする働きがある副腎皮質ホルモンの分泌が低下して、夜遅くに摂取した食事はエネルギーとして使われにくく脂肪として蓄積されやすいのです。
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夜遅く食べても食後血糖値の上昇を抑える方法
しかし、仕事が遅くまで続き夕食の時間が遅くなってしまうことは多くの人が経験することです。
こんな時にはどうしたら良いのか?
京都女子大学と梶山内科クリニックの研究グループは、
夜遅く食事をとる数時間前に野菜や炭水化物を摂取すると食後高血糖を抑えられる
という研究成果を発表しています。
Divided consumption of late-night-dinner improves glycemic excursions in patients with type 2 diabetes: A randomized cross-over clinical trial.
CONCLUSION : Our findings demonstrated that consuming late-night-dinner led to postprandial hyperglycemia, and this postprandial hyperglycemia can be ameliorated by consuming a divided dinner.
京都女子大学家政学部の今井佐恵子教授らの研究グループは、
糖尿病患者16人を対象に、
- 夜9時に夕食を食べる群
- 夕方6時と夜9時に分けて夕食を食べる群
の2群に分け、
食後血糖値を比較したのです。
その結果、
夕方6時と夜9時に分けて夕食を食べる群では夜9時に食べる群より、
- 食後高血糖が低い
- 血糖値の総上昇量が低い
- 24時間の血糖変動幅が低い
などが分かったというのです。
研究グループは、
夕食が遅くなるような場合には、
- 夕方6時頃の野菜と炭水化物を、
- 夜9時頃に野菜と主菜を、
食べることによって食後高血糖を抑え糖尿病の予防になるとしています。
詳しく読む ⇒ コチラ
仕事中の夕方6時に小量の夕食を摂るということは現実的ではありませんが、
などを摂ることは可能なのではないでしょうか?
遅い時間の食事が避けられない場合でも食事を2回に分けることで食後高血糖を抑えられ、糖尿病や糖尿病合併症のリスクを下げることができるのです。
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習慣的に夕食を夜9時前に食べることができる人は働いている人の半数もいないかもしれません。
終業が夜7時、夜8時だというのは最近では普通のことです。
夜9時過ぎに夕食を摂るというのは普通のことかもしれません、、、。
夜遅くに食事をする場合には、
- 野菜
- 海藻
- キノコ
- コンニャク
などの低カロリーな食事ないようにするように心掛け、
できるだけ炭水化物の量を控えるようにしてください。
また、遅くなったからといって急いでかき込むのではなく、
食べる順番に注意して食べるようにしてください。
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