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    Categories: 食事で治す

ミニトマト3個で食後高血糖が下がるのか?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

実はブログの読者さんからこんな質問をいただいたのです。

特定保健指導において、
プチトマト3個でも食後高血糖を防ぐ効果があるといわれました。
フルーツトマトは糖度が8以上もあるのですが、糖度が5程度のトマトなら大丈夫でしょうか?

というものです。

一応返事を差し上げたのですが、さらに詳しく調べてみましたのでご紹介しましょう。

 

 

トマトの皮にはリコピンが含まれる

しばしば、

  • トマトは糖尿病に良い。
  • トマトは高血糖に良い。

などと言われます。

というのは、トマトにはリコピンという成分が含まれているからです。

 

トマトのリコピンとは?

リコピンとは、トマトに含まれる赤い色素です。

リコピンはカロテノイドの一つですが、カロチノイドというのは動物や植物の黄色や赤色の色素の総称で自然界には600種類以上のカロチノイドがあるといわれています。

ブドウではポリフェノール、人参のカロチン。そして、ロブスターやフラミンゴの赤色もカロチノイドです。

カロチノイドはには強力な抗酸化作用があり太陽の紫外線により発生する活性酸素を除去して植物自身をまもる働きをしているのです。

したがって、カロチノイドは皮に含まれるので、トマトの場合には大きなトマトよりもミニトマトの方が表面積が大きいので、グラム単位で考えればミニトマトの方がリコピンの量が多いといえます。

 

トマトのリコピンは血糖値を下げる

リコピンの健康効果としては、

  1. 血流の改善効果
  2. 生活習慣病の予防や改善効果
  3. 肥満の予防効果
  4. 美肌効果
  5. 視機能の改善効果

などがあるといわれています。

 

リコピンは血糖値を下げる

リコピンは糖尿病患者の血糖値を改善する効果があることを名古屋大学の研究グループが報告しています。

2型糖尿病患者の健康管理

-血糖値の改善効果に果たすリコピンの役割-

     詳しく読む ⇒ 名古屋大学紀要

 

研究グループは、

トマトに含まれる強い抗酸化作用のあるリコピンの摂取が2型糖尿病患者の血糖値(HbA1c)にたいする影響を調べたのですが、

糖尿病で通院している患者18例を対象に、

  1. トマトジュースを飲む群
  2. 飲まない群

に分けて12ヵ月に亘って観察したのです。

トマトジュースは、リコピン28mg を含み食塩や砂糖が無添加のものを毎日1本(200ml)を飲ませたのですが、飲む時間は制限しなかったそうです。

その結果、

トマトジュースを飲んだ群では、開始時の平均HbA1cが7.9% であったが、12ヵ月後には6.8% に低下し血糖値の改善が改善が認められたのです。

 

研究グループは、

2型糖尿病患者の高血糖による弊害をコントロールする1つの方法としてリコピンの含まれている食品を継続摂取することの有用性が示唆されたと結論しています。

 


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トマトには血糖値や血圧の上昇を抑制する効果がある

トマトといえばカゴメを思い浮かべるほど、カゴメはトマトのイメージです。

創業者の蟹江一太郎氏が1899年にトマトの栽培を開始し、豊作によりダブついたトマトの保存を兼ねてトマトケチャップなどの国産トマトソースの製造を開始したのです。

現在では、全国に14ヵ所に持っており、年間出荷量は約17,600トンにのぼっているそうです。

 

カゴメでは、トマトの健康効果に対する研究も盛んで、

トマトには血糖値や血圧の上昇を抑制する効果がある

との学会発表をしています。

トマト漿液の投与が血圧や血糖値の上昇を抑えることが明らかになりました。また、そのメカニズムとして、インスリン抵抗性の改善が示唆されました。トマト漿液を摂取することでインスリン抵抗性が改善し、高血圧や糖尿病などの疾患を予防することが期待できます。

     くわしく見る ⇒ カゴメ研究報告

この研究は、カゴメの研究所と近畿大学農学部との共同研究によるもので、

  1. 5週齢のSHRSPラットに
  2. トマト漿液を含む飼料

を12週間にわたって摂取させ、

  • 血圧
  • 血糖値

の変化を調べたのです。

SHRSPラットというのは、成長すると高血圧を発症するラットです。

 

その結果、

  1. 血圧は有意に低下
  2. 耐糖能試験において血糖値とインスリン値に低下傾向

という結果が得られたのです。

 

注目したいのは、

ラットに与えたのは、トマト漿液を含む飼料なのです。

トマト漿液とは、トマトを絞って得られた果汁をろ過して沈殿物を除いた液体、ということです。

すなわち、トマト漿液にはリコピンが含まれていないのです。

 

研究グループは、

トマト漿液にはリコピン以外のクエン酸やアミノ酸などの健康成分が豊富に含まれ、

α-グルコシダーゼ阻害やスクラーゼ阻害作用を示し、長期間の投与で耐糖能の改善傾向も確認された。

と結論しています。

 

トマトには、

リコピン以外にも糖尿病や高血圧を改善する成分が含まれている

ということです。

 


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トマトの糖質は多いのか?

質問にありました、

フルーツトマトは糖度が8以上もあるのですが、糖度が5程度のトマトなら大丈夫でしょうか?

ということですが、

  • トマトの皮には糖尿病に良い抗酸化作用のあるリコピン
  • トマトの漿液には糖尿病や高血圧に良い成分

が含まれているのですが、

最近のトマトは非常に甘く糖質が多いので血糖値が高い人は心配です。

トマトと他の野菜の100g当たりの糖質量を比較して見ると、

 

  • トマト 3~4g
  • キュウリ 1.6g   
  • レタス  1.5g
  • モヤシ 0.8g
  • ブロッコリー 0.6g
  • ほうれん草 0.4g

と、トマトの糖度はは3~4程度ですが、野菜の中では糖質が多い野菜なのです。

さらに最近は、フルーツトマトと名付けられた糖度がさらに高いトマトも販売され、

質問者の問いにあるように糖度が5~8のトマトも市場に出ているのです。

 

しかし、毎日の食べる量は大きなトマトでも100g程度ですから、ミニトマトの糖質摂取量はそれほどではないかもしれません、、。

また、果物に含まれる果糖はGI値が低いため、血糖値を急激に上げる心配は少ないのです。

 

1日のリコピン推奨摂取量は15mgで、通常のトマト1個を150gとした場合、含まれるリコピンの量は5mg程度ですから、3個ほど食べる必要があるのです。

 

カゴメでは2014年から「カゴメ野菜ジュース糖質オフ」を販売していますから、糖質が気になる方はコレを選択すれば良いかも知れません。

 

トマトには、

  • トマトの皮には糖尿病に良い抗酸化作用のあるリコピン
  • トマトの漿液には糖尿病や高血圧に良い成分

が含まれていることが科学的に立証されています。

 

しかし、

食事と一緒にトマトを食べれば食後高血糖を抑制するという効果は期待できない

ようですから、

トマトを習慣的に毎日食べる必要がありそうです。

 

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