肥満は糖尿病の大きな原因であることは間違いないことですが、
リンゴ型肥満は糖尿病や心臓病のリスクが高いことが分かりました。
同じ肥満でもリンゴ型肥満は糖尿病のリスクが高いのです。
では、リンゴ型肥満はどうして糖尿病になりやすいのでしょうか?
リンゴ型肥満は糖尿病や心臓病になりやすい
時事通信社英語版でJiJi PRESSは、2017年2月14日、
リンゴ型肥満は糖尿病になりやすいと報じました。
‘Apple-shaped’ body could raise risk of diabetes
People who are genetically predisposed to storing belly fat, or having an apple-shaped body type, could face a higher risk of type 2 diabetes and heart disease, researchers said Tuesday.
くわしく見る ⇒ 原著論文
この報道は、アメリカのハーバード大学医学部のセカール・カティレサン准教授らの研究グループが、
リンゴ体型の人は2型糖尿病と心臓病のリスクが高まる可能性がある
との研究論文をJAMA(米国医師会雑誌)に掲載されたことを紹介したもので、
腹部に脂肪がたまりやすい遺伝子を受け継いでいる人は、将来的に糖尿病や心臓病になりやすい健康的問題の発生要因をもっている可能性が高いとしているのです。
今回発表された研究論文では、
全遺伝情報解析を受けた40万人を対象にした6件の研究論文をを詳細に分析した結果、
腹部周囲と腰周囲の比率(ウエスト・ヒップ比:腹部肥満率)に関連する48の遺伝子変異が見つかり、
腹部肥満率の上昇に関与する遺伝を持つ人は、
- 血中脂質値
- 血中インスリン濃度
- 血糖値
- 最高血圧
が高く、
糖尿病と心臓病のリスクが高い
ことが明らかになったとしています。
さらに、
体脂肪の蓄積のタイプには、
- 腹部に脂肪がつく人
- 腰周りと太ももに脂肪がつく人
の2つがあるが、
腹部に脂肪がつくリンゴ型肥満は糖尿病と冠状動脈性心臓病の発症と確実に関連性があることが明らかになったとしています。
研究チームは、
腹部の脂肪を減らす薬剤が開発されれば、糖尿病と心臓病の予防薬になると述べています。
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糖尿病になりやすいリンゴ型肥満とは
糖尿病や心臓病になりやすいリンゴ型肥満とはどんな肥満なのでしょうか?
上に紹介した論文では、
体脂肪の蓄積のタイプには、
- 腹部に脂肪がつく人
- 腰周りと太ももに脂肪がつく人
の2つがあとしていますが、
さたに、
- 内臓脂肪型肥満
- 皮下脂肪型肥満
の2つもあります。
内蔵脂肪型肥満
内臓脂肪型肥満は、
- 中年以降の男性
- 閉経後の50代以降の女性
に多い肥満で、
内臓脂肪型肥満はリンゴ型肥満とも呼ばれる肥満なのです。
下の図は内臓脂肪型肥満の腹部CTスキャンの写真ですが、
赤の内臓脂肪と青の皮下脂肪、を比べると圧倒的に内臓脂肪が多いことが分かります。
このように、
内臓脂肪型肥満では、
腹部の中の内臓の周囲に脂肪が溜まるタイプの肥満
で、上半身に脂肪がつきやすく丸い体型になることからリンゴ型肥満ともいわれるのです。
皮下脂肪型肥満
皮下脂肪型肥満は、下記の図のように、
内臓脂肪よりも皮膚脂肪が多く、お尻や太ももなどの下半身に脂肪がつくタイプの肥満です。
皮下脂肪型肥満は主に女性に多く、体型は洋ナシ型になるので洋ナシ型肥満ともいわれます。
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リンゴ型肥満の原因は食べ過ぎ
どうして脂肪が増えたのでしょう?
それは、あなたが必要以上に食べたからです。
必要エネルギーには、
- 基礎エネルギー : 心臓拍動、体温維持などのために寝ている間も必要なエネルギー
- 活動エネルギー : 仕事をしたり、運動したり、日常の活動に必要なエネルギー
の2つの必要エネルギーがあるのですが、
必要以上のエネルギーを摂取すれば余分なエネルギーは脂肪として蓄積されるのです。
メタボから逃れるためには、自分の身体の必要エネルギーを知る必要がありま
脂肪を減らすのは意外と簡単
以前に、メタボや糖尿は食事で治せるで説明しましたので読んでくださったかと思いますが、
脂肪を減らすのは意外と簡単なのです。
特に内臓脂肪は、
蓄積しにくく減らしにくい皮下脂肪と異なり、
内臓脂肪は、蓄積しやすい反面、減らすことも比較的簡単なのです。
皮下脂肪と内臓脂肪の違いは、
- 皮下脂肪 : 少しづつ溜まる『定期預金』
- 内臓脂肪 : 出し入れ自由な『普通預金』
と例えられたりすることもあり、あなたも比較的簡単に減らすことができるのです。
糖尿病になってしまう前に、内臓脂肪を減らす努力をしませんか?。
内臓脂肪を減らす方法は、
厚労省のホームページでも、
体重80kgの人であれば5%の4kgを3-6ヵ月で減量すればいいのですから、1ヵ月に1kg減らせば十分です。
それだけでも血圧・血糖・血清脂質の値や、アディポサイトカインの分泌の改善が見込まれます。
とし、内臓脂肪を減らすためには、
- 規則正しい食事を心がけ、食事の量に気をつける。緑黄色野菜を摂る。
- 運動不足を解消し、運動する(歩くなど)機会を増やす。
- アルコールはできるだけ控え、週2回の休肝日を設ける
と指導しています。
あんなに太っていても相撲取りが糖尿病にならないのは皮下脂肪は多いが内臓脂肪が少ないからです。
糖尿病になってからの食事療法に比べれば、メタボ予防の食事療法ははるかに簡単なのです。
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