今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
糖尿病は自覚症状が非常に少ない病気です。
合併症が発生して初めて自分が糖尿病だと気付くことも希ではありません。
しかし、
自分が3年以内に糖尿病をどれくらいの確率で発症するかを調べる方法があるのです。
3年後の糖尿病を予測することが出来る
糖尿病は自覚症状が少ないことから、
- 手足が痺れる
- 目がかすむ
などの、糖尿病神経障害や糖尿病性網膜症などの糖尿病合併を発症して初めて自分が糖尿病だと気付くことも多く、糖尿病で自覚症状が出たら手遅れとも言われるのです。
また毎年、健康診断で血糖値を測定していても、空腹時血糖値は低い隠れ糖尿病も多く、血糖値が低かったからと安心はできないのです。
しかし、年齢やBMI、腹囲、血圧値などから、
3年後の糖尿病を予測する方法
があるのです。
この3年以内の2型糖尿病発症を予測する「糖尿病リスクスコア」を開発したのは、国立国際医療研究センター疫学予防研究部の研究グループです。
ご自分が3年以内に糖尿病をどれくらいの確率で発症するか、以下の方法で確認できます。
このリスクスコアは、3年間の糖尿病発症を予測するもので、30~65 歳(解析対象者の 99.7%)の労働者を対象に開発しました。
また、糖尿病の既往歴の無い方を対象としていますので、すでに疾患のある方や治療中の方は、医師や保健師と相談して生活習慣の改善を行われることをおすすめします。
というものです。
自覚症状がないまま進行する糖尿病ですが、
- 職場などでの健康診断の結果をもとに、
- 今のままの生活を続けた場合、
- 3年後の自分はどれぐらい糖尿病になる可能性があるのか
をチェックできるのです。
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3年後の糖尿病を予測する「糖尿病リスクスコア」
このチェック方法は、国立国際医療研究センター疫学予防研究部の研究グループで、12の企業の産業医と疫学専門家が2012年に開始した多施設共同研究である「職域多施設研究」(J-ECOHスタディ)の成果を元に考えられたものです。
研究では、男性3万2,040人、女性5,376人と合計3万7,416人(30~65歳)を対象とし、2008~2009年の間に少なくとも1回は会社の健康診断を受けた人について糖尿病発症の追跡調査を行ったのです。
非侵襲性の糖尿病のリスク因子として、
- 性別
- 年齢
- BMI
- 腹部肥満の有無、
- 喫煙歴の有無
- 高血圧の有無
を、さらに、侵襲性の糖尿病のリスク因子として、
- 空腹時血糖値
- HbA1c値
を加え、その後約3年の追跡期間中に発症する糖尿病を予測するための各リスク因子のスコアを開発したのです。
Development of Risk Score for Predicting 3-Year Incidence of Type 2 Diabetes: Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study.
原著論文 ⇒ コチラ
研究グループは、
この本研究で開発された糖尿病のリスクスコアを用いることにより、3年後の糖尿病発症を容易に予測できるとしています。
さらに、糖尿病発症のリスクの高い人を同定し、生活指導を行うことで糖尿病発症の予防することも可能だとしています。
また、
利用できるデータを増やすなどして、5年後の発症確率を知るリスクスコアの開発にも取り組みたい、と述べていますから心強いですね。
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3年後の糖尿病を予測してみよう「糖尿病リスクスコア」
3年後の糖尿病の発症を予測する「糖尿病リスクスコア」は、国立国際医療研究センター・臨床研究センター。疫学予防研究部で公開しています。
3年後の糖尿病を予測する「糖尿病リスクスコア」 ⇒ 予測システム
方法は至って簡単です。
チェックリストに従って、性別、年齢、、など、自分の該当する項目の点数を加算していくだけです。
その合計点数によって、
3年後に糖尿病になる確率が、
6段階で、「2%以下」から「23~28%」の確率で判定されるのです。
さらに、
健康診断時に得られた、血糖の値である「空腹時血糖値」と「HbA1c」を入れて判定することにより、
さらに精度が高くなり、3年後の糖尿病の発症確率も、「1%以下」から「65%以上」の8段階で評価できます。
もし、3年後の糖尿病の発症確率が高いと判定されても、
このままの生活を3年間続ければ糖尿病になる
ということです。
今の生活を改めれば糖尿病にならないのです。
糖尿病を予防するためには食生活と運動ですが、食生活では、糖質の摂取を少し抑えてみてください。
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