今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
ネットで検索すると、
- 自宅で完結?
- 手軽に痩せられる?
と、手軽で簡単にダイエットできると「GLP-1ダイエット」が数多く表示されます。
GLP-1ダイエットとは糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬を用いた減量法なのです。
先日、日本糖尿病協会は「痩身目的で消費者に自己注射させるケース」もあることから、
痩身をうたうオンライン美容医療にご注意!
とGLP-1受容体作動薬の適応外使用での使用に警告を出しています。
さらに、日本医師会、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が注意喚起を行っており、
国民生活センターには苦情が寄せられているのです。
日本糖尿病学会が見解を公表「薬剤の適正な処方を」
多くのクリニックでおこなわれているGLP-1ダイエット、
GLP-1ダイエットと糖尿病薬治療薬であるGLP-1受容体作動薬を用いた、
美容・痩身・ダイエットなどを目的とする自由診療でおこなう適応外診療です。
適応外使用とは,
承認されている医薬品をその承認内容の範囲外でで使用することです。
日本糖尿病協会は、血糖低下薬であるGLP-1受容体作動薬が、
適応外である痩身・減量目的での処方を宣伝する医療広告が散見されるのを受け、
減量についての見解を公表しました。
GLP-1 受容体作動薬および GIP/GLP-1 受容体作動薬の適応外使用に関する
日本糖尿病学会の見解一般社団法人 日本糖尿病学会
詳しく見る ⇒ 糖尿病薬学会の見解
糖尿病薬学会は、
クリニックなどでおこなわれているGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬を適応外使用したGLP-1ダイエットについて、
不適切な薬物療法により患者さんの健康を脅かす危険がることから、
医師は国内承認状況を踏まえて薬剤の適正な処方をうように求めた
のです。
さらに、
GLP-1受容体作動薬の肥満症に対する適応が承認されたことについても、
- BMIの基準
- 肥満に伴う健康被害
などの基準が厳格に定められているとして適正使用を求めたのです。
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日本医師会もGLP-1ダイエットに懸念を表明
日本医師会も2022年6月に、
糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬がGLP-1ダイエットなどとして痩せ薬として適応外使用されていることについて強い懸念を表明しています。
日本医師会は、これまで糖尿病治療について啓発を進めてきたが、
糖尿病治療薬の一部が、個人輸入や美容クリニックで”痩せ薬”として不適切に使用されている実態があるが、
リスクおよび医薬品適正使用の観点からも、このような行為を禁止すべきである
と表明しています。
詳しく見る ⇒ 適応外使用によるGLP-1ダイエットについて
GLP-1受容体作動薬には副作用のリスクや禁忌があるとし、
健康を守るべき医師が、治療の目的を外れた使い方をすることは「医の倫理にも反する」と指摘したのです。
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国民生活センターにはGLP-1ダイエットの苦情も
国民生活センターも2020年9月に、
「GLP-1受容体作動薬を痩身目的で消費者に自己注射させるケースがみられる」
として、
「患者を誤認に導き、不安や健康被害を与える行為に反対する」
と表明しています。
GLP-1ダイエットのオンライン診療について、
- 副作用が出たのでクリニックに相談したが医師の対応がない
- 冷蔵の薬品が常温で届いた
などとの苦情が寄せられたとし、
2020年8月20日に、
を公表しています。
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まとめ
痩身や減量を目的としたGLP-1ダイエットは糖尿病薬の適応外診療であり、
患者の健康を害する危険があることから適正な処方を求めています。
一部のGLP-1受容体作動薬は肥満への適応が認められていますが、
・BMIが27以上で肥満に関連する健康障害がある
・BMIが35以上
という超肥満者にしか処方が認められていないのです。
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