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かまいたち山内の糖尿病薬GLP-1ダイエットは危険なのか

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。

 

はじめに

かまいたちの山内健司さん(以下敬称略)は、

かまいたちのYouTubeチャンネルで、

糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬を使ったダイエットを受け、

3ヵ月で8kgの減量に成功した

と紹介した。

 

 

しかし、

吉本興業は「不適切な部分もありました」として動画を削除した。

 

かまいたちの山内が受けた糖尿病薬GLP-1ダイエットは危険なのでしょうか?

 

 

かまいたち山内はGLP-1ダイエットで減量?

かまいたちの山内は4月16日に、かまいたちのYouTubeチャンネルで、

「お腹に注射を打つダイエット」を受け、

3ヵ月で8kgの減量に成功し、

体重は63kgになった

と動画で紹介した。

 

 

詳しく見る ⇒ かまいたちチャンネル(現在は削除)

 

動画では「あくまで今回の動画は山内個人の体験談・見解になります」と注意書きがあったものの、

  • 私は「〇〇クリニックさんで人生が変わった
  • 多分日本で俺だけじゃない?
  • お腹に注射を打つダイエットなんですけど食欲が抑えられる
  • 摂取した糖質とかが半分くらいは尿とともに排出される

と解説していた。

 

山内はコンビで「〇〇クリニックのAGA治療」のコマーシャルに出演しているが、

そのクリニックで施術を受けたようですが、多くの視聴者から批判が上がっていた。

 

 

所属する吉本興業では、

当該動画は、あくまでも個人の感想をお届けする趣旨ですが、

一部表現として不適切な部分もありました。

として動画を削除しました。

 


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糖尿病薬のGLP-1とは?

GLP-1 とはGlucagon-Like Peptide-1の略で、

日本語ではグルカゴン様ペプチド-1といわれる私たちの体内にあるホルモンなのです。

 

食事により食べ物が消化管の中に入ってくると、

  • 小腸からGLP-1が分泌され、
  • 血流によりすい臓に運ばれ、
  • インスリンの分泌を促し
  • 血糖値が下がる

のです。

 

そのことから、GLP-1の分泌を促進する受容体作動薬は糖尿病に有効として、

2010年1月にノボ ノルディスク ファーマのGLP-1受容体作動薬「ビクトーザ」皮下注射剤が国内で初めて血糖低下薬として厚生労働省の承認を受け、

その後、

1日1~2回注射する薬剤

週に1回注射する薬剤

など多くのGLP-1受容体作動薬が販売されることになりました。

 


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米国ではGLP-1は抗肥満薬として承認されている

GLP-1にはインスリンの分泌を促進する作用に加え、

食欲を抑制する作用もあることから「痩せるホルモン」と呼ばれ、

米国ではGLP-1は抗肥満薬として承認されいるのです。

 

そんなことから国内でも、

肥満を対象に、

  • 自由診療による
  • 自主責任による適応外使用

として処方するクリニックが増えてたのですが、

 

医師会などでは、

GLP-1のダイエット利用はやめて
~糖尿病治療薬の目的外使用(日本医師会 今村聡副会長)~

 

  詳しく見る ⇒ 時事メディカル

と、ダイエットを目的としてGLP-1の適応外使用を止めるように要望ていました。

 

かまいたちの山内が受けたというGLP-1ダイエットも、

自由診療による適応外使用だったのでしょう。

 

国内でも抗肥満薬としてGLP-1が承認

そんなGLP-1受容体作動薬ですが、

つい先日の3月27日、

ノボ ノルディスク ファーマのGLP-1受容体作動薬「ウゴービ皮下注SD」は、

過体重や肥満の糖尿病を対象にしたSTEP臨床試験で有効性が認められた

として厚生労働省から抗肥満薬として承認を受けたのです。

 

「ウゴービ皮下注」(セマグルチド(遺伝子組換え))

適応症 肥満症

高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し、
食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、

以下に該当する場合に限る。
・ BMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害がある
・ BMIが35以上

 

注意する点は、

  • 糖尿病で肥満症
  • 食事療法や運動療法で効果が得られなかった
  • BMIが25以上

ということで、

美容を目的としたGLP-1ダイエットではないのです。

 

次回はGLP-1ダイエットはどうして危険なのかをもう少し詳しく説明しましょう。

 


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まとめ

かまいたち山内が受けたというGLP-1ダイエット。

先日、血糖低下薬であるGLP-1受容体作動薬は肥満症治療としても厚生労働省の承認を受けましたが、

BMIが25以上、BMIが27以上の高度な肥満を対象にするものです。

医師会が提言しているようにBMI25以下の普通体重の人が美容目的でGLP-1ダイエットをするのは非常に危険なのです。

 

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