今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
先日、SNSのニュースサイトで、
糖尿病は治らない病気で癌よりも怖い病気です
というコラムを目にしました。
確かに、糖尿病が進行すると、
- 下肢切断
- 失明
- 腎臓の人工透析
などに進行する可能性もある怖い病気であることは間違い有りません。
しかし本当に、
糖尿病は治らない、癌より怖い病気なのでしょうか?
糖尿病は本当に治らないのか?
その記事にはこう書いてあったのです。
世の中には1度発症したら治らない病気があります。
医者から見ると、治せない病気ということになります。
糖尿病はその1つで、その意味で、がんより怖いと言えるかもしれません
糖尿病は治らない病気でがんよりも怖いというのです。
1度発症したら治らない「糖尿病」全国に1,000万人以上
詳しく見る ⇒ Yahoo!ニュース
その記事を書いたヒトは医者で、自身も糖尿病に罹患しているとのことで、
「私も患者の1人、、、投薬と食事療法で生きている」
と書いています。
その方が糖尿病と診断されたのは、2005年でHbA1cが7.2だったそうです。
それ以来、血糖低下薬を服用したそうですが、
自覚症状がないことから甘く見ており、
15年後の2020年に狭心症のステント手術を受けたときにはHbA1cが9.5もあったのでだそうです。
それ以来は食生活も変え、炭水化物を摂り過ぎないように心がけ、血糖降下剤DPP-4阻害薬を服用しインスリン製剤を2~6単位注射しているとのことです。
その方の家系は糖尿病の家系だったことから、
遺伝的な要因に加えて食生活も偏っていれば、自身も糖尿病になるとの自覚はあったのですが、
知っていることと自覚して実行することは別で、
若い時から食生活を心がければよかったと後悔しているが「後の祭り」だと述べています。
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糖尿病は治るので管理を怠らないこと
確かに糖尿病は管理が難しい病気です。
しかし、
現役の医者が、糖尿病は治らない病気でがんよりも怖い
と多くの人が目にするニュースサイトに記するのは問題ではないでしょうか。
生活習慣病といわれる、
- 高血圧
- 肥満
- 糖尿病
は管理が難しい病気です。
肥満は、
- 食事制限
- 運動の励行
によって解消しますが、
再び過食や運動不足によって肥満に陥ってしまいます。
糖尿病も同じように、
- 食事療法
- 運動療法
によって解消しますが、怠れば容易に血糖値が上がってしまうのです。
このように、生活習慣病は管理が難しいのです。
さらに、
糖尿病は、
- インスリンの効果が薄れてしまう
- インスリンの分泌が悪くなってしまう
病気なのですが管理せず放置したままにすると「インスリンが出なくなってしまう」のです。
膵臓のβ細胞がダメになってしまうと元には戻らなくなってしまい、
生涯にわたってインスリンの注射を続けなければならなくなってしまいます。
病気が治ると言うことについては、
- 寛解
- 完治
という言葉があります。
寛解とは : 病状が消失した状態で再び再発する可能性がある状態
完治とは : 治療を中止しても再発の懸念がない状態
多くの病気の治療において、寛解と完治は非常に微妙な問題です。
がん治療においても原発巣を切除し抗がん剤治療で完治と思われても5年、10年後に再発する可能性が残るのです。
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まとめ
糖尿病は治らない病気ではありません。
食生活や運動療法をキチンとおこなえば血糖値は下がりますし、
血糖低下薬をキチンと服用すれば合併症を引き起こすことはありません。
重要なことは血糖が高いと診断されたら、
- 食事療法
- 運動療法
でキチンと管理することです。
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