今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
糖尿病という名前は“尿が甘くなる”からそうな名付けられています。
英語では“Diabetes mellitus(ダイアビーティス メリタス)”と呼ばれますが、
ギリシャ語で“サイフォン”を意味するのDiabetesと、ラテン語で“蜂蜜のように甘い”を意味するMellitusが合わさってできた名前です。
糖尿病では血中の糖が尿にあふれ出るため尿が甘くなることからこのような名前になったのですね。
ところで、日本糖尿病協会は昨年の秋に「糖尿病」という名前の変更を検討していることを公表しました。
どうして糖尿病の名前が変わるのでしょうか?
日本糖尿病協会は糖尿病の名前の変更を検討中
日本糖尿病協会は昨年11月7日に、
「糖尿病」という病名の変更を検討する方針を明らかにし、
日本糖尿病学会とも連携し、1~2年内に新たな病名を提案するとしたのです。
「糖尿病」の名称変更へ
~患者の9割が不快感—糖尿病協会~
詳しく見る ⇒ 糖尿病の名称変更
日本糖尿病協会では、
2021年に行った糖尿病患者を対象としたアンケート調査で、
回答者1,087人の9割が糖尿病という病名に何らかの抵抗感や不快感を持ち、糖尿病という名前の変更を希望する人が80%が希望した
というのです。
なかでも、
尿という言葉が持つ負のイメージへの懸念が多く、
糖尿病に対する誤った認識が偏見を助長し、差別を生んでいる
というのです。
そして、
- 生命保険や住宅ローンに加入できない
- 就職が不利になった
- 怠け者のような目で見られる
などの不利益を受けることがあるため糖尿病という名称を変更することを検討するというのです。
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糖尿病の名前はDiabetes mellitusの和訳
わが国 においてはすで に3世 紀 頃から糖尿病 に相 当す ると思われ る疾患 について
の記載が ある といわれており、 「消渇」 な どの病名 が使 われいたのですが、
幕末~明治初期頃から、
英語のDiabetes mellitusを和訳して
- 蜜尿病(みつにょうびょう)
- 甘血(かんけつ)
- 糖血病(とうけつびょう)
- 糖尿病、葡萄糖尿(ぶどうとうにょう)
と呼ばれていたのですが、
1907年第4回日本内科学会において「糖尿病」に統一されたのです。
糖尿病では確かに血糖が尿に漏れ出すことから、
糖尿病の判定法の一つとして「尿糖の測定」があります。
「糖尿病ではいつも尿に糖が出る」のではなく、
糖尿病で尿に糖が漏れ出すのは、
血糖値がおよそ170mg/dL以上になってから
で、 食後でも食後高血糖の基準である140mg/dLを大幅に超えないと糖が尿に漏れ出すことはないのです。
さらに、腎臓機能の異常により 糖尿病でなくても尿に糖が出ることがあり、腎性尿糖といわれます。
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糖尿病の名前はどう変わるのか?
日本糖尿病協会では2、3年以内に具体的な名前を提案するとしていますが、
日経メディカルは昨年12月に医師を対象に、
糖尿病の病名を変えるとしたら何が良いか?
というアンケート調査を行っています。
糖尿病の名前を変えるとしたら何が良いかを、
下記の様に9つの候補名を挙げ1つを選んで貰ったのです。
その結果は多かったBest3は、
- 糖代謝異常症
- 高血糖症
- 高血糖症候群
だったそうです。
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まとめ
日本糖尿病協会は糖尿病の名前の変更を検討しています。
英語での糖尿病はDiabetes mellitusと糖が流れ出すという意味ですし変える必要もないかと思いますが、
- 生命保険や住宅ローンに加入できない
- 就職が不利になった
などの不利益が生じているのであれば仕方が無いかもしれません。
しかし、名前を変えてとしても糖尿病が無くなるわけではありませんから、
糖尿病を治す努力は同じですよ。
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