今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
一人住まいは、中高年層の肥満、高血圧、糖尿病、心血管系疾患などの生活習慣病や死亡のリスクですが、若年層の生活習慣病に及ぼす影響は未だ明らかではありませんでした。
一人住まいの大学生は太りやすい
肥満は生活習慣の影響を受けやすいのですが、
大阪大学の研究グループは、
一人住まいの大学生は太りやすい傾向が明らかになった
という研究結果を発表しました。
詳しく見る ⇒ 大阪大学プレスリリース
この研究成果はアメリカの科学誌Journal of American College Healthにも掲載されました。
Associations of kidney tests at medical facilities and health checkups with incidence of end-stage kidney disease: a retrospective cohort study
詳しく見る ⇒ Journal of American College Health
大阪大学のキャンパスライフ健康支援センターの山本准教授らの研究グループは、
2007~2015年度に大阪大学に入学した26,394人の学生について、
入学後6年間の健康診断データを解析し、
入学時の居住形態と肥満のリスクについて解析したのです。
- 自宅住まい
- 独り住まい
- 寮生活
男性(17,540人)では、
一人住まいの学生は自宅住いの学生より、
- 体重10%増のリスクが1.24倍高い
- 肥満(BMI≧25kg/m2)のリスクは1.18倍高い
女性(8,854人)では、
一人住まいの学生は自宅住いの学生より、
- 体重10%増のリスクが1.76倍高い
- 肥満(BMI≧25kg/m2)のリスクは1.67倍高い
ことが明らかになったというのです。
中高年層における一人住まいでは、
肥満などの生活習慣病や死亡のリスクが高まることが知られていますが、
若年層でも一人住まいでは肥満のリスクが高まることが明らかになったのです。
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夕食を食べない学生では肥満のリスクが高い
さらに研究グループは、
朝食を食べない学生では体重増加や肥満のリスクが高いことを明らかにしていますが、
昼食と夕食の摂取頻度と体重増加や肥満との関連についても調べました。
2007〜2015年に大阪大学に入学した26,433人の学生について、
入学後1年間の朝食と昼食と夕食の摂取頻度、
- ほぼ毎日食べている
- 食べないことがある
- 食べないほうが多い
- ほぼ食べない
と、
在学期間の体重変化の関連を調べたのです。
夕食の摂食頻度と体重変化については、
男性学生では、
夕食をほぼ毎日食べている17,307人のうち1,857人(10.7%)で10%以上の体重増加が見られましたが、
それ以外の回答をした266人のうち39人(14.7%)が10%以上の体重増加を示し、
夕食を毎日食べていない男子学生では毎日食べている学生より、
- 10%以上の体重増加リスクが1.42倍高い
- 肥満のリスクが1.74倍高い
ということが判明しました。
女性学生では、
夕食をほぼ毎日食べている8,502人のうち1,436人(16.9%)で10%以上の体重増加が見られましたが、
それ以外の回答をした358人のうち82人(22.9%)が10%以上の体重増加を示し、
夕食を毎日食べていない女子学生では毎日食べている学生より、
- 10%以上の体重増加リスクが1.67倍高い
- 肥満のリスクが1.68倍高い
一方、朝食や昼食の摂食頻度と体重増加や肥満の関連は認められなかったというのです。
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まとめ
一人住まいでは生活リズムが乱れがちで朝食を食べない、夕食を食べないなどと食生活のリズムも変わってしまうのですが、
一人住まいの学生では肥満のリスクが高いということはそれらを反映しているのでしょう。
らさに、今回の研究では、
朝食や昼食よりも、夕食の摂取頻度が体重増加や肥満に深く関連しているということは非常に興味深いことです。
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