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    Categories: 糖尿病の合併症

糖尿病網膜症による失明者は減少しているのか?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。

 

はじめに

人間は情報の80%を視覚から得ているといわれています。

失明するということは情報の80%を失うということですが、

成人になってから失明する中途失明になると大変な困難を負うことになります。

 

 

糖尿病網膜症は中途失明の原因で第2位。

毎年3,000人が糖尿病網膜症によって失明しているのですが、

50~60歳代の糖尿病患者のうちの39%に相当する300万人糖尿病網膜症を併発していると推定されているのです。

 

 

中途失明の原因の第2位は糖尿病網膜症

失明とは、それまで視力のあった者が何らかの理由で視力を失うことですが、

中途失明は、人生の途中で病気や事故などにより失明することです。

 

中途失明の原因は失明者が多い方から、

  1. 緑内障
  2. 糖尿病網膜症
  3. 網膜色素変性症

という順番です。

 

 

かつては中途失明の原因の第1位は糖尿病網膜症でしたが、

糖尿病の知名度の向上、糖尿病健診の徹底、糖尿病治療薬の発展などにより、

糖尿病の治療が進歩したことで順位が入れ替わり、現在では緑内障が第1位となっています。

 

では中途失明の原因となる眼疾患はどのようなものなのでしょうか?

 

第1位 : 緑内障

日本人の失明原因第1位は緑内障です。

緑内障とは、簡単にいえば眼圧が高くなって視野が欠けていく病気ですが、進行がゆっくりとしているために気づくのが難しく、中途失明原因の第1位となっているのです。

緑内障では、視野の周辺に見えない部分ができ、それがゆっくり広がっていくので、視野が欠けていることに気付かず、失明に至ってしまう場合が多いのです。

 

緑内障の原因は、眼球内部の圧力が高くなることです。

眼球の中には房水という液体が入っていいるのですが、その排出がうまくいかないと眼圧が高くなり、

圧迫により視神経が萎縮して徐々に視野が欠けていくのです。

 

治療しても萎縮した視神経は元に戻らないため、手当がおくれると失明に至ってしまうのです。

 

緑内障は、日本人では40歳以上で5%程度、60歳以上では10%程度と、患者数は500万人以上と推定されています。

40歳を過ぎたら、少なくても5年に1回は眼科検診を受ける必要があります。

 


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第2位 : 糖尿病網膜症

糖尿病網膜症については何回も説明してきましたが、

血液内の糖が高まると血管壁が傷害されるのですが、

糖尿病網膜症では網膜の血管が障害され視力低下や最終的には失明に至る、

糖尿病の合併症の1つです。

 

中途失明の原因としてはかつての第1位から第2位へと後退しましたが、

50~60歳代の糖尿病患者のうちの39%に相当する300万人が糖尿病網膜症を併発していると推定されており、

毎年3,000人が糖尿病網膜症によって失明しているのです。

 

糖尿病網膜症と診断されても最初の5年間は視力低下などの症状がなく、

また、眼底に点状出血などがあっても視力低下や視野の変化が表れにくいため、

突然の網膜出血や網膜剥離などが起こって初めて糖尿病網膜症の進行に気付くことが多いのです。

 

 

 

網膜の浮腫が黄斑といわれる部位におこる黄斑浮腫がおきれば視力低下や失明にいたる場合が多いのです。

 

糖尿病の罹病10年で50%が糖尿病網膜症になるといわれており、血糖値が高いなら糖尿病網膜症が進んでいる可能性があるため、

糖尿病と診断されたら定期的に眼科検診を受けておくべきです。

 


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第3位 : 網膜色素変性症

網膜色素変性症には遺伝も関係している眼疾患です。

網膜に色素沈着を伴う萎縮が起こり、視野の中心から30度あたりに輪状の暗点を生じ、

進行すれば中心視野以外の視野を失うことになります。

ある程度の視力は最後まで残りますが、薄暗いところで特に見えなくなります。

家族や近親者に網膜色素変性症の人がいる場合には定期的に眼科を受診するべきでしょう。

 

 

第4位 : 加齢黄斑変性症

順位としては第4位ですが欧米では中途失明の原因の第2位で、

国内でも高齢化に伴い患者数が増加している加齢性黄斑変性について簡単に説明しましょう。

 

加齢黄斑変性は、老化に伴い網膜の中心に出血や浮腫がおこり視力が低下する疾患で、

放置すると進行すると視力の回復が困難になってしまうのです。

加齢黄斑変性の発症は老化によって網膜の黄斑部の老廃物を処理する機能が衰え、
老廃物などが沈着して網膜組織に異変をきたすためだと考えられていますが、

紫外線、喫煙、生活習慣も発症を促進していることが明らかになっています。

 

黄斑に変化がおこると、ゆがんで見える、視野の中心が暗くなる、中心が欠けて見えるなどの症状が出るので、気付いたときには直ぐに専門医の受診を受けましょう。

 


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まとめ

糖尿病の早期発見や治療の進歩により糖尿病網膜症による失明者は減ってはいるのですが依然として中途失明の原因の第2位で、

毎年3,000人が糖尿病網膜症によって失明しているのです。

糖尿病の罹病10年で50%が糖尿病網膜症になるといわれ、50~60歳代の糖尿病患者の40%に相当する300万人糖尿病網膜症を併発していると推定されていますが、

糖尿病網膜症は血糖コントロールによって防ぐことができるのです。

 

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