今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
コーヒーは糖尿病に良いということは以前にお話ししました。
コーヒーに含まれるアデポネクチンを増加させ糖尿病を予防する効果があるのです。
また、
緑茶やコーヒーは糖尿病の血糖値を下げる作用もあるのです。
しかし、血糖値に良いコーヒーも飲み方によって悪影響があるようで、
イギリスの研究グループは、
寝不足の朝の濃いコーヒーは食後血糖値を高る
という研究報告をしましたから要注意です。
寝不足の朝の濃いコーヒーは食後血糖値を上げやすい
コーヒーに含まれるアデポネクチンを増加させ糖尿病を予防する効果がある
と、血糖値にやさしいとされるコーヒーなのですが、
寝不足の朝の濃いコーヒーは食後の血糖値を上げやすい
というのです。
英国の研究グループは、
睡眠不足で濃いブラックコーヒーを飲むと食後血糖値が高くなる
という研究論文を世界的な科学雑誌British Journal of Neutrition に発表しました。
Glucose control upon waking is unaffected by hourly sleep fragmentation during the night, but is impaired by morning caffeinated coffee
くわしく読む ⇒ 原著論文
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研究グループは、
- 健康な男女29人(平均21歳)
を対象に、
- 3つの睡眠条件後に
- 経口糖負荷試験(OGTT)を行った
のです。
糖負荷試験(OGTT)とは75gのブドウ糖を飲んだ後に経時的に採血して血糖変化を調べる試験で、糖尿病の確定診断に使われる方法です。
3つの睡眠条件とは、
- 正常な8時間の睡眠後に白湯を飲んでから糖負荷試験OGTTを受ける
- 断続的な8時間の睡眠後に白湯を飲んでから糖負荷試験を受ける
- 断続的な8時間の睡眠後に濃いブラックコーヒーを飲んでから糖負荷試験を受ける
断続的な8時間睡眠;1時間毎に5分間起きる睡眠
というもので、
それぞれの睡眠後に、白湯かコーヒーを飲んて30分後に糖負荷試験をおこなったのです。
その結果、
正常睡眠と断続的睡眠では、
糖負荷後の、
・血糖値も変わらない
・インスリン濃度も変わらない
という結果でしたが、
断続的な睡眠後にコーヒーを飲んだグループでは、
糖負荷後の、
・血糖値が高い
・インスリン濃度が高い
という結果が得られたのです。
さらに、
糖負荷後120分間の総血糖値を表すAUCという面積を比較すると、
断続的睡眠でコーヒーを飲んだ群は正常睡眠群より血糖値が50%も増加したことが分かりました。
研究グループは、
コーヒーのカフェインが糖の筋肉への取込みを阻害し、
さらに、
睡眠障害とカフェインが血糖値を上げるホルモン(コルチゾール)の分泌を促したことが血糖値の上昇につながった、
とコメントしています。
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まとめ
コーヒーに含まれるアデポネクチンを増加させ糖尿病を予防する効果があることや、
緑茶やコーヒーは糖尿病の血糖値を下げることなどから、
コーヒーは糖尿病に良いとされ、
コーヒーをたくさん飲むほど糖尿病のリスクが減少するという論文もあるのですが、
寝不足の朝に濃いコーヒーを飲むことは避けた方が良さそうです。
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