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    Categories: 食事で治す

糖尿病予備群でも肥満を防げば糖尿病を予防できる

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

先日お話ししたようにアメリカに来ています

アメリカでは糖尿病が非常に多く、

2017年に米国疾病管理予防センター(CDC)が発表した報告書によると、

1億人以上が糖尿病か糖尿病予備群で人口の1/3が糖尿病の脅威にあるといわれています。

 

それにしてもアメリカでは肥満の人が多い。

そして肥満といっても日本人の肥満とは桁が違う肥満です。

 

 

さて今日の話は、

糖尿病予備群でも肥満を防げば糖尿病を予防できる

ということです。

 

糖尿病予備群というのは、

血糖値やや高く、現状の生活習慣を続ければ、いずれ糖尿病になる確立が高い人

のことですが、

糖尿病予備群でも肥満を防げば糖尿病を予防できる

というのです。

 

 

糖尿病予備群でも肥満を防げば糖尿病を予防できる

糖尿病予備群でも体重を増やさなければ糖尿病の発症を最小限にできるということを明らかにしたのは、

国立国際医療研究センターの研究グループで、昨年の12月にClinical Nutrition and Metabolismという科学雑誌に掲載されました。

Trajectories of body mass index and waist circumference before the onset of diabetes among people with prediabetes.

前糖尿病患者の糖尿病発症前のボディマス指数とウエスト周囲の軌跡

 

くわしく読む ⇒ 原著論文

 

この研究では、

2万2,945人の糖尿病予備群について最大8年間追跡調査し、

  1. 糖尿病に進行した人
  2. 糖尿病予備群のままの人
  3. 正常血糖値に戻った人

について、

  • BMI
  • 腹囲の変化

をの調べたのです。

 

その結果、

  1. 糖尿病に進行  : 2,972人(13.0%)
  2. 前糖尿病のまま : 15,267人(45.4%)
  3. 正常血糖に戻る : 4,706人(14,0%)

と、13%が糖尿病に移行してしまったのですが、14%の人は健康体に戻ったのです。

 

そして肥満を示すBMIと腹囲の変化を調べてみたところ、

糖尿病に移行した人では、

  • BMIが大きく増加(糖尿病予備群のままの人の3倍)
  • 腹囲の年間変化率は0.38cm(糖尿病予備群のままの人の7倍)

 

正常血糖に戻った人では、

  • BMIはほぼ変化がなかった
  • 腹囲は中心性肥満では減少、中心性肥満では変化なし

     中心性肥満とは内臓脂肪型のりんご型肥満のこと

 

研究グループはこれらの結果から、

糖尿病予備群では肥満や非肥満にかかわらず体重を増やさなければ糖尿病を予防できる

と結論しているのです。

 


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糖尿病予備群でも

糖尿病予備群といわれても、

  • 自覚症状はないから大丈夫
  • まだ糖尿病になったわけじゃないから

と気軽に考えている人が多いのですが、

糖尿病予備群の人の体の中では様々な変化が起き始めているのです。

糖尿病予備群でも寿命が短い

糖尿病は心臓病や脳卒中の原因

高血糖を治療しないで放置すると糖尿病合併症

などでもお知らせしたように、

糖尿病予備群でも動脈硬化などが始まっているのです。

 

 

 


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まとめ

HbA1c 6.5%未満で空腹時血糖値が110~125mg/dLの人は境界型といわれ、

今の生活習慣を続ければ糖尿病になる確立が高いことから、糖尿病予備群と呼ばれます。

 

 

今回の研究でも、8年以内に13%の人が

今の生活習慣を続ければ糖尿病になる確立が高いということから、

  • 食事内容の見直し
  • 運動の励行

などを行うことが必要なのですが、

糖尿病予備群でも肥満を防げば糖尿病を予防できる

ということが明らかになりました。

糖尿病予備群でも肥満や非肥満にかかわらず体重を増やさなければ糖尿病を予防できる

のです。

 

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