今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
セカンドミール効果をご存じですか?
セカンドミール効果とは、
最初に摂った食事(ファーストミール)が次の食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼす
ことをいうのです。
セカンドミール効果は、1982年にトロント大学のジェンキンス博士が提唱した概念ですが、
ジェンキンス博士はGIの提唱者であるのです。
GI値の低い食べ物は血糖値を上げにくいのですが、
朝食でセカンドミール効果のある食べ物を食べれば昼食後の血糖値も上げない
ということなのです。
そのセカンドミール効果のある食べ物とは、、、
牛乳のセカンドミール効果は1日を通じて血糖値を上げない
セカンドミール効果とは、上にも書きましたように、
最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響を及ぼす現象
のことなのですが、
カナダのトロント大学の研究グループは、
朝食に牛乳を飲むと食後の血糖値の上昇を抑え、
セカンドミール効果により食欲を抑えて1日中血糖値の上昇を抑える効果がある
Consuming milk at breakfast lowers blood glucose throughout the day
という研究結果を報告しています。
詳しく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
- 平均年齢23歳
- 平均BMI(体格指数)が22
の男女32人を対象に、
朝食として、
- シリアル + 牛乳(250mL)
- シリアル + 水(250mL)
と摂ったときを比較したのです。
その結果、
牛乳を飲んだ群では、
- 血糖値の上昇が抑えられた
- 食欲が抑えられ1日を通じて血糖値の上昇が抑えられた
という結果が得られたというのです。
研究グループは、
牛乳の蛋白質の持つセカンドミール効果により、
- 炭水化物の吸収が遅くなった
- 食欲を促進するグレリンの分泌を抑制した
- GLP-1の産生を高めインスリン分泌を刺激した
ためであろうと結論しています。
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セカンドミール効果のある食品
朝食で牛乳を飲むと1日を通して血糖値の上昇が抑制されるとは嬉しい限りですが、
セカンドミール効果がある食べ物は牛乳だけではありません。
下の図は、
朝食(ファーストミール)に、「白米」か「麦ご飯」を食べ、
昼食(セカンドミール)には、同じ「栄養調整食」を食べたときの食後血糖値の比較です。
朝食に麦ご飯を食べた群では、
- 朝食後の食後血糖値が抑えられた
- 昼食後の血糖値の上昇も抑えられた
とセカンドミール効果が明らかなのです。
このように、
朝食に「セカンドミール効果のある食品」を摂れば、効果は昼食まで続くのです。
セカンドミール効果のある食品
セカンドミール効果のある食品は、
今回紹介した、
- 牛乳
- 麦ご飯
だけでなく、
糖の吸収を抑える働きのある食物繊維の多い、
- 玄米
- 大豆類
- きのこ類
- 海藻類
など、本来の日本食でよく使われる食品です。
これらの食品を朝食でしっかり摂ることが大事なのです。
まとめ
セカンドミール効果のある食品は、
- 玄米や麦
- 豆
- きのこ
- 海草
などですが、思い出すことはありませんか?
そうです、
セカンドミール効果のある食品はGI値の低い食品でもあるのです。
セカンドミール効果を提唱したのはトロント大学のジェンキンス博士ですが、
ジェンキンス博士はGI値の提唱者でもあるのです。
同時に、セカンドミール効果のある食品でもあるのです。
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