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    Categories: 糖尿病とは糖尿病の診断

肥満の男性サラリーマンの糖尿病率は77%

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

厚生労働省は3年毎に患者調査を行っているのですが、

平成26年の患者調査によると、

糖尿病の総患者数は316万6,000人。

性別では男性が176万8,000人女性が140万1,000人でした。

詳しく見る ⇒ 厚生省・患者調査

 

すなわち日本人成人の糖尿病率は、

  • 男性では6人に1人が糖尿病
  • 女性では8人に1人が糖尿病

なのです。

 

しかし、

国立国際医療研究センターがおこなった、

働き盛りの男性サラリーマンでは3人に1人が糖尿病になる

というショッキングな調査結果で、

さらに、肥満の男性サラリーマンの糖尿病率は77%だというのです。

 

 

男性サラリーマンの3人に1人が糖尿病になる

厚生労働省による患者調査は各疾患の患者の実態を知るため3年毎に行われているのですが、

指定された1万数千の医療施設で外来受診した患者および入院中の患者数などから、

各疾患の患者数などの実態を調査しているのですが、

 

国立国際医療研究センターでは、

働き盛りの男性サラリーマン5万人を対象にした調査で、

30歳男性の3人に1人が65歳までに糖尿病を発症する

という結果が明らかになりました。

 

Cumulative Risk of Type 2 Diabetes in a Working Population: The Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study.

CONCLUSIONS : The present data highlight the public health burden of type 2 diabetes in the working population. There is a need for effective programs for weight management and type 2 diabetes screening, especially for young obese employees, to prevent or delay the development of type 2 diabetes.

 

詳しく読む ⇒ 調査結果

 

研究グループは、

国内の12の企業で働く会社員を対象にした職域多施設研究(J-ECOH Study)の約10万人の参加データいついて、

30~59歳の会社員5万3,828人(男性4万6,065人、女性7,763人)を対象に、

  • 糖尿病率(糖尿病の罹患率)

 

を約7年間追跡調査したのです。

 

糖尿病の確定は、

  1. 糖尿病治療を受けている
  2. HbA1c値が6.5%以上
  3. 空腹時血糖値が126mg/dL以上
  4. 随時血糖値が200mg/dL以上

としています。

 

約5万人を最大7年間追跡した結果、

  • 3,587人(男性3,339人、女性248人)が新たに糖尿病を発症

したことにより、

30~65歳までの糖尿病率は、

  1. 男性では : 34.7%、
  2. 女性では : 18.6%

ということで、

 

30~65歳の働き盛りの男性サラリーマンは3人に1人が糖尿病になる

ということがわかり、糖尿病率はなんと3人に1人だったのです。

 

女性でも、

18.6%ですから、約5人に1人が糖尿病ということです。

 


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肥満サラリーマンでは糖尿病率が高い

さらに、

糖尿病率とBMIとの関連を調べた結果では、

 

  BMI 男性 女性
肥満者 30kg/m2以上 77.3% 64.8%
過体重 25~29.9 kg/m2 49.1% 35.7%
正常 25 kg/m2 26.2% 13.4%

 

ということで、

肥満者は男性でも女性でも肥満者では糖尿病率が非常に高いことが分かったのです。

 

 

研究グループは、

日本人の働き盛りのサラリーマンを対象にした大規模調査は今回が初めてだとして、

  1. サラリーマンは男女ともに糖尿病になるリスクが高い
  2. 肥満したサラリーマンでは男女とも糖尿病率が非常に高い

ということが分かり、

男女とも肥満度が高いほど糖尿病率が上がる

ことも明らかになったとして、

 

特に若年の肥満者を対象とした糖尿病の予防策に力を入れるべきだと強調しているのです。

 


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