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    Categories: 糖尿病と睡眠

糖尿病には睡眠時間が長い方が良い?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

日本人の成人では、5人に1人が不眠などの睡眠障害で悩んでいるといわれていますが、

睡眠と糖尿病の関係については多くの報告があります。

 

糖尿病患者の40%が不眠に悩まされている

と言われており、

久留米大学の研究では、

糖尿病の患者では健康人に比べて、

  • 寝つきが悪い(入眠障害)
  • 夜中に目覚めやすい(中途覚醒)
  • 朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)

という睡眠障害の傾向にあることが報告されています。

 

しかし、

先日発表されたハワイ大学の研究グループは、

9時間以上寝ている人は糖尿病のリスクが高い

と報告しています。

  • 寝過ぎると糖尿病のリスクが高い?
  • 寝不足だと糖尿病のリスクが高い?

どうもその理由は、

睡眠の質

にあるようなのです。

 

睡眠時間が長いと糖尿病のリスクが高い

アメリカのハワイ大学がんセンターの研究グループは

睡眠時間が9時間以上と長いと糖尿病のリスクが高い

という研究論文を発表しました。

 

Sleep duration and incidence of type 2 diabetes: the Multiethnic Cohort.

CONCLUSION : In this multiethnic population, the 12% higher diabetes risk for long sleep hours may be mediated through inflammation, a poor lipid profile, and lower adiponectin levels.

 

詳しく読む ⇒ 原著論文

 

研究グループは、

 本研究は、ハワイおよびカリフォルニアにおける多民族コホートでの前向き研究で、1993~96年に参加者を募集した。

白人

  • アフリカ系アメリカ人
  • 日系アメリカ人
  • ハワイ先住民
  • ラテン系人

などの15万1,691人を対象に、

  • 睡眠持続時間と糖尿病の関係

について、

7.9±3.5年に亘って追跡調査したのです。

 

その結果、

7.9±3.5年の追跡期間中に8,487人が糖尿病を発症したのですが、

 

  1. 睡眠時間が9時間以上では糖尿病のリスクが12%高い
  2. 日系アメリカ人では糖尿病の発症率が高い

ということなどがわかったというのです。

 

研究グループは、

睡眠時間が時間以上と長いと、

  • 脂質プロファイルの悪化
  • アディポネクチンの低下

などにより糖尿病の発症リスクが高くなるのではないかと説明しています。

 


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不眠症では糖尿病のリスクが高い

今回ご紹介した研究報告は、

睡眠時間が長いと糖尿病のリスクが高まるという内容でした。

 

しかし、

不眠は1.7倍も糖尿病になりやすいとの報告もあるのです。

慢性的な不眠は糖尿病など代謝循環器系の疾患のリスクを高めるというのです。

 

詳しく見る ⇒ 不眠は糖尿病のリスクを高める(原著論文)

 

 

事実、糖尿病患者では不眠に悩む人が多く、

糖尿病患者の40%が不眠に悩まされている

と言われています。

 

久留米大学の研究では、

糖尿病の患者では健康人に比べて、

  • 寝つきが悪い(入眠障害)
  • 夜中に目覚めやすい(中途覚醒)
  • 朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)

という睡眠障害の傾向にあることが報告されています。

 

くわしく見る ⇒ 睡眠不足や不眠は糖尿病の原因

 

中でも、不眠の女性は糖尿病のリスクが高いといわれていますからご用心ください。

さらに、

糖尿病の患者では4人に一人に睡眠時無呼吸症候群が見られるそうです。

 


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大阪市立大が不眠と糖尿病の関係を解明

このサイトをよく読んでくださっている方はご存じだと思いますが、

大阪市立大学の研究グループは、

糖尿病で血糖コントロール悪化で睡眠の質の劣化を伴う睡眠障害が引き起こされるメカニズム

を明らかにしています。

 

 詳しく見る ⇒ 大阪市立大学プレスリリース

 

この研究によると、

  1.  糖尿病で血糖値のコントロールが悪いと「睡眠の質」が低下
  2.  睡眠の質の低下で睡眠障害が引き起こされると早朝高血圧が起こる
  3.  さらに糖尿病における血管障害が引き起こされる

というのです。

 

詳しくは「糖尿病と不眠症の関係を解明」で紹介していますのでまだ読んでおられない方は下記をご覧下さい。

   詳しく見る ⇒ 糖尿病と不眠症の関係を解明

 

 

睡眠時間が長くても糖尿病のリスクが高くなる

睡眠不足では糖尿病のリスクが高くなる

 

ではどうすれば良いんだ!

と思ってしまいますが、

肝心なのは「睡眠の質」のようです。

 

眠れないといって、

  • 睡眠薬
  • 寝酒

に頼っても良い睡眠はとれません。

以前、NHKのためしてガッテンで「睡眠薬で糖尿病が治る」との間違った放送をしてNHKが謝罪したことがあります。

 

以前にご紹介しましたが「糖質制限で糖尿病も不眠症も解消できる」という報告があります。

血糖値を下げれば、睡眠障害も糖尿病も治るというのです。

血糖値を下げるのは簡単です。

血糖値を上げている炭水化物の摂取量を減らすだけで充分なのです。

 

 

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