糖尿病の治療は食事療法と運動療法が基本です。
糖尿病治療薬の服用は食事療法と運動療法で血糖がコントロールできないときに始めるのです。
風邪のことを考えてください。
体がだるい、、微熱がある、、というときには暖かくして睡眠をとれば回復します。
薬を飲むのは風邪の症状がひどくなってからなのです。
しかし、わたしたちはクスリに頼りすぎているようです。
血糖低下薬を飲めば血糖は下がりますが、一生飲み続けなければならなくなってしまいます、、、。
今日ご紹介する論文は、
きちんと運動療法をおこなえば治療薬を飲む必要がなくなるということを立証した論文です。
あなたも運動を始めて見ませんか?
糖尿病の治療は食事療法と運動療法が基本
もうこのサイトでは何回もお話ししているのですが、
糖尿病の治療は食事療法と運動療法が基本です。
糖尿病の治療は、
- 食事療法
- 運動療法
をおこなって、
それでも血糖のコントロールができないときに、
初めて、
- 薬物療法
をおこなうのです。
詳しく見る ⇒ 日本糖尿病学会のガイドライン
しかし、ほとんどのヒトは食事療法と運動療法をきちんとおこなわないため、血糖値が低下せず、薬物療法に移ってしまうのが実情なのです。
また、医者も「では薬を出しておきますから、、」とすぐに血糖低下薬を処方してしまうようです。
日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドラインでは、
2型糖尿病患者における運動療法
・運動により心肺機能の改善、血糖コントロールの改善、脂質代謝の改善、血圧低下、インスリン感受性の増加が認められる。
・有酸素運動とレジスタンス運動は、ともに血糖コントロールに有効であり、併用による効果がある。
・運動療法は、食事療法と組み合わせることによりさらに高い効果が期待できる。
と明記されているのです。
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運動療法と食事療法を組み合わせると効果が上がる
糖尿病における運動療法の有効性については多くの科学的な実証があります。
このサイトでも、運動療法の有効性に関する論文を紹介してきましたが、
今日ももう一つご紹介したいと思います。
この論文は、
デンマークのコペンハーゲン大学を中心とした研究グループが、
治療中の糖尿病患者で食事療法と運動療法を運動を強化したら治療薬の減薬に成功した
という内容の論文です。
Effect of an Intensive Lifestyle Intervention on Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial.
Among adults with type 2 diabetes diagnosed for less than 10 years, a lifestyle intervention compared with standard care resulted in a change in glycemic control that did not reach the criterion for equivalence, but was in a direction consistent with benefit. Further research is needed to assess superiority, as well as generalizability and durability of findings.
詳しく読む ⇒ コチラ
研究グループは、
2型糖尿病と診断されて治療薬を服用している病歴が10年未満の糖尿病患者98人を対象に、
- 標準治療群
- 運動療法強化群
に分け、
標準治療群では、
標準的な糖尿病治療薬を処方し、食事と運動のアドバイスをおこないました。
運動療法強化群では、
標準的な糖尿病治療薬の処方と食事と運動のアドバイスに加え、
・1回30~60分の有酸素運動を週に5~6回(内2~3回は筋力トレーニングとも組み合わせる)
・炭水化物、蛋白質、脂質の摂取量を指示して最初の4ヵ月間はカロリーも制限
という厳しい運動療法と食事療法を課したのです。
その結果、
12ヵ月後には、
標準治療群では、
HbA1c値は、試験開始時には6.65%でしたが12ヵ月後は6.34%とあまり変化がありませんでした。
運動強化群では、
HbA1c値は、試験開始時には6.65%でしたが12ヵ月後は6.34%大幅な低下が見られ、
47人(73.5%)で糖尿病治療薬の減薬に成功したのです。
ご存じだと思いますが、
HbA1cは過去1~2ヵ月の血糖値を反映し、6.5%以上だと糖尿病と診断される数字ですが、6.5%以下では減薬や中止が可能になるのです。
研究グループは、
運動強化群では、低血糖などの有害事象が発生したことから、運動療法を始める前に主治医と相談すべきだとしています。
食事療法に加えて、運動療法を強化すると、HbA1c値が下がり70%を超える人が糖尿病治療薬の減薬に至ったということなのです。
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どんな運動でも効果がある
今日ご紹介した論文での運動療法は、
1回30~60分の有酸素運動を週に5~6回(内2~3回は筋力トレーニングとも組み合わせる)
というなかなかハードな運動療法でしたから、
仕事が忙しいサラリーマンにとっては実行が難しいかもしれません。
しかし、運動療法といっても、激しい運動をする必要はないのです。
すでにご紹介しているように、
散歩や階段を昇るような日常の生活の中では運動とは言えないような軽い運動でも効果があるりますし、
詳しく見る ⇒ 軽い運動でも糖尿病に効果がある
さらに、
ランニングでは膝に負担がかかるという人は早歩きでも効果があるのです。
詳しく見る ⇒ 糖尿病にはジョギングよりも早歩きが良い
糖尿病の運動療法の運動は何でも効果がある
運動には、
ジョギングやフィットネスのような有酸素運動や、筋トレなどの無酸素運動があります。
糖尿病の運動療法では有酸素運動が良いとされますが、
運動の種類と血糖値に対する効果を調べた研究もあります。
この研究は、
有酸素運動、フィットネス、筋力トレーニングの血糖値に対する効果を調べたものです。
Exercise for type 2 diabetes mellitus.
The meta-analysis shows that exercise significantly improves glycaemic control and reduces visceral adipose tissue and plasma triglycerides, but not plasma cholesterol, in people with type 2 diabetes, even without weight loss.
詳しく見る ⇒ コチラ
いずれの運動も運動をしなかった群に比べて血糖コントロールが有意に改善した
と述べています。
糖尿病の運動療法は難しいものではありません。
「歩くことは糖尿病の予防になる」ことも明らかにされているのです。
今日ご紹介したように、
運動療法をしっかりとおこなえば治療薬を服用しなくても良くなるのです。
まずは、早歩き、階段を昇ることから始めてみませんか?
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