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    Categories: 糖尿病とは

地球温暖化で気温が上がると糖尿病が増える?

糖尿病の患者数は全世界的に急増しており、

2015年には約4億1,500万人だった糖尿病患者数は、

25年後の2040年に1.5倍の6億4,200万人に達すると予測されている。

オランダの研究グループは、

糖尿病患者の急増は地球温暖化による気温の上昇に関係するとの論文を発表しました。

 

気温が1℃上昇するとアメリカだけでも糖尿病患者が年間に10万人も増加するのだそうです。


その理由は、褐色脂肪の活性化と関係するというのですが、、

気温が上昇すると糖尿病患者数が増加する

オランダのライデン大学医療センター研究グループは、

外気温の上昇が糖尿病患者の増加と関連する可能性があり、

気温が1度上昇するとアメリカだけでも年間に10万人の糖尿病患者が増加する

との研究論文を発表しました。

 

Diabetes incidence and glucose intolerance prevalence increase with higher outdoor temperature.

Conclusions Our findings indicate that the diabetes incidence rate in the USA and prevalence of glucose intolerance worldwide increase with higher outdoor temperature.

詳しく見る ⇒ 原著論文

 

研究グループは、

1996~2009年におけるアメリカの、

  • 成人の糖尿病発症率と各州の年間平均気温との関連

を調べたのですが、

その結果、

  • 気温が1度上昇すると糖尿病患者が1,000人あたり0.314人増加する

ということが分かり、気温が1度上昇するとアメリカだけでも年間に10万人の糖尿病患者が増加するというのです。

 

さらに、

  • 世界190ヵ国の空腹時血糖値の上昇と年間平均気温との関連

をも調べたところ、

  • 温暖な気候の国ではインスリン抵抗性が高い傾向がある
  • 気温が1度上昇すると世界中の耐糖能異常の有病率が0.170%増加する

こともわかったとしています。

研究グループは、

今回の研究で、気温の上昇が糖尿病患者の増加と関連していることが示唆され、地球温暖化はわれわれの健康に深刻な影響をおよぼしている可能性があるとしています。


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気温が上がる糖尿病が増える理由

地球温暖化による気温上昇が糖尿病の増加に関係しているという非常に意外な研究報告なのですが、

気温が上がるとどうして糖尿病の患者数が増えるのでしょうか?

研究グループは、

地球温暖化による気温の上昇で体が脂肪が燃えにくい体に変化するからだと指摘しています。 

 

褐色脂肪と白色脂肪とは

 

私達の体には、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」があります。

  1. 白色脂肪細胞

    体内に入った余分なカロリーを中性脂肪として体内に蓄える働きがあります。
    白色脂肪細胞は、全身のいろいろな部分にありますが、特に下腹部、尻、太もも、背中、二の腕、内臓の周囲などに多くあります。

  2. 褐色脂肪細胞

    食事から取り入れた余分なエネルギーを燃やして熱を作り出し体温を維持する働きをしています。
    褐色脂肪は、首の後ろや肩甲骨の下部、心臓の大動脈の周りなどのありますが、
    脂肪細胞の1%しかなく、幼児期に多いのですが成長にともなって減少し、成人になると激減してしまいます。

     

このように、

褐色脂肪は、エネルギーを燃焼して熱を産生し、寒い環境でも体温の低下を防ぐ重要な働きしているのですが、

温暖な気候環境では褐色脂肪はあまり活性化されないため、

  • インスリン抵抗性の上昇
  • 糖尿病の原因

だとも考えられているのです。

 

論文を発表したオランダの研究グループも、

温暖化が進むと褐色脂肪が活性化されにくく、インスリン抵抗性が上昇して糖尿病になるのではないかと推察しているのです。

事実、最近の研究では、

糖尿病患者を、10日間に亘り気温がやや寒い環境で過ごさせるとインスリン抵抗性が改善したとの報告もあり、低温環境により褐色脂肪細胞が活性化されてインスリン抵抗性が改善したのではないかと推察されているのです。


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糖尿病の原因は炭水化物の摂り過ぎ

では、暑い国では糖尿病が多く、寒い国では糖尿病が少ないのでしょうか?

国際統計格付けセンターによる、世界205の国と地域を対象とした成人の糖尿病割合についてのランキングである、

2013年の「世界・成人の糖尿病割合ランキング」を見てみると、

1 位 ミクロネシア連邦 35.03% 
2 位 マーシャル諸島   34.89% 
3 位 キリバス     28.77% 

203位 ガンビア 1.96% 
204位 ベナン  1.58% 
205位 マリ   1.58%

と、暑さや寒さは余り関係ないように思われます。

 

今回のオランダの研究グループの研究成果について、アメリカのモンテフィオーレ医療センターの臨床糖尿病センター長であるJoel Zonszein氏は、

興味深い研究ではあるが、糖尿病の成因は複雑であり、褐色脂肪細胞という1つの要因の影響がこれほど大きいものとは考えられにくい

とコメントしているそうです。

糖尿病の大きな原因は何といっても食事、それも炭水化物の摂りすぎです。

血糖値を上げるのは、ご飯、パン、麺類などの炭水化物だけなのです。

糖尿病を予防するには「グルコーススパイク」といわれる食後高血糖をできるだけ抑えることです。

 

糖質ゼロ、主食を食べない などという、極端な糖質制限を薦める食事療法もありますが、それで長続きするとは考えられません。

糖尿病を予防するには、

  • 朝食のパンを半分にする
  • 夕食のご飯を半分にする

これでも充分に効果があるのです。

糖尿病の食事療法はあなたに合った食事療法を選べば良いのです。

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