健康診断で高血糖だといわれて、その後はどうしていますか?
健康診断における空腹時血糖値が126mg/dl以下であれば糖尿病ではありません。
空腹時血糖が110~126mg/dlであれば、糖尿病予備群です。
しかし、
空腹時血糖が100~109mg/dlであれば正常高値といわれ糖尿病に近いのです。
糖尿病ではない、糖尿病予備群でもない、と安心していてはいけません。
空腹時血糖が100~109mg/dlでも正常高値を治療しないで放置すると、
- 糖尿病合併症が密かに進行し、
- 気が付いた時には手遅れ!
ということも多いのです。
血糖値が高い高血糖だといわれたら直ぐに対策を始めて下さい。
血糖値による糖尿病の診断基準
はじめに、糖尿病の診断基準を見直してみましょう。
糖尿病の診断は、
- 空腹時血糖値
- 糖負荷試験
によって診断されます。
通常の健康診断では、
- 空腹時血糖値
で判定し、
空腹時血糖値が高ければ、
- 糖負荷試験
をおこなって確定診断します。
空腹時血糖値による診断
空腹時血糖値による診断は、下記の様に、
- 糖尿病 : 126mg/dl以上
- 糖尿病予備群 : 110~126mg/dl
ですが、
- 100~109mg/dl
のヒトにおいても、正常範囲内ではあるが『正常高値』といわれ、
糖尿病になる危険があるとされ、糖負荷試験の実施が薦められます。
最近は、空腹時血糖値に加えて、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)も測定されます。
HbA1cは、赤血球のヘモグロビンに糖がどれだけくっついているかを示すもので、
空腹時血糖値が食事の影響を受けやすいのに比べて、HbA1cは3~4ヵ月間の血糖値の状況を知ることができるといわれています。
HbA1cでは、6.5%以上で糖尿病です。
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糖負荷試験による診断
空腹時血糖値が高いと、糖負荷試験がおこなわれます。
糖負荷試験とは、
ブドウ糖水溶液(75g)を一息で飲み、その結果、1時間後と2時間後に採血して血糖値の推移を調べる試験です。
判定は、
- 糖尿病 : 2時間後の値が200mg/dl以上
- 予備群 : 2時間後の値が140~200mg/dl以上
となります。
すなわち、
空腹時血糖値と糖負荷試験成績により、
- 糖尿病
空腹時血糖値 : 26mg/dl以上
2時間後の血糖値 : 200mg/dl以上 - 糖尿病予備群
空腹時血糖値 : 110~126mg/dl
2時間後の血糖値 : 140~200mg/dl以上
となります。
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糖尿病予備群や正常高値では治療はできない
糖尿病、糖尿病予備群の診断基準は上のようなことで、お分かりいただけましたでしょか。
さらに、
- 空腹時血糖値が100~109mg/dl
のヒトは正常範囲内ではあるが『正常高値』といわれ、糖尿病のリスクが大きいのです。
問題は、「糖尿病予備群」や「正常高値」のヒトはどうしたら良いかということです。
糖尿病と診断されたら健康保険で治療が受けられるのですが、
「糖尿病予備群」や「正常高値」のヒトは、
まだ糖尿病ではないので健康保険での治療を受けられないのです。
しかし、血糖値が高いと血管壁の損傷が進み合併症が密かに進行しています。
『血糖値がやや高いだけだから大丈夫』という考えは非常に危険です。
血糖値がやや高い状態でも合併症は進んでいるのです。
血糖値が高いなら高血糖の治療を
血糖値がやや高い、「正常高値」や「糖尿病予備群」の段階であれば糖尿病体質を改善するのは比較的簡単です。
ここで糖尿病体質というのは、
インスリン抵抗性が上がった体質
のことです。
インスリン抵抗性が上がると、
- インスリンの効きが悪くなる
- 血糖値が下がらない
- インスリンがさらに分泌される
- 膵臓が疲れてインスリンが出なくなる
という負のスパイラルに入り、糖尿病にまっしぐらです。
糖尿病治療の基本は、
- 食事療法
- 運動療法
です。
- 食事療法で糖質の摂りすぎを控える
- 運動療法で糖の消費を高める
と、血糖値を下げることは簡単なのです。
しかし、インスリン抵抗性がさらに高まると血糖値はなかなか下がらなくなり、
薬物療法が必要になってしまうのです。
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