糖尿病には野菜が良いと言われます。
その理由は、
野菜の食物繊維は糖の吸収を穏やかにするからです。
食後の血糖値の急上昇はクルコーススパイクといわれ、糖尿病を悪化させるのです。
ですから、糖尿病では食べる順番が大事なのです。
野菜から食べる
これがグルコーススパイクを抑制して糖尿病の予防になるのです。
しかし、
野菜よりももっと効果的な食べ物があることが分かりました。
それは、、
糖尿病や予防には野菜などの食物繊維が良い
糖尿病には野菜が良いと言われますが、
野菜の食物繊維は糖の吸収を穏やかにするからです。
炭水化物の多い食事では、クルコーススパイクといわれる、食後に血糖値が急上昇することから、糖尿病を悪化させるのです。
くわしく見る ⇒ グルコーススパイク
ですから、糖尿病では食べる順番が大事で、
野菜から食べることによりグルコーススパイクを抑制し、糖尿病の予防につながるのです。
アントニオ猪木さんは重度の糖尿病でしたが、
食事前に大量のキャベツを食べて糖尿病を克服したことは有名です。
イギリスのケンブリッジ大学では、糖尿病の発症と食物繊維の摂取に関する研究論文を発表しています。
Effects of breakfast meal composition on second meal metabolic responses in adults with type 2 diabetes mellitus
Conclusions:
These data indicate that ingesting a low-glycemic load meal containing psyllium soluble fiber at breakfast significantly improves the breakfast postprandial glycemic, insulinemic and FFA responses in adults with Type 2 DM. These data revealed no residual postprandial effect of the psyllium soluble fiber breakfast meal beyond the second meal consumed. Thus, there was no evidence of an improvement postprandially in the glycemic, insulinemic and FFA responses after the consumption of the lunch meal.
詳しく見る ⇒ 原著論文
この研究では、
1日26g以上の食物繊維を摂取している群は摂取量が1日19g以下の群に比べて糖尿病の発症が18パーセント低い
ことを明らかにしています。
しかし、興味深いことは、
食物繊維の38%をシリアルから摂取していた
ということです。
シリアルとは、大麦や玄米、ライ麦に乾燥野菜などでつくられたフレークで、日本でもお馴染みです。
食物繊維が食後高血糖値に良い
野菜が糖尿病に良いと言われるのは、食物繊維が含まれているからです。
食物繊維とは、人の消化酵素で消化されにくい成分のことですが、
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
の2種類があります。
水溶性食物繊維とは、
その名前のごとく水に溶ける食物繊維で、果物や野菜に多く含まれるペクチン、こんぶやわかめなど海藻類に多く含まれるアルギン酸、生のこんにゃく芋に含まれるグルコマンナンなどが代表的な水溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、
水に溶けない食物繊維で、腸内での水分の保持、排便作用(便秘解消)などの作用の他に、発がん性物質などの腸内の有害物質を体外へ排出させる作用もあると言われています。
不溶性食物繊維には、
- 難消化性デキストリン
- イヌリン
- サイリウム(オオバコ)
- リグニン
などがありますが、
シリアルにはサイリウムといわれる水溶性食物繊維が豊富に含まれているのです。
サイリウムは粘性の高い不溶性食物繊維で、糖の吸収を穏やかにするため糖尿病に良いと言われるのです。
そのため、
穀類やサイリウムを含んだシリアルを摂取することは、糖尿病の発症リスクの低下に効果的だと考えられるのです。
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糖尿病予防には野菜よりシリアルが良い
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、
両者のバランスは、
不溶性食物繊維:水溶性食物繊維 = 2 : 1
が理想的だと言われています。
水溶性も不溶性もそれぞれ異なった健康効果があることからバランス良く摂る必要があるのですが、
糖尿病の予防にたいしてはどうなのでしょうか?
糖尿病の予防には不溶性食物繊維が効果的
2013年12月にメルボルンで開催された世界糖尿病会議では、
シリアルは野菜よりも糖尿病のリスクを有意に下げる
と報告されています。
私は原著論文を読んでいないので、日経メディカル別冊(2013年12月9日)から引用させていもらいますが、
中国National Institute of Nutrition and Food Safety Chinese Center for Disease Control and PreventionのS.Rong氏らの研究グループは、
PubMedやEBASEなどの科学論文データベースの中から、
食物繊維(種類と摂取量)と糖尿病のリスクについて研究した781件の論文の中の基準を満たしたのは15件の論文を精査し、食物繊維の摂取量と糖尿病リスクの関係を調べたのです。
対象者は糖尿病患者は1万8013人(参加者48万7667人)で、
食物繊維を1日10g増量したときの糖尿病リスクへの影響
を調べたのです。
その結果、
- 総食物繊維の摂取量を増量すると糖尿病のリスクは有意に減少
- シリアルの摂取量を増加すると糖尿病のリスクは30%減少
- 野菜、果物、豆類の食物繊維の増量では有意な関連はない
という結果が得られたというのです。
研究グループは、
シリアルの食物繊維は糖尿病リスクを有意に下げるが、果物や野菜、豆類の繊維は糖尿病のリスクとは関連しないのかもしれない
と考察しています。
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シリアルを選ぶ時の注意点
厚労省による日本人の食事摂取基準(2010年版)における18歳以上の1日当たりの食物繊維の目標摂取量は、
- 男性 : 19g以上
- 女性 : 17g以上
とされているのですが、食生活の欧米化に伴って食物繊維の摂取量は減少傾向にあり、
平成20年 国民健康・栄養調査では、
10~40代の男女における摂取量は14gにも満たない
と報告されています。
糖尿病の増加は食物繊維の摂取量の減少とも関係があるのかもしれませんね、、、
糖尿病にはシリアルが良いことは分かっていただけだでしょうか?
しかし、注意してください。
マーケットのシリアル売り場に並ぶシリアルには、
- 砂糖をまぶしたシリアル
- チョコレートをコーティングしたシリアル
- 食物繊維が少ないスナック的なシリアル
など、様々なシリアルがあります。
もちろん、砂糖やチョコレートをまぶしたシリアルでは逆効果ですし、
食物繊維がそれほど多くないお菓子的なスナックでは食後高血糖を抑える効果がありませんから、要注意です。
シリアルを選ぶ時には、
- オールブラン(小麦の表皮部分)
- 玄米
などで作られた食物繊維が豊富なシリアルを選んでください。
ものを選ぶとよいでしょう。
糖尿病の治療や予防では、
- 1日3回の食事を摂ることが基本
ですが、
- 朝食を食べる時間がない
- 夕食が遅くなる
などの時には、食物繊維の多い、
- シリアル
- シリアルバー
などをうまく活用し、食物繊維を積極的に摂るように心がけてください。
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