インスリン抵抗性が増すと血糖値が下がらず糖尿病になります。
インスリン抵抗性は肥満と関係があることが分かっていましたが、
慶応大学は、高脂肪食が腸内の炎症を起こしてインスリン抵抗性を高めることを明らかにしました。
インスリン抵抗性が糖尿病を引き起こす
糖尿病はインスリン抵抗性が増すと血糖値が下がらなくなるからだということはあなたもお分かりだと思います。
糖尿病の話では、「インスリン抵抗性」と言う言葉が良く使われるのですが、
インスリン抵抗性というのはどういうことなのでしょう。
日常的によく使う言葉でも、改めて説明しようとすると、とても難しいことがありますが、「インスリン抵抗性」もいざ説明するとなると難しい言葉です。
インスリン抵抗性とは、英語の医学用語である Insulin Resistance を直訳したから訳が分からない用語になってしまったのですね。
膵臓から分泌されたインスリンは、
肝臓、筋肉、脂肪細胞などに作用して血糖を取り込ませます
しかし、
何らかの原因で、
インスリンが作用しても、
肝臓、筋肉、脂肪細胞などが充分に血糖を取り込まなくなった状態
が、インスリン抵抗性が増した状態なのです。
ですから、
インスリン抵抗性とは、
インスリンに対する感受性が低下してインスリンの作用が十分に発揮できない状態
のことでなんですね。
「インスリン抵抗性」ではなく、「インスリン感受性」と言ってもらった方が分かりやすいですね。
通常であれば、
10のインスリンは、血糖値を10下げる作用があるのですが、
インスリン抵抗性が高くなると、
10のインスリンは、血糖値を5しか下げない
そうすると、
膵臓はインスリンを20分泌しなければならない
ことになり、このような状態が続くと、
膵臓は疲れてインスリンを分泌できなくなる
という状態になるのが、糖尿病なのですね。
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腸の炎症がインスリン抵抗性を
インスリン抵抗性は、過食、運動不足、肥満、加齢、ストレスなど影響によるとされています。
特に、肥満による脂肪の増加に関連が深いとされています。
しかし、
慶應義塾大学医学部の内科学の伊藤裕教授らの研究グループは、
高脂肪食の過剰摂取に伴う大腸の慢性炎症がインスリン抵抗性を引き起こす
ということが動物実験で明らかになったと発表しました。
詳しく見る ⇒ 慶応大学医学部プレスリリース
研究グループは、
肥満による糖尿病の発症には、内臓脂肪での慢性炎症が影響していることが知られていたのですが、大腸の炎症が原因になっているということを明らかにしたのです。
少し難しいのですが、実験では、
- マウスに脂肪分60%の高脂肪食を摂取させる
- 脂肪組織よりも先に大腸の慢性炎症が引き起こされる
- 炎症性の物質が血中を循環してインスリンの効きを悪くしている
ということが明らかになったというのです。
大腸の炎症を抑えると、
- インスリンの効きが良くなり
- 血糖値の上昇が30%程度低下する
ということも確認されたそうです。
研究グループは、
今までにない糖尿病の発症メカニズムを解明したもので、今後、ヒトでの更なる検討を行い、将来的には腸の炎症をおさえる新規の糖尿病治療薬の開発が期待される
と述べています。
将来的には、新薬が開発されるでしょうが、今はありません、、、
今は、
- 食事療法
- 運動療法
を、頑張って続けてください。
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