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    Categories: 糖尿病と歯周病糖尿病の合併症

歯周病を治すと血糖値が下がる

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

歯周病を治すと血糖値が下がるということをご存じですか?。

「歯磨き回数が少ないと糖尿病になる」と言われるほど、歯磨きと糖尿病は深い関係にあるのですが、

それは、歯周病が関係しているのです。

ウソではありません、

歯周病を治しただけで血糖値が下がるのです。

糖尿病と歯周病はそれほど密接な関係にあるのです。

あなたも歯周病になっていませんか?

 

 

歯周病を治すと血糖値が下がる

歯周病と糖尿病は非常に密接な関係にあることは多くの研究で明らかになっています。

このサイトでも、歯周病と糖尿病の関係については何回もお話ししてきました。

 詳しく見る ⇒ 歯磨き回数が少ないと糖尿病になる

 

しかし、歯周病と糖尿病、、、一見すると余りにもかけ離れているいるために気にしていない人が多いのです。

貴方の血糖値が高いのも、歯周病が原因かも知れません。

そして、歯周病をそのままにしておくと糖尿病も進行してしまうのです。

 

歯周病を治すと血糖値が下がる

歯周病を治すと血糖値が下がるということについては多くの研究報告があります。

中でも有名な研究は、Teeuwらのメタアナリシス研究です。メタアナリシスとは多くの論文を統合的に解析し、隠れている傾向を明らかにする統計手法で、これにより導かれた結果は明確な根拠を重要視する現代医療においては最も質の高い根拠とされています。

 

Teeuwらは、2 型糖尿病患者へ3~9ヵ月間の歯周治療を行った場合、

 HbA1c(グリコヘモグロビン)が0.4%減少した

ことを明らかにしています。

Effect of periodontal treatment on glycemic control of diabetic patients: a systematic review and meta-analysis.
  Teeuw WJ1, Gerdes VE, Loos BG.
   Diabetes Care 2010; 33: 421-427)

 

その他にも、

  • Sgolastra ら(2013) : HbA1c0.65%の低下
  • Engebretsonら(2013) : HbA1c0.36%低下

など、多くの報告があり、歯周病を治すことによって血糖値が下がることが明らかになっています。

日本糖尿病学会による、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」においても、

 

糖尿病と歯周病の関係
糖尿病と歯周病は相互に負の影響を与える。従って、患者に、糖尿病と歯周病のの関連性を説明し、定期的に歯科を受診させて口腔状態を評価し、必要に応じて歯科治療を行うべきである。

 

糖尿病患者における歯周病
糖尿病患者は、健常者と比較して歯周病の有病率が高く、より重症化していることが多い。とりわけ、血糖コントロールが不良な患者ほど歯周病の重症度が高く、より進行するリスクが高い。

と、糖尿病においては歯周病が病態を悪化させ、歯周病治療の重要性を明記しています。

 


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歯周病を治すとどうして血糖値が下がるのか?

歯周病は、う蝕(虫歯)と並ぶ歯科の2大疾患のひとつです。

歯周病は、歯肉(歯ぐき)の腫れや痛みを伴い、最終的に歯を支えている歯槽骨を破壊して歯が抜けてしまう慢性の炎症性疾患で、軽度のものも含めると、成人の約70~80%の人が歯周病に罹患していると言われています。

しかし、歯周病は歯や歯槽骨の限局した疾患ではなく、

  • 糖尿病
  • 誤嚥性肺炎
  • 早産

などの原因となることが明らかになり、

歯周病原細菌が気道や血管を介して肺や心臓に入り込めば、

  • 肺炎
  • 心疾患(細菌性心内膜炎)

の原因にもなるのです。

歯周病が糖尿病を悪化させる

歯周病と糖尿病の関係については、さまざまな疫学調査や研究から明らかにされ、

  • 歯周病は糖尿病の合併症
  • 歯周病は糖尿病発症のリスクファクター

であることは糖尿病学会でも認められています。

 

歯周病では、歯茎や歯槽骨などの変部位から全身へ炎症性サイトカインが流れ出ることにより、インスリン抵抗性が高まり、糖尿病発症に関与していると考えられています。

すなわち、歯周病原菌が出す毒素などによりマクロファージや白血球からTNF-αなどの炎症性サイトカインが分泌され、炎症に関わる肥満細胞からもTNF-αが産生され、TNF-αが全身の組織のインスリン抵抗性を高めてしまうのです。

また、歯周菌の毒素が、脂肪組織のマクロファージに作用してMCP-1やIL-6などの炎症性サイトカインを分泌させCRP値が上昇し、TNF-α分泌を高め、さらにインスリン抵抗性が上昇する原因になってしまうのです。

歯周病の治療により、歯槽骨の炎症が治まれば、TNF-αなどの炎症性サイトカインの分泌が低下し、インスリン抵抗性も改善されることから、インスリンの作用が十分発揮されることになり、血糖値が下がるのです。

 

まとめ

血糖値が高く、歯周病であれば、まず歯周病を治療しましょう。

血糖値を下げたいなら歯周病の治療もしなければなりません。

 

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