臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
糖尿病では甘い物の摂り過ぎはが厳禁です。
甘い物の糖質が血糖値を上げるからです。
希少糖をご存じですか?
希少糖は糖尿病の血糖値を上げない天然の糖なのです。
糖尿病の血糖値を上げない希少糖
今朝のNHKの朝のニュースをご覧になりましたか?
希少糖というものは、血糖値を上げない、内臓脂肪を少なくする、という効果があるのだそうです。
これはネズミを使った実験だそうですが、砂糖水を与えた後に、普通の水、あるいは、希少糖を加えた水を与えたところ、
希少糖を与えたネズミの血糖値は普通の水を与えたときより血糖値が20%減少したそうです。
さらに、
このネズミでは内臓脂肪の量が30%も減少したのだそうです。
この希少糖は、既に市販もされ、食品にも使われ、血糖値が高いヒトなどの好評を得ているそうです。
希少糖がどうして血糖値を上げないかというと、ブドウ糖は小腸から吸収されて血中に入るのですが、
希少糖はブドウ糖が吸収される穴を塞いでしまうためだということです。
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血糖値を上げない希少糖とは?
では、この希少糖とはどんなものなのでしょう。
社団法人・希少糖普及協会という団体があり、希少糖の普及を行っていますが、
希少糖は、香川大学を中心に、企業、大学、国そして香川県が連携した産学官連携事業により十数年間にわたる研究開発により作り出されたものだそうです。
希少糖とは、その名のとうり、非常に少ない糖ということです。
自然界にはさまざまな糖があるそうですが、主なものはD-グルコースといわれるブドウ糖です。
その他にも、様々な糖が60種類くらいあるのだそうですが、ブドウ糖に比べると非常に量が少ないので希少糖というのだそうです。
下図は希少糖普及協会のHPで公開している図ですが、ブドウ糖の量をグリーンの量だとすると、希少糖はその周りの赤い丸くらいの量だそうです。
希少糖は人工甘味料ではなく、自然の糖なのですね。
さて、この希少糖は非常に少ないので食品などに使うことができなかったのですが、
香川大学の研究グループが、1991年に農学部のキャンパスから見つけられた微生物が、ある酵素を作ることを見いだし、この酵素を用いて果糖から希少糖D-プシコースを世界で初めて作ることに成功したのです。
香川大学の研究グループはさらに希少糖の大量生産に成功し、香川大学と企業の多くの研究者が、希少糖の安全性や機能性について精力的に研究を続け、希少糖であるD-プシコースやD-アロースなどに私達の体に良い生理活性があることを発見したのですね。
- D-プシコース
- D-アロース
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希少糖の生理活性
ブドウ糖は、私達の体の細胞構成成分やエネルギー源として使われるのですが、希少糖には様々な生理機能があることが分かっています。
希少糖には、
- 食後血糖値上昇抑制作用
- 脂肪蓄積抑制作用
- 動脈硬化予防作用
- 血圧上昇抑制作用
- 抗酸化作用
など数々の作用があることが報告されており、メタボリックシンドローム対策に期待される新たな機能性素材としても注目されているのです。
血糖上昇抑制作用
NHKのニュースではラットでの実験でしたが、人間においても血糖の上昇を抑える作用があることが分かっています。
糖尿病予備軍である、2型糖尿病境界領域の人に、標準食に5gのD-プシコースを加えた食事をたべさせた群と、人工甘味料アスパルテーム10㎎で同じ甘さにした同じ食事を食べさせた群で食後血糖値の上昇を比較しました。
その結果、食事に希少糖であるD-プシコースを加えた食事を摂取した人では食後血糖値の上昇が抑えられたのですね。これは、食品加工技術(Vol.31No.2(2011)33-39)という科学雑誌で公表されています。
ちょっとややこしいかも知れませんが、
食事と一緒に希少糖を摂取すると食後血糖の上昇が抑えられる
ということです。
次に、希少糖のインスリン分泌抑制を調べた実験です。
砂糖と一緒に希少糖を食べてもらったところ、
- 砂糖と一緒に希少糖を食べると血糖値が上がらない
- 砂糖と一緒に希少糖を食べるとインスリン分泌が抑制された
ということも分かっています。
希少糖は砂糖などと一緒に摂ると血糖値の上昇を抑えてくれるので、ハイサラシアやアラプラス糖ダウンなどと同じ働きがあるようです。
希少糖の味はというと、
D-プシコースの特性
- 甘味度 : 砂糖の70%
- 味 質 : 清涼感がありキレのいい甘さ
- 物 性 : 果糖様
- カロリー : ゼロ
と、砂糖よりやや甘さが少ないようですが、砂糖代わりにも使えるのです。
血糖値を上げない人工甘味料として、アスパルテーム、アセスルファムKなどは砂糖の約200倍程の甘さがあるので砂糖が100g必要なところを0.5gで済ませられるということで、様々な食品に添加されていますが、
人工甘味料は体に悪いと非常に問題になっていますから要注意です。
希少糖は食事などの糖の吸収を抑えて血糖値の上昇を抑える働きがあります。
また、甘みの砂糖の70%ですから、調理やコーヒーなどにも使えます。
外食時には、ハイサラシアやアラプラス糖ダウン、家では希少糖などの使い分けが良い醸せいれません。
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