血糖値が高いあなたはミカンがお好きですか?
ミカンには糖分が多いから控えている?
いやいや、
ミカンが好きな人は糖尿病になるリスクが低いそうです。
ミカンには糖分も多いのですが、
ミカンにはβ-カロチンの一種であるβ-クリプトキサンチンが含まれているのですが、
ミカンのβ-クリプトキサンチンには肥満や糖尿病予防効果があるのです。
もちろん、
食べ過ぎはいけませんよ。
ミカンのβ-クリプトキサンチンは糖尿病を予防する
浜松医大とつくば市の農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所(以下;農研機構)は、
温州ミカンを多く食べる人は2型糖尿病になりにくい
という研究結果を、The British Journal of Nutritionという英国の栄養学雑誌に発表しました。
農研機構は、2003年から、浜松医科大学の健康社会医学講座、浜松市の旧三ヶ日町と共同で、合同で「三ヶ日町研究」という栄養疫学調査を行っていたのですが、そ
の結果、
温州ミカンを食べるヒトは糖尿病になりにくい
という結果が得られたというのです。
疫学調査では、
1,073名を対象に10年間にわたって追跡調査し、
温州ミカンを1日に3~4個食べるグループは、あまり食べないグループに比べ、
- 2型糖尿病を発症するリスクが57%低下
- 脂質代謝異常の発症リスクが34%低下
- 非アルコール性肝機能異常症の発症リスクが有意に低下
したという喜ばしい結果が得られたというのです。
ミカンのβ-クリプトキサンチンが糖尿病の発症を抑制
三ヶ日町研究では、
温州ミカンに多く含まれるβ-クリプトキサンチンや緑黄色野菜に多いβ-カロテン、葉物野菜に多いルテインなどのカロテノイド色素と様々な健康指標との関連を調査していたのですが、
温州ミカンをたくさん食べているヒトではβ-クリプトキサンチンの血中濃度が長期間にわたり高い濃度を保っており、
2型糖尿病や脂質代謝異常症、非アルコール性肝機能異常症の発症リスクの低下はβ-クリプトキサンチンの効果だと結論しています。
温州ミカンは糖分が多く、糖尿病には悪いと思っていたのですが、意外な結果ですね。
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糖尿病予防効果のあるβ-クリプトキサンチンとは
β-クリプトキサンチンとは、カロチノイド(カロテノイド)の一種です。
カロチノイドとは、動物や植物などが持つ天然色素の総称で、黄色、赤色、紫色などの色素がありますが、ニンジンのβ-カロチンやトマトのリコピンなどは有名ですね。
カロチノイドには600種類もあり、β-クリプトキサンチンもカロチノイドの一種です。
カロチノイドには、そのほとんどに強い抗酸化作用があり、様々な健康効果があります。
- β-カロチン : ニンジンなどに含まれ、夜盲症状予防効果
- リコピン : トマトなどに含まれ、血流を改善や抗糖尿病効果
- フコキサンチン : 海藻類に含まれ、メタボリックシンドロームを予防効果
- カプサンチン : 唐辛子などに含まれ、生活習慣病の予防効果
- ルテイン : マリーゴールドなどに含まれ、白内障の予防効果
- ゼアキサンチン : パプリカなどに含まれ、白内障の予防効果
- アスタキサンチン : 鮭などに含まれ、目の疲労予防
β-クリプトキサンチンは温州ミカンに多く含まれる
β-クリプトキサンチンはミカンに多く含まれますが、ミカンの種類は世界中で900種類以上もあります。
日本のスーパーでも多くのミカンを見かけます。
β-クリプトキサンチンは温州ミカンに多く含まれます。
温州ミカンは、一般的に見かけるミカンで、通常「みかん」といえば温州ミカンをさします。
温州とは、中国の温州にちなんで命名された様ですが、この種無しのミカンは実は日本特有のミカンで、1936年に鹿児島県長島で推定樹歴300年の古樹が発見されています。
β-クリプトキサンチンが多く含まれるのは、
- 温州みかん
- でこぽん
- ぽんかん
- パパイヤ
で、含有量が最も高いのは温州ミカンで、果肉よりも皮に多く含まれています。
β-クリプトキサンチンの健康効果
今回の研究で、β-クリプトキサンチンには、
糖尿病予防効果や脂質代謝異常の予防効果のあることが新たに分かったのですが、
β-クリプトキサンチンには既に様々な健康効果のあることが分かっています。
- 骨粗鬆症の予防効果
- 免疫力を高める効果
- 癌抑制効果
- 美肌効果
などです。
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β-クリプトキサンチンで糖尿病を予防するには
β-クリプトキサンチンには糖尿病の進行を抑制する効果があることは既にいくつかの動物試験でも報告されていました。
糖尿病マウスにβ-クリプトキサンチンを摂取させたところ、
脂肪細胞の肥大とサイトカインの分泌が抑制され、
肥満予防効果と糖尿病予防効果が示唆されました。
また、他の報告でも、
β-クリプトキサンチンは、
- 耐糖能を改善し、
- 血中インスリンを低下させ、
- 脂肪細胞の肥大化を抑制する効果
が示されています。
ミカンを一年中食べなくてもβ-クリプトキサンチンの効果がある
温州ミカンの最盛期は11月頃から2月頃です。
夏には温州ミカンは非常に高価です。
しかし、温州ミカンを1年中食べなくてもβ-クリプトキサンチンの糖尿病予防効果が期待出来るのです。
日本人では、
- 血中のβ-クリプトキサンチン濃度の高い人が多い
- 妊婦の母乳中のβ-クリプトキサンチンは世界各国と比較して非常に高い
ことが知られています。
これは日本人は良く温州ミカンを食べるからですが、β-クリプトキサンチンの血中濃度を調べた研究では、
- 1月にはミカンの摂取頻度に依存してβ-クリプトキサンチン濃度が上昇した
- 冬期にミカンの摂取頻度が高い人は9月でもβ-クリプトキサンチン濃度が有意に高かった
と報告されており、β-クリプトキサンチンはかなり長期間、体内に蓄積されることが分かっています。
β-クリプトキサンチンは喫煙で低下する
せっかく温州ミカンを食べて、β-クリプトキサンチン濃度を上昇させて糖尿病の予防を期待しても、β-クリプトキサンチン濃度が低下してしまうことがあるのです。
それは、
- 肥満
- 喫煙
- 飲酒
です。
体内のβ-クリプトキサンチン量は喫煙や飲酒、肥満などによって減少すると報告されています。
特に喫煙は体内の活性酸素を増やすことから、β-クリプトキサンチンが体内の活性酸素を除去することに使われてしまうためだと思われます。
喫煙は糖尿病に悪いので直ぐに禁煙してください、と以前にお知らせしましたが、
温州ミカンは糖尿病や脂質代謝異常を予防します。
温州ミカンのβ-クリプトキサンチンが糖尿病を予防するのです。
冬の安いときにたくさん食べれば1年中、効果が期待出来ます!
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