ヘモグロビンA1cと血糖値の違いをご存じですか?
血糖値は食事の影響などを受け変動しやすいのですが、
ヘモグロビンA1cは過去1~2ヵ月の血糖値を反映している検査項目です。
ヘモグロビンA1cは過去2ヵ月間の血糖状態を示す
最近は健康診断の検査結果の表に、HbA1cという項目を見かけるようになりました。
HbA1cは、ヘモグロビン・エー・ワン・シーと読みます。
ヘモグロビンA1cは、グリコヘモグロビンと記載されることもあるように、「ヘモグロビンと糖が結合したもの」です。
ヘモグロビンは血液中の赤血球の中にある蛋白質でヘムという赤い色素を持っているために赤血球は赤い色をしているのです。
ヘモグロビンは酸素と結合しやすい性質を持っており、肺で酸素と結合して全身に酸素を運搬する役目をしています。
ヘモグロビンの役目は酸素の運搬なのですが、血液中のブドウ糖とも結合しやすい性質があり、ヘモグロビンと糖が結合したものが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)なのです。
ヘモグロビンA1c(HbA1c) = ヘモグロビン + ブドウ糖
ヘモグロビンは血液中のブドウ糖濃度が高ければ高いほどブドウ糖と結合し、ヘモグロビンの寿命が尽きて肝臓で破壊されるまで約4ヵ月間結合したままなのです。
- ヘモグロビンはブドウ糖濃度が高いほどブドウ糖と結合する
- ヘモグロビンが破壊されるまでブドウ糖と結合したまま
ということから、
ヘモグロビンA1c(HbA1c)は過去約2ヵ月間の血糖値の状態を示している
のです。
ヘモグロビンA1cと血糖値の違い
ヘモグロビンA1c(HbA1c)はどのような検査項目なのかお分かりいただけたと思いますが、血糖値とどのように違うのでしょうか、、、
血糖値とは血中のブドウ糖濃度のことですが、血糖値は食事の影響などを非常に受けやすいのです。
血糖値は、食事をすると上昇し、やがて低下しますが、おやつを食べたりジュースを飲んだりすると再び上昇します。
糖尿病は血液中のブドウ糖濃度が高くなる病気です。
そのため、健康診断時には、「朝食を食べないで来てくださいね」と言われると思いますが、これは血糖値への食事の影響を避け、「空腹時血糖値」を測定するためです。
しかし、糖尿病の前段階である「糖尿病予備軍」といわれる人においては、
- 食後血糖値が高い
- 空腹時血糖値は正常値
ということが分かってきました。
このような人では、空腹時血糖値を測定しても健康な人とほぼ同じ値であるため、血糖値の測定では見逃されてしまうことが多いのです。
そのため、過去2ヵ月間の血糖値の状態を反映しているヘモグロビンA1c(HbA1c)が検査されるようになったのです。
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ヘモグロビンA1cと血糖値による診断
最近の健康診断では、「血糖値(空腹時血糖値)」と「ヘモグロビンA1c」の両方が測定されるケースが多くなりました。
空腹時血糖値での糖尿病の診断
空腹時血糖値による糖尿病の診断は下記のような区分です。
- 100mg/dl以下 : 正常
- 100~110mg/dl : 正常だが高い
- 110~126mg/dl : 糖尿病予備軍(このままでは糖尿病になる可能性が大)
- 126mg/dl以上 : 糖尿病(治療が必要)
ヘモグロビンA1cでの糖尿病の診断
ヘモグロビンA1cも空腹時血糖値と同様に、採血をして測定します。
測定法には、HPLC法(高速液体クロマトグラフィ法)と免疫学的法がありますが、血液中に含まれるヘモグロビンA1cの割合を調べ、%で示します。
ヘモグロビンA1cの基準値には、
- NGSP(国際標準値) : 6.5%以上
- JDS(日本糖尿病学会標準値) : 6.1%以上
の2つが有ったのですが、2012年4月から国際的な基準であるNGSPを併用していましたが、2013年4月からに統一されました。
日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドライン(2014-2015)では、
- 空腹時血糖値が126mg/dl以上
- 75mg糖負荷試験で2時間値が200mg/dl以上
- 随時血糖値が200mg/dl以上
- ヘモグロビンA1cが6.5%以上
のいずれか1つが確認されたら糖尿病型と診断するとしています。
貴方の血糖値やヘモグロビンA1cの値はいかがでしょうか、、、
少しでも高めなら、今すぐに食事療法を始めて下さい。
糖尿病治療の基本は、「食事療法」と「運動療法」です。
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