糖尿病の診断には採血して血糖値やHbA1cなどを測定する必要があります。
採血による診断には病院に行く必要があることから、糖尿病の発見が遅れてしまうことも多いのです。
しかし、2022年には呼気(息)だけでがんや糖尿病を診断できるようになりそうです。
2022年には呼気で糖尿病が診断できる
国立研究開発法人である物質・材料研究機構は、大阪大学、京セラ、NEC、住友精化、スイスの精密機器メーカーと合同で、呼気の臭いの分析して、高精度で含有物質を測定する小型センサーを開発した。
この小型センサーは、数ミリ四方の大きさで、センサーに搭載された「膜」が呼気のに含まれる物質を検知し、このセンサーを搭載したり接続したりしたスマホやパソコンなどにグラフや数値を表示することが可能だという。
小型センサー1個は数百円ほどで量産できるが、がんや糖尿病などの患者の呼気に含まれる物質に関するデータ収集や素検知精度を高めるための開発、国の医療機器の承認などに6年ほどかかる見通しで、2022年の実用化を目指している。
実用化されれば、がん患者や糖尿病患者の呼気に含まれる特有の物質を検知し、がんや糖尿病に罹患している疑いがあるかを判定することが出来るようになる。
将来的には、スマートフォンなどに組み込んで個人でも手軽に病気をチェックできるようになれば、早期発見により疾患の重篤化を防いだり、医療費の抑制にもつながると期待されている。
さらに、がんや糖尿病だけでなく、腎臓病、肝臓病、ぜんそく、ピロリ菌などでも呼気に特有の物質が含まれているそうで、センサーの改良により、これらの疾患の判断も可能だそうで、さらには、がんの種類も見極められるようになる可能性が高い。
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ドコモは糖尿病の呼気診断装置を開発
NTTドコモは、(株)スマートサービステクノロジーズが九州大学や福岡県産業・科学技術振興財団などの指導を受けて開発・製造した、「ネットワークヘルスキオスク」に、ドコモが研究開発した呼気計測装置を実装することを締結した。
「ネットワークヘルスキオスク」は、病院の受診の要否を判断するためのセルフ健康検査機で、健康の維持や増進、病気の予防や早期発見に有用だが、ドコモの
呼気計測装置を実装することにより、糖尿病かどうかの判断なども可能になる。
(株)スマートサービステクノロジーズ、ドコモ、九州大学、福岡県産業・科学技術振興財団は、「ネットワークヘルスキオスク」の有用性を検証するために、2016年3月31日から中国・上海市で実証実験を開始する。
NTT報道発表資料 ⇒ https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/02/15_00.html
実証実験では、上海市の5カ所の診療所に「ネットワークヘルスキオスク」を設置し、周辺住民の約1万人に無料で利用して貰い、有用性を検証する。
「ネットワークヘルスキオスク」では、身長、体重、血圧、体脂肪率、体温、脈拍、視力、聴力、肺活量、緑内障、白内障、心電波形、メンタルヘルス、認知症、脂肪代謝等の各検査機能の測定に加えて、ドコモの呼気計測装置により糖尿病の診断も可能となり、病院での受診の要否を判断するための自己健康検査をおこなうことが出来る。
ICカードを使って個人認証を行い、各種センサや健康管理機器を利用者が自分で操作して14項目以上の検査などを実行できる。
この測定器
1、身長計測センサ
2、緑内障、白内障、メンタルヘルス、認知症検査および操作案内・結果表示用ディスプレイ
3、聴力検査用ヘッドホン
4、ICカードリーダ
5、視力検査用リモコン
6、肺活量計
7、血圧、脈拍、心電計
8、呼気計測装置
9、体温センサ、視力検査用覗穴
10、体重・体脂肪率計
8が、ドコモが研究開発した呼気計測装置で、呼気中のアセトンとエタノールの同時計測により脂肪代謝を検査し、糖尿病や摂食障害、過度なダイエットなどに起因する代謝異常の有無も検知することが可能なのだ。
ドコモでは、将来的にはアンドロイドなどと組み合わせ、ユーザーごとに呼気の中のアセトン濃度により、食事や運動のタイミング、適正な運動量や運動負荷、という情報をダイエット支援プログラムとして提供することを目指しているそうだが、
血糖値が高く、糖尿病が気になるヒトには是非とも早く開発して欲しい装置です。
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