臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
最近、糖尿病にいいという菊芋のサプリをよく見かけます。
菊芋ってなに?
菊芋はどうして糖尿病にいいの?
そこで、あなたのために菊芋の糖尿病に対する効果を調べてみました。
菊芋ってなに?
「菊芋」と聞くと、芋という漢字が使われていますから、サツマイモやジャガイモを想像してしまいますよね。
しかし、菊芋は芋という字が当てられていますが、通常のイモとは全く違った、植物分類では菊科のヒマワリ属の植物で、北アメリカの北部から北東部が原産地です。
多年草で生命力が非常に強く、背丈は4mにもなるそうですが、夏には黄色い菊の花に似た花を咲かせます。
秋になると地下部に芋状の塊根をつけるので菊芋といわれるのですが、知らない方が見たら生姜だと思うようなかたちです。
原産地のは北アメリカではアメリカ先住民のインディアンが食用していたそうです。
日本には、江戸末期から明治初め頃にアメリカより家畜の飼料用作物として導入され、第二次世界大戦後の食料難の時には、作付統制野菜に指定されて配給され、国民の飢えをしのぐ貴重な代用食となったのですが、その後他の作物が供給されるに従い廃れてしまったのです、、、。
廃れた理由は、、。食べてみると分かりますが、蒸しても煮ても、芋のホクホク感があるわけでもなく、サツマイモのような甘みもなく、やはり代用食ですね、、、。
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菊芋の成分
一時は代用食として重宝されましたが、その後は、、、、。 それが最近は菊芋ブームです。
それは、菊芋の成分にあるのです。
日本食品標準成分表による菊芋の成分は、
菊芋 100g
- カロリー 35kcal
- 蛋白質 1.9g
- 脂質 0.2g
- 糖質 13.1g (大部分はイヌリン)
- 食物繊維 2.0g
- 水分 81.2g
菊芋のイヌリンに注目
菊芋の秘密は、イヌリンです。
イヌリンとはあまり耳にしない成分ですが、どんな成分なのでしょうか。
炭水化物 = 糖質 + 水溶性繊維
イヌリンは「水に溶ける食物繊維」です。
構造的には、ブドウ糖に果糖がくっついたもので、植物中のイヌリンはブドウ糖に果糖が20個から120個ほど結合したものです。
果糖(フラクトース)は主に果物やハチミツなどに含まれる糖で、またブドウ糖とくっついてショ糖(砂糖)を形成します。
炭水化物の糖質は単糖であるブドウ糖に分解され、小腸で吸収されて血中に入りますが、血中のブドウ糖が増えると血糖値が上がることになります。
血中のブドウ糖は全身の細胞に運ばれ、膵臓から分泌されたインスリンにより細胞や筋肉に取り込まれてエネルギーとして利用され、余った分は中性脂肪にかわり脂肪組織に蓄えられます。
果糖は、ほとんどが肝臓で代謝され血糖値を上げないので、糖尿病や肥満を防げると考えられて、各種ドリンクや糖尿病患者用なの甘味料として広く使われていますが、肝臓で代謝された果糖が中性脂肪を増やし、脂肪肝や肥満を引き起こすことが分かってきました。
イヌリンの特性
水溶性の食物繊維に分類され、私達人間はイヌリンを分解する消化酵素を持っていないのでイヌリンのほとんどは吸収されずに体外へ排出されてしまいます。
イヌリンは腸で水分を吸収するとゲル状になり、一緒に摂った糖質の吸収を抑える働きを持っています。また、腸内で善玉菌のエサとなり発酵分解されるとフラクトオリゴ糖になり腸内環境を整える効果があります。
イヌリンの特徴は、
- 炭水化物の1/3、脂肪の1/6の低エネルギー
- 消化酵素で分解されない
- 水分を吸収し膨潤して糖質の吸収を穏やかにする
- カルシウムの吸収を促進する(マグネシウムの吸収促進作用もある)
- 大腸のバクテリア(ビフィズス菌)の活動を活性化する
と、糖の吸収を穏やかにして善玉菌を増やす働きがあるのです。
イヌリンは食後血糖値の急上昇を抑える
詳しく見る ⇒ 菊芋の効果
イヌリンを含む食品
食品では、タマネギ、ゴボウなどにも含まれますが、菊芋には特に多量に含まれているのです。
食材のイヌリン含量
菊芋 15~20%
チコリ 15~20%
ニンニク 9~16%
ニラ 3~10%
タマネギ 2~6%
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菊芋は本当に効果があるのか
菊芋に関して多くの解説書が出版されています。
・菊芋でで血糖値が下がった!
・菊芋で糖尿病が治る!
その本の読後感想です
夏人間ドッグで糖尿病の宣告をうけ、かかりつけの近所の医者に行きましたら糖尿病の薬、グルカゴンの分泌を抑える薬をもらい、飲み始めましたが、副作用の筋肉痛が起こり、薬を飲むのをやめていたところ御書に出会いました。早速に菊芋を購入し、スープなどにして食べ続けていますが、糖尿より先に、妻の便秘が解消したようで喜んでいます。本人の糖尿のほうは来月の血液検査の結果、Ha1cの値を見るのが楽しみです。
病とか、贅沢病とかいろいろ言われていますけど、糖尿をお持ちの方が本当に増えているのは事実でよね。
本当はこうのような方法で昔からの人たちが健康に役立てていたことなんでしょうね。
しかし、金儲けにはつながらないためか、あまり宣伝されなのは残念です。
このような著作物がもっと増えるといいですね。
昨年にアマゾンで買った粉末を試してからというもの見る見るうちに改善されました。少しずつというよりも大量に摂取しました。冬の時期は生のキクイモを買い、色々と食べやすいレシピを自分なりに工夫して何しろ食べ続けました。皆さんも実感されていると思いますが失礼な話、最初はガスが止まりません。。。通じも良いですし、体調が良いです。食べてすぐに実際に体感できるので、信用性が高いですね。この本は、いままでの自分の体感を科学的に説明していただいたので、なおさら確信しました。おかげさまでキクイモは今では生活の一部となっています。分かりやすくてすぐに読めますよ。
菊芋で糖尿病は治らない
本のタイトルですから、「菊芋で糖尿病が治る」と書いても問題になりませんが、もし、菊芋のサプリメントに、「菊芋のサプリメントで糖尿病が治る」と記載したら、「医薬品医療機器等法(旧 薬事法)」違反になります。
糖尿病は、インスリン分泌が悪くなり血糖値が下がらなくなった状態、あるいは、組織におけるインスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)血糖値が下がらなくなった状況なのですが、いくら菊芋を食べてもこの状態が治ることはありません。
現在、医薬品でも糖尿病を治すことはできません。
現在の糖尿病治療薬は、
- 糖の吸収を抑える
- インスリンの効きを良くする
- インスリンの分泌を良くする
という薬で、薬を止めると再び前の状態に戻りますから、薬によって糖尿病が治ることはないのです。
菊芋は糖の吸収を抑え血糖の上昇を抑える
菊芋は食物繊維です。
食物繊維の作用は、
- 水分を吸収し膨潤して糖質の吸収を穏やかにする
ことです。
食事で、「一番先には野菜を食べなさい」というでしょう。
食物繊維は糖の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇を穏やかにするのです。
菊芋の成分はイヌリンという食物繊維です。
菊芋には、
- 糖の吸収を穏やかにする
- 水分で膨満して満腹感を与える
効果があるのです。
菊芋は積極的に利用すべきです
血糖値が気になるのであれば積極的に菊芋を利用すべきです。
食事と一緒に、食事の少し前に菊芋を摂ることにより、食後血糖値の上昇を抑えることができるのです。
しかし、仕事があるあなたは菊芋を持ち歩くことはできませんから、サプリメントが便利です。
ただし、中国産の菊芋も多いので、信頼ある国産の菊芋を使ったサプリを選ぶことが大切です。
田七人参のところでも説明しましたが、中国産の農作物は農薬漬けなのです
(詳しく見る ⇒ 白井田七人参)
血糖値が高いヒトは是非とも菊芋を試してみる必要があります。
詳しく見る ⇒ 菊芋の効果
血糖値が気になる方に!天然のインスリン野菜100%の「紅菊芋」
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