臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
先日は「糖質カット炊飯器は糖尿病に効果があるのか?」という記事をご紹介しました。
日本人には切り離せない、銀シャリともいわれる「白米」ですが、
白米には糖質が非常に多く含まれているのです。
糖質カット炊飯器は白米の糖質を30%程度カットする炊飯器なのです。
ですから、白米の食べ過ぎにはご注意です。
国立がん研究センターでは、
白米をたくさん食べる女性は糖尿病のリスクが高い
という研究報告をしています。
米飯をよく食べる女性では糖尿病のリスクが高い
日本人から切り離せない白米。
最近では米の消費量が減っているとはいっても1日に全く白米を食べない人はいないでしょう。
白米には驚くほどの糖質が含まれています。
1食当たりの糖質量を比べると、
- 白米1杯(150g) : 角砂糖17個
- パン1枚(6枚切) : 角砂糖 9個
- うどん1杯(200g) : 角砂糖14個
と、白米の糖質は驚くほど多いのです。
国立がん研究センターでは、
白米をたくさん食べる女性では糖尿病のリスクが高い
という研究成果を発表しています。
Rice intake and type 2 diabetes in Japanese men and women: the Japan Public Health Center-based Prospective Study
詳しく見る ⇒ American Journal of Clinical Nutrition
が、多目的コホート(JPHC)研究の大規模調査で分かった。炭水化物の摂取量が多い人で糖尿病発症の危険性が高くなることが知られているが、米を主食とする日本人でも、女性では米飯をとりすぎていると危険性が上昇することが示された。
国立がん研究センターを中心とする研究グループは、
1990年と1993年に岩手、秋田、新潟、高知、長崎、沖縄など9県の保健所管内で行った疫学調査に参加した、
45〜74歳の男女6万人を5年間追跡調査したのです。
5年間の追跡期間に糖尿病を発症した、
- 男性 625人
- 女性 478人
について、
エネルギー摂取量や栄養バランスなどを調べたのですが、
白米摂取量と糖尿病発症の関係について、
- 米飯の1日摂取量が「1杯強(165g)」
- 米飯の1日摂取量が「3杯強(420g)」
- 米飯の1日摂取量が「4杯強(560g)」
の3グループで糖尿病発症のリスクを比べたところ、
1日3杯では1.48倍、1日4杯では1.65倍に上昇
することが分かったのです。
ご飯茶碗1杯当たりの米飯は150gとされていますから、
朝昼夕にご飯を食べていれば450gで1杯お代わりをすれば600gですから、
さほど大食いではないと思われるのですが、、、、
さらに、
粟、稗、麦などを混ぜない白米だけを食べていた女性では更に糖尿病のリスクが上がった
そうです。
ただし、
男性でも同様の傾向がみられたが女性ほど明確な差はみられず、
1日1時間以上、筋肉労働や激しいスポーツをする人では糖尿病のリスクが抑えられたそうです。
研究グループは、
- 白米は食後血糖を上昇させるGI値が高い
- 白米は精米の過程で糖尿病に予防的に働く成分が失われている
と指摘しています。
白米や餅、うどんなどはGI値が高い代表的な食品です。
白米は玄米に比べてGI値が高いのですが、精米の過程で糠と言われる食物線維が除かれてしまうからです。
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まとめ
白米はGI値が高く食後血糖値を上げやすいことは知っていましたが、
白米を食べる量でこれだけ糖尿病のリスクが上がるとは驚きました。
ご飯をよく食べる女性は、日常の身体活動量を増やすとともに、玄米を食べたり雑穀を入れたりする工夫も必要なようです。
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