今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
肥満気味で糖尿病の方に朗報です。
先日は、
という研究論文をご紹介しましたが。
今日は、
糖尿病は体重コントロールで寛解する
という研究報告をご紹介します。
これは11月2日にPLOS Medicineという科学雑誌に掲載されたものです。
体重コントロールで糖尿病患者の5%が寛解した
今日ご紹介するのは、
11月2日に「PLOS Medicine」に掲載されたイギリスのエジンバラ大学のMireille Captieux氏らの研究グループの研究論文で、
成人糖尿病患者の5%が寛解し、糖尿病診断時からの減量が強く関連していた
というものです。
Epidemiology of type 2 diabetes remission in Scotland in 2019: A cross-sectional population-based study
詳しく見る ⇒ 原著論文
寛解とは、
病気の症状が一時的に軽くなったり消えたりした状態のこと。
そのまま再発しないで完全に治る可能性もあるが、
場合によっては再発する可能性も大きいという状態です。
この研究は、
2型糖尿病と診断されている30歳以上のスコットランド人を対象としたもので、
- 糖尿病患者数 : 16万2,316人
という大規模な疫学研究で 、
糖尿病患者の詳細は、
- 78.5%はHbA1c6.5%以上を経験
- 56%が65歳以上
- 64%が罹病期間が6年以上
というもので、
- BMIの中央値32.3(25以上は肥満)
と、BMI25以上が肥満ですからかなりの肥満集団ですね。
これらの患者集団について、
2019年1月~12月の調査時に、
- 血糖降下薬を服用していない
- HbA1cが6.5%未満
という条件を満たした患者を「糖尿病が寛解した」と判定したところ、
糖尿病が寛解した人が7,710人(4.8%)もいたのです。
さらに、
これらの糖尿病が寛解した患者の背景因子を調べたところ、
- 糖尿病と診断された後の体重減少が大きい
ということと強い関連が見られたのです。
糖尿病と診断された後の体重減少と寛解と関連を調べたところ、
- 5.0~9.9kgの体重減少 オッズ2.11
- 10.0~14.9kgの体重減少 オッズ2.95
- 15.0kg以上の体重減少 オッズ4.45
という結果が得られ、
糖尿病と診断された後に体重減少が大きかった患者では寛解率が高い
ということがわかったというのです。
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まとめ
先日は、
という論文をご紹介しましたが、
今日ご紹介した論文でも、
糖尿病と診断された後の体重減少が大きいほど寛解率が高い
ということです。
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