今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
ジェエリックメーカーである東和薬品は、自社の販売する糖尿病薬に発がん性物質が混入していたとして自主回収しました。
糖尿病薬に発がん性物質って、、、怖い話です。
あなたの飲んでいる糖尿病薬は大丈夫でしょうか?
東和薬品と日医工は発がん性物質の混入で血糖低下薬を自主回収
大阪のジェネリックメーカーである東和薬品と同じくジェネリックメーカーである富山市の日医工は、
血糖降下剤であるメトホルミン塩酸塩から発がん性物質が検出された
として医療機関などにある在庫品を自主回収すると発表しました。
メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「トーワ」自主回収(クラスⅠ)のお知らせ
詳しく見る ⇒ 東和薬品プレスリリース
両社によると、2018~2019年に出荷された東和薬品の957万7000錠、日医工の142万6300錠のメトホルミン塩酸塩に発がん性物質が含まれていたというのです。
自主回収のクラスⅠというのは、
厚生労働省では回収される製品によりもたらされる健康への危険度の程度により3つのクラスに分類しているのです。
- クラスI:重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る
- クラスII:一時的な治癒可能な健康被害の可能性はあるが重篤な健康被害は考えられない
- クラスIII:健康被害の原因になるとは考えられない
今回の東和薬品と日医工の自主回収はクラスⅠですから、
「重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る」可能性があるというのです。
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大日本住友製薬と日本ジェネリックも自主回収していた
なぜ自主回収に至ったのか、
事の発端は、
海外においてメトホルミン塩酸塩などの製剤から発がん性物質が検出されたとの報告があり、
厚生労働省は2019年12月に国内の製造・販売メーカーに製剤の分析を指示したことによるのです。
そして、大日本住友製薬と日本ジェネリックは自社の製剤から発がん性物質が検出され、
たとして2020年4月に自主回収をおこなっているのです。
メトグルコ®錠250mg/錠500mg自主回収(クラスI)に関するお願い
詳しく見る ⇒ 大日本住友製薬プレスリリース
原因について大日本住友製薬では明確ではないとしながら、
錠剤を包むアルミ箔の印刷インクの物質と錠剤とが反応してN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)という発がん性物質が生成されたのではないかとしています。
自主回収のクラス分類は東和薬品と同様に「重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る」というクラスⅠとしていますが、
大日本住友製薬では、
重篤な健康被害が起きる可能性は否定できないが、現在までに重篤な健康被害の報告は無いと述べています。
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まとめ
メトホルミン製剤は、ビグアナイド系薬剤に分類される経口の糖尿病治療薬の一つで、
- 筋肉での糖利用を促進する
- 肝臓で糖をつくるのを抑制する
などの作用により血糖を下げる薬です。
国内では2010年5月10日に大日本住友製薬が、
- メトグルコ錠250mg
- メトグルコ錠500mg
を発売したのですが、
第一三共、日本ジェネリック、東和薬品、日医工、ファイザーなどから多くのジェネリック品が発売されています。
自分の薬は大丈夫だろうか、、、
大日本住友製薬では、
発癌物質の含有量はメトホルミン塩酸塩を1日に2,250mgを70年間にわたって飲み続けた場合、
10万人に1人で発がんリスクが増加する
という基準だそうです。
心配であれば主治医に聞き、自己判断で服用を中止すべきではありません。
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