という論文をご紹介したのは2015年8月ですからもう3年も前のことですが憶えておられますか?
そして今年の3月には、
という論文もご紹介しました。
これらの研究は、アメリカのフロリダ大学やイギリスのグラスゴー大学でおこなわれたもので、
見時間に感じていなかったかもしれませんね。
しかし、
東北大学と新潟大学の研究グループも、
握力が弱い人や片足バランスが悪い人は糖尿病リスクが高い
という研究論文を発表しました。
あなたは片足立ちバランス良いですか?
握力が弱くなっていませんか?
握力が悪い人や片足バランスが悪いと糖尿病のリスクが高い
7月30日、
東北大学 と新潟大学の研究グループは、
片足立ちバランスが悪ければ糖尿病のリスクが高い
握力が弱ければ弱いほど糖尿病のリスクが高い
という研究成績が得られ、
世界的な科学雑誌でJournal ofEpidemiologyに掲載されたと発表しました。
詳しく見る ⇒ プレスリリース
Physical Fitness Tests and Type 2 Diabetes Among Japanese: A Longitudinal Study From the Niigata Wellness Study
詳しく見る ⇒ 原著論文
この研究は、
- 糖尿病でない20~92 歳の成人 21,802 人
を対象に、
- 6 年間追跡して体力テスト
を行ったのです。
体力テストの内容は、
- 握力
- 垂直跳び
- 閉眼片足立ち
- 立位体前屈
- 全身反応時間
- 仰臥位足上げ
の6項目で、
体力テスト成績と糖尿病の発症リスクとの関連を調べたのです。
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握力が弱いと糖尿病のリスクが高い
糖尿病の発症リスクと最も関連が高かったのは握力だったそうでう。
握力と体重の関係で握力が体重の80%のグループ、
すなわち、
体重が60kgで握力が体重の80%である48kgの人と、
握力が体重の50%である30kgの人とを比較すると、
糖尿病の発症リスクが56%高い
ことが分かったとのことです。
握力が弱いなら糖尿病かも知れませんでご紹介した論文では、
糖尿病では明らかに握力が低下し、
- 健康群 : 69.8kg
- 糖尿病群 : 61.7kg
握力が5kg低下すると、
- 死亡リスクが16%高くなる
- 心筋梗塞や脳卒中など心血管病による死亡が17%高くなる
- それ以外の病気による死亡が17%高くなる
と報告しています。
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片足バランスが悪いと糖尿病のリスクが高い
さらに、バランス能力を測定する閉眼片足立ちテストも糖尿病のリスクと関連していることが明らかになっています。
閉眼片足立ちテストは、両目を閉じたまま片足で何秒間立っていられるかを調べるテストですが、
片足立ちできる時間が短いほど糖尿病のリスクが高かったそうなのです。
その他にも、
- 下半身のパワーを測定する垂直跳び
- 柔軟性を評価する立位前屈
の成績も糖尿病のリスクに関連していたそうですが、
肥満指標であるBMIを考慮すると明らかでなく、
糖尿病よりも肥満との関連が強かったそうです。
今回の研究結果では握力や片足バランスと糖尿病発症の直接的な原因については明らかになっていません。
しかし、
糖尿病の原因となるインスリン抵抗性は日頃の運動で改善できるが有効であることや、
運動を長時間続けられる全身持久力が高めることは糖尿病の予防に役立つことが明らかになっています。
筋力は全身の筋力を反映する指標として体力テストに取り入れられているのですが、
握力が強い人は全身の筋力が強く糖尿病の予防に役立つと考えられるのです。
片足立ちバランスも脚力の強さを反映する指標なのです。
血糖値が高ければ薬で下げることは可能ですが、
糖尿病を根本から改善するためには食事療法や運動療法が重要なのです。
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