コーヒーがお好きですか?
コーヒーは糖尿病の予防に良いといわれています。
アメリカのハーバード大学の研究グループは、
コーヒーをたくさん飲むほど糖尿病のリスクが低減した
という研究成果を発表しています。
コーヒーにはクロロゲンという抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれ、
さらに、
しかし先日、
アメリカのロサンゼルスの裁判所は、
スターバックスなどの販売業者に対し、
コーヒーには発がん性の成分が含まれているとの警告を表示しなければならない
との判断を下したのです。
コーヒーは体や糖尿病に良くないのか?
コーヒーはほんとうに発がん性が含まれているのか?
さっそく調べてみました。
コーヒーには発がん性の成分が含まれている?
AP通信などによると、
3月29日、アメリカ・ロサンゼルスの裁判所は、
コーヒーには健康被害があるとする原告側である非営利団体の主張を認め、
コーヒーには発がん性のある成分が含まれるとの警告ラベルを表示する義務がある
との判決を下したのです。
California judge rules that coffee requires cancer warning
LOS ANGELES (AP) — Coffee sellers will have to post ominous warnings in California because each cup contains a chemical linked to cancer, a judge ruled.
詳しく読む ⇒ DAILY NEWS
裁判所の主文によると、
スターバックスなどのコーヒーを提供する企業は、
1)コーヒー豆の焙煎時に生じる発がん性の成分が健康を害するリスクがわずかであることを証明できていない
2)消費者がコーヒーを飲み続けることによるアクリルアミドの健康被害が低い水準であることを証明できなかった
と判断し、
警告ラベルの表示が必要
との判断を下した。
のです。
訴えていたのはカリフォルニアに拠点を置く毒物に関する教育研究団体で、
2010年にスターバックスなどのコーヒーを提供する企業は
「コーヒーには高レベルの発がん性化学物質であるアクリルアミドが含まれていることを消費者に告知してい」
として提訴していたのです。
この訴訟の被告は、
- スターバックス
- ダンキン・ドーナツ
- JMスマッカー
- など約90社
に上り、
今回の判決に異議があれば4月10日までに意義を申し立てる必要があるのですが、
各社はまだコメントを出していないようです。
コーヒーには糖尿病にも良いクロロゲンという抗酸化物質が含まれているのですが、
クロロゲンは、
- 脂肪の吸収抑制
- 糖尿病予防
- 発がん予防
など、発がん抑制もあるという機能性物質なのですが、
詳しく見る ⇒ 日本コーヒー協会
コーヒーには発がん性物質が含まれているのでしょうか?
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コーヒーに含まれる発がん性物質とは?
コーヒーには発がん性のある成分が含まれるというのですが、
この発がん性物質というのはアクリルアミドという物質です。
確かに、
アクリルアミドは発がん性が強く疑われる物質で、
2005年には国際連合食糧農業機関(FAO)とWHOからなる合同委員会は、
食品中のアクリルアミドは健康に害を与える危険性があり含有量を減らすべきだ
との勧告を出しているのです。
アメリカのカリフォルニア州では、
1986年安全飲料水および有害物質施行法という法律によって、
(The Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986)
- がん
- 先天性欠損症
- その他の生殖危害
などを引き起こす可能性がある化学物質が製品に含まれる場合には、
その化学物質が含まれているという警告を表示しなければなならいのです。
違反した場合には1日に2、500ドルの罰金が課され、
表示義務の違反があれば市民の誰もが訴訟を起こすことができ、
訴えた人は罰金の25%を貰えるというのですから、
環境団体などの年間収入の半分が訴訟での還付金だといわれます。
私も昨年、カリフォルニアに行きましたが街中に警告表示が溢れており、
スーパーでは焼海苔にも表示がありました。
今回敗訴したスターバックスでは、
- コーヒーに含まれるアクリルアミドは無害
- コーヒーがもたらす健康効果の方が大きい
と主張しているのですが、、、。
コーヒーに含まれるアクリルアミドとは?
アクリルアミドというのは、
アミノ酸のアスパラギンと糖類がメイラード反応によって生成される物質です。
このブログをよく読んでくださっている方は、
メイラード反応と聞いてピンときたかもしれません。
メイラード反応とは、
糖尿病ならAGEが多い食品を避けてくださいでご説明しましたが、
AGEはAdvanced Glycation End Productsの略で日本語では「糖化最終産物」といわれますが、
蛋白質と糖が加熱されるとメイラード反応によって、焦げ目がついたり、キツネ色になりますが、そのキツネ色の正体がAGEで、
AGEの一つがアクリルアミドなのです。
フライドポテトのアクリルアミドは糖尿病の原因でも書きましたように、
AGEは、
- 老化の原因物質
- 皮膚のシワを増やす
- 血管壁をボロボロにする
- 認知症のリスクを上げる
- がんの発症にも関与している
など、私達の体に良いことは一つもないのです。
茶色に焦げ目のついた食品は私達の身の回りにたくさんありますが、
アクリルアミドの量を減らすためには、
- 油で揚げた食品
- キツネ色に焼けたでんぷん質の多い食品
をできるだけ摂らないのが良いといわれています。
喫煙者は非喫煙者に比べて3~5倍ものアクリルアミドを摂取しているといわれ、 喫煙は糖尿病のリスクを上げるということなのです。
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コーヒー以外にアクリルアミドの含まれる食品
日本の農林水産省のウェブサイトでは、
アミノ酸の一種であるアスパラギンと還元糖であるグルコースやフルクトースを多く含む食品は、高温で調理した場合にアクリルアミドが生成しやすいと考えられています
として、
アクリルアミドが含まれている食品のリストを公開しています。
詳しく読む ⇒ アクリルアミドが含まれている食品・農林水産省
そこには、
これまでの報告で、特にアクリルアミドが多く含まれていた食品は、ポテトチップス、フライドポテトなどのじゃがいもを揚げたスナックや、ビスケットなどの小麦を原料とする焼き菓子です。また、コーヒー豆、ほうじ茶葉、煎り麦のように、高温で焙煎した食品にもアクリルアミドが多く含まれていることが報告されています。
と、コーヒーに発がん性の物質であるアクリルアミドが含まれることを明記しています。
具体的にアクリルアミドの濃度は、
- インスタントコーヒー : 0.58mg/kg
- 焙煎豆で入れたコーヒー : 0.24mg/kg
- ほうじ茶(茶葉) : 0.33mg/kg
- ポテトスナック : 0.55mg/kg
と、焙煎豆コーヒーが特に多いわけでも有りません。
アメリカ国立がん研究所では、
アクリルアミドはマウスでの実験ではがんのリスクを上げるが、
人間への影響については充分な証拠がない としています。
国際がん研究機関のリストには、
アクリルアミドには発がんの可能性がある
と記されており、
1986年安全飲料水および有害物質施行法という法律のあるカリフォルニア州では訴えたということでしょう。
なお、WHOは2016年に、
コーヒーはがんの原因にならない
ことを発表しており、
- コーヒーにはアクリルアミドがふくまれているものの
- コーヒーがもたらす健康効果の方が大きい
ということでしょうか、、、。
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