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    Categories: 糖尿病の診断

糖尿病は遺伝子診断で分かるのか?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

週刊ポスト・11月24日号をご覧になりましたか?

血液検査で分かるあの病気」という特集でした。

わずか数滴の血液から命に関わる疾病リスクが高精度でわかる

従来の血液検査の常識をくつがえす新たな検査方法が、

相次いで実用化されている、、という内容なのです。

そして、最新新技術で診断可能になった疾患リスクには、

  • 認知症
  • 糖尿病
  • 脳梗塞・心筋梗塞
  • うつ病

が挙げられていました。

糖尿病のリスクが判定できる最新技術とはどんな技術なのか?

さっそく調べてみました。

 

 

糖尿病のリスクが遺伝子検査で分かる

本文を読んでみると、

「血液検査革命で、あらゆる病気が発見できる時代になりつつある」として、

がんだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞も血液検査によって発症のリスクを判定できるようになったとして、

NKメディコ(株)の「LOXインデックス」を紹介しています。

 

「LOXインデックス」は、酸化LDLとLOX-1の測定によって今後10年に発症するであろう脳梗塞と心筋梗塞のリスクを判定する診断技術です。

   LOXインデックス → ロックスインデックス

 

そして、

最新技術によって発症リスクの診断が可能になった疾患として、

  1. 認知症
  2. 糖尿病
  3. うつ病

を挙げています。

糖尿病については、

従来は空腹時血糖値で判定していたが、

糖尿病予備群も血液検査によるリスク判定が実用化された」と紹介しています。

NKメディコはサインポスト社と提携し、

糖尿病などの生活習慣病につながる高血糖症リスク判定検査「サインポスト遺伝子検査」が可能になったというのです。

そして、

遺伝子検査なので血糖値が上がり始める前の若い世代でも将来の糖尿病のリスクを知ることができる、としています。

 


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サインポストの糖尿病の遺伝子検査

 

週刊ポストが、

将来の糖尿病のリスクを知ることができる

と紹介した、サインポストの糖尿病の遺伝子検査とはどんな検査なのでしょうか?

 

(株)サインポスト(signpost corporation)は、

2004年9月に、元大阪大学医学部の助教授であった山﨑義光が立ち上げたベンチャー企業のようです。

会社概要をみると、

遺伝子検査による「動脈硬化/糖尿病合併症リスク判定」および「運動&栄養プログラム」を開発し、サービスを展開しています。
6,000例を超える日本人のデータベースをもとに理論的な計算を行い、各疾患について判定が可能です。
さらに多くの疾患について遺伝子検査を用いた事業を展開し、オーダーメイド医療の普及と健康づくりを目指します。

とのことで、

 

  1. 運動&栄養プログラム : 運動&栄養療法、生活習慣改善ポイント、遺伝子情報
  2. 動脈硬化リスク判定 : 動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、遺伝子情報
  3. 糖尿病合併症リスク判定 : 糖尿病腎症、糖尿病網膜症、遺伝子情報

の3つのサービスをやっているようです。

 

具体的に、

糖尿病合併症リスク判定とはどのようなものかというと、

「サインポストMS/DM(動脈硬化/糖尿病合併症リスク判定)」では具体的な疾患のリスク評価を行います。
こちらの検査では、遺伝子情報と臨床検査値の双方を考慮してリスクを測りますので、血圧やコレステロール値などの具体的な検査値が必要となります。
評価項目としては、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病腎症、糖尿病網膜症がございます。
本検査は、あくまで遺伝的なリスクを評価するだけであり、疾患の診断を行うわけでないことにご注意ください

ということです。

      詳しく見る ⇒ サインポストの/糖尿病合併症リスク判定

 

要するに、

  1. 遺伝子情報
  2. 臨床検査値

の両方の検査成績から、

糖尿病腎症と糖尿病網膜症の発症リスクを判定する

という検査のようです。

 

週刊ポストでは費用は3万5,000円~5万円と書いていましたが、

保険適用外の自由診療で医療機関によって料金が異なるようです。

興味のある方は遺伝子検査をおこなっている医療機関を検索してみてください。

    詳しく見る ⇒ 遺伝子検査のできる医療機関

 

その他にも、

遺伝子からわかる運動&栄養プログラム

という検査もあるようです。

 

 

この検査では遺伝子検査により、

  1. 肥満になりやすい体質か?
  2. 高血糖になりやすい体質か?
  3. 高血圧になりやすい体質か?
  4. 動脈硬化になりやすい体質か?
  5. 歯周病になりやすい体質か?

など、14疾患についての「体質」を判定するそうです。

 


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遺伝するのは糖尿病になりやすい体質

糖尿病の遺伝子検査についてはこのサイトでも、

「糖尿病が遺伝しているか遺伝子検査でわかるのか」でご紹介しましたが読んでいただけたでしょうか?。

詳しく見る ⇒ 糖尿病が遺伝しているか遺伝子検査でわかるのか

 

GeneLife ZEROでは、

糖尿病も含め、脳梗塞、心筋梗塞、2型糖尿病、胆石、尿路結石症、腰痛、痛風、不眠症、円形脱毛症、花粉症、緑内障、アトピー性皮膚炎、貧血傾向、十二指腸潰瘍、アルコール、ニコチン依存症、過食症、長寿・寿命

など52項目についての遺伝子診断を行っています。

 

 

2型糖尿病の遺伝子検査では、糖尿病の感受性遺伝子のSNPを調べることは可能ですが、

現時点では、

何種類の遺伝子のSNPが糖尿病の発症に関与しているか

ということが明確になっていないため、

将来、糖尿病になる可能性がありそうだ

との判定しかできないようです。

 

「糖尿病になりやすい糖尿病体質は遺伝する」でもご説明しましたように、

遺伝するのは糖尿病体質

なのです。

 

詳しく見る ⇒ 遺伝するのは糖尿病体質

健康診断の問診票には、

Q:親や兄弟に糖尿病の方がいますか?

という質問があると思いますが、

「糖尿病体質」を受け継いでいれば、

  1. 食べ過ぎによる肥満
  2. 運動不足

などにより糖尿病になる可能性が高いのです。

しかし、

糖尿病体質を受け継いでいたとしても

  • 食事内容
  • 運動習慣

により、糖尿病を防ぐことが可能なのです。

 

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