メタボだと糖尿病になるから予防にはローファットが良いと思う人が多いのですが、糖尿病の予防にはオーファットよりロカボが効果があります。
「ローファットよりロカボ」のエビデンス
メタボを解消、アンチエイジングにも効く「ロカボ」の威力
どういして糖尿病にはローファットよりロカボが効果があるのか
糖尿病の大きな原因は、メタボ、すなわち肥満です。
肥満には脂肪の取りすぎに注意しましょう。
これは小さな子供でも知っていることです。
脂質の摂りすぎは、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールといわれるLDL-コレステロールを増加させます。
さらに、善玉コレステロールといわれるHDLを低下させ、肥満や脂質異常症を引き起こし、動脈硬化や心筋梗塞などの心疾患の原因になります。また、内臓脂肪が蓄積されると脂肪細胞から分泌される悪玉物質により、インスリンの働きの低下などを引き起こし、糖尿病の原因になるのです。
教科書的には、このように教えられるからです。
ローファットでは心臓病が抑えられるのか?
健康のためには脂肪の摂りすぎに注意しましょうと教えられてきました。
ところが、アメリカにおける研究で、ローファット、すなわち脂肪を減らす食事は肥満防止や循環器系などの疾患の予防に逆効果であることが分かってきたのです。
そもそも、脂肪摂取と心臓病との関係を明らかにしたのは、アメリカのアンセン・キーズ博士です。
アンセン・キーズ博士は、1904年にアメリカ、コロラド州で生まれ、2004年11月に100歳で亡くなったのですが、ミスター・コレステロールとも呼ばれ、こうした研究の先駆者であり第一人者で、
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患と呼ばれる心疾患の原因が血中のコレステロールであることを世界で初めて明らかにし、
肉やバターに含まれる飽和脂肪酸がコレステロール上昇の原因となることも実証したのです。
この疫学研究は、1958年に開始され、ギリシア、イタリア、旧ユーゴスラビアなどの地中海諸国と、オランダ、フィンランド、アメリカ、日本の7ヵ国の16地域で、12,000人が登録され、10年間の追跡調査が行われました。
その結果、
- ギリシアおよび地中海沿岸で心疾患や癌などによる死亡が最も低く、
- 地中海食が心疾患の予防に効果的
だということが明らかになったのです。
その後、当時のフォード大統領は、民主党の副大統領候補でもあったジョージ・S・マクガバン上院議員を委員長とする「栄養問題特別委員会」を設置し、
1977年に、「アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書という、5,000頁にも及ぶ膨大な報告書が発表されたのですが、
通称、マクガバン・レポートともいわれるこの報告書では、
- 大量の脂肪、砂糖、食塩が含まれるアメリカ人の食生活は、心臓病、がん、脳卒中など命を脅かす病原食
だとし、
国会でも、米国人は食事における油の摂取比率を減らすべきという指針が承認され、
アメリカでは、脂肪の摂取を減らす運動が巻き起こったのです。
ローファットで肥満や糖尿病が増えた
しかし、、、
脂肪の摂取量が減る反面、糖質摂取量が増加し、肥満と糖尿病が増加する結果になったのです。
そして、
2013年、アメリカ糖尿病学会は、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事様式は存在しないとして、
- 地中海食
- ベジタリアン食
- 糖質制限食
- 低脂質食
- DASH食〈高血圧を防ぐ食事方法)
から、それぞれの患者ご適した食事法を選ぶべきだとの見解を示したのです。
1977年のマクガバン・レポートによる、脂肪の摂りすぎは心疾患や癌の原因という報告についても、
- 脂肪の摂取を抑えても血中の中性脂肪は低下しない : Circulation;123, 2292-2333, 2011
- 脂肪の摂取を抑制しても心臓病や癌に死亡率は低下しない : Open Heart;2, e000196, 2015
といった報告が出され、
そこで「ローファットは意味があるのか」という多くの見直しの研究が最近の10年ほどにたくさん行われています。
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糖尿病にはロカボが効果的
アメリカにおける、脂肪摂取量の抑制において、肥満や糖尿病が増えてしまった理由は、
脂肪摂取量を減らした代わりに糖質物の摂取量が増えたことが原因だったのです。
そして、
ローファットからロカボへと考えが変わってきているのです。
ロカボは、ローカーボン(low carbon)のことで、低炭水化物、低糖質のことで、糖質制限のことです。
糖質制限食に関しては、
- 糖質制限により肥満、血中脂質、糖尿病、高血圧などが改善する : Obes Rev;13, 1048-1066, 2012
というの多くの研究報告が集積され、
上に書きましたように、
2013年に米国糖尿病学会は糖質制限を糖尿病の食事療法の1つとして認めたのです。
ロカボはどうして非難されるのか
書店に行くと、「ロカボ」、「糖質制限」、「炭水化物を減らす」などという本が氾濫しています。
その反面、
- ロカボは体に良くない
- ロカボは寿命を縮める
といった記事も多いのが事実です。
どうして、ロカボが非難されるのか?
それは、極端すぎるからです。
- 主食を摂らない
- 糖質ゼロの食事法
などを薦める、糖質制限があるからです。
ロカボが体に良くない理由としては、
- 脳は糖質を必要
- ケトン体は体に良くない
などの理由によるのですが、
糖質を全く摂らないと体はエネルギー源として脂肪を分解してエネルギー源として利用するのですが、その時に燃えかすとして残るのがケトン体です。
そして、脳はケトン体をエネルギー源として利用するのです。
ロカボはほどほどが良い
糖質ゼロでも体は問題ないのですが、
私達日本人が、
- 主食を食べない
- 白米を食べない
- パンを食べない
- ラーメンを食べてはダメ
ということで、生涯をとうして糖質ゼロをやれる人は少ないでしょう。
ライザップで糖尿病から離脱できた森永卓郎さんは、ライザップでは糖質ゼロだったが、20kgの減量に成功!
インスリン注射が必要だった糖尿病も薬の服用も必要がない程までに回復したのですが、現在は、ゆるい糖質制限を続けているそうです。ゆるい
ゆるい糖質制限とは、
- 朝食のパンを半分に
- 夕食のご飯を半分に
ということです。
ゆるいロカボは、
1食あたり、ご飯は軽く半膳、食パンなら6枚切りを半分か1枚に抑える、
そして、
おかずからはイモ類など炭水化物の多いものは避ける
でも、
- 肉や魚などの蛋白質はいくら食べても良い
- 脂肪の摂取は気にしないでOK
というのが、ゆるいロカボです。
このゆるいロカボで、
- 1食あたりの糖質量を20~40g
- 1日あたりの糖質量を130g以下
に抑えると、
血糖値やインスリン値の増加を抑えることができると言われています。
病院で指導される糖尿病の食事療法は、日本糖尿病学会の推奨する「カロリー制限」ですから、食物換算表を用いたり非常に煩雑なのですが、ロカボでは糖質を抑える、という1点だけを注意すれば良いのです
主食を抜くのもひとつの方法ですが、主食を食べたいならその量をコントロールすれば良いのです。
- ご飯1杯 : 55.2g
- 食パン1枚(6枚切り) : 26.6g
- ラーメン : 55.8g
- うどん : 52.0g
- 蕎麦 : 40.8g
問題は間食です。
スナック類、特に清涼飲料水には多量の糖質(砂糖)が含まれています。
小腹が空いときのお薦めがナッツ類、特にお薦めなのがクルミです。
クルミにはオメガ3などの多価不飽和脂肪酸がたくさん含まれ脂質代謝の改善に効果的なのです。
いかがでしょうか?
ロカボとは、
- 朝食のパンを半分に
- 夕食のご飯を半分に
ということ効果が期待出来るのです
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