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糖質制限は危険なのか|ためしてガッテン

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

先日のNHKテレビ・ガッテンで糖質制限が取り上げられました

ガッテンで糖質制限取り上げるのはこれで2回目ですが、前回は否定的な内容でし。

ためしてガッテンでは糖質制限は危険と判断するのでしょうか、、?

 

 

ためしてガッテンが再び糖質制限を取り上げた

2016年7月6日のNHK・ガッテン(旧ためしてガッテン)では「追跡!糖質制限ダイエットの落とし穴」として糖質制限をテーマに放送しました。

実は、ためしてガッテンでは2009年1月26日にも糖質制限を取り上げていました。

内容を簡単に言うと、

女子大生が同じカロリー制限のダイエットを行ったが、ダイエットに成功したヒトと失敗したヒトに分かれた。

ダイエットに失敗した原因は糖質が不足していたことで、その理由は脳へのブドウ糖が不足したため、脳はエネルギー不足と勘違いして飢餓スイッチをオンにしたため、糖を脂肪に変えて体内に取り込む指令を出したからだといことで、

糖質制限には否定的な内容でした。

これに対して、糖質制限食の先駆者であり、高雄病院理事長、日本糖質制限医療普及推進協会代表理事である江部康二は、氏のブログ内で反論しています。

江部康二のためしてガッテンへの反論

今回のためしてガッテンは、減量に関して理論も根拠もなにもないと思います。
①糖質制限食を実践すれば高血糖は改善するが、糖新生などにより低血糖にはならない。
②脳は、ブドウ糖だけでなく、脂肪酸の代謝産物のケトン体も普通に利用する。
この①②は、論争の余地のない生理学的事実ですので、これを、知らないとお話しになりません。
ためしてガッテンの理論は、出発時点で二重に間違って破綻してます。
(以下省略)  詳しく見る ⇒ ドクター江部の糖尿病徒然日記

日本糖尿病学会は糖質制限に否定的

アメリカの糖尿病学会は、2013年10月、 「食事療法に関する声明2013」において、糖質制限食を糖尿病の食事療法の一つの選択肢として正式に容認しました。

糖質制限の原点は、先日の、高血糖やダイエットにはカロリー制限より糖質制限という記事でも書いたのですが、

2008年にイスラエルにおいて行われた2年間の臨床試験で、脂質を抑えてカロリー制限をした群より、カロリー制限なしで糖質を抑えた群のほうが体重減少が大きく、血中コレステロール値も低かったと、世界的な権威を持つ医学雑誌、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン掲載されたことにより、欧米で広まり、肥満症や糖尿病の食事療法として広く認容されているのです。

しかし、日本糖尿病学会では、

必要カロリーの60%は糖質で摂るとし、カロリー制限しない糖質制限は認められないと表明しているのです。

しかし、

2016年7月1日の東洋経済オンラインにおける、「糖質制限危険説」は一体どこまで真実なのか」の記事の中で、

6月中旬に糖尿病学会理事長で東大教授の門脇孝医師にインタビューしたところ、「(糖尿病学会の理事長ではなく)一人の糖尿病研究者として、糖質量を総摂取カロリーの4割以下に抑える糖質制限は、大いに推奨される」との見解が示されたのだ。

東大病院では2015年4月から、糖尿病患者の食事として、従来の糖質が1日の総摂取カロリーの5割以上を占めるメニューに加えて、この4割の「低糖質」メニューも用意しているという。

門脇医師は、実は自身も糖質制限の実践者。「安全性への検証が進めば、より自信をもっておすすめできるようになる」とも言及。

と書かれている。

なんと、糖質制限を強固に反対している日本糖尿病学会の理事長が、糖質制限の実践者だったとは驚きです。

糖質制限を拒否され、60%の糖質摂取を指導されて糖尿病が悪化した患者は誰に文句を言えば良いのだろうか、、、


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糖質制限は危険なのか?

さて、横道にそれてしまったのですが、、、

番組では全国の10代から90代の方にインターネットでのアンケート調査を行ったところ、

  • 糖質制限をやったことがある : 1,179人
  • 糖質制限をやったことがない    :     1,031人

 と、糖質制限を知っているだけでなく、糖質制限をやったことがあるというかたが非常に多いのです。

そして、糖質制限をやったことがあると答えた1,179人の中の764人が減量に成功したと答えています。

 糖質制限でダイエットに成功

三重県に住む女性は糖質制限ダイエットで、健康的な体型を取り戻たと体験を語っています。

結婚前より23kgも太ってしまい、糖質制限に挑戦。

およそ1年で9kgの減量に成功し、その後も体重をキープしているという。

その他にも、

  • 女性(39歳) : 体重が半年で8kg減少し、オシャレが楽しくなった。
  • 女性(48歳) : 他のダイエットをしても痩せなかったのに糖質制限では4ヵ月で18kg減少しました。
  • 男性(57歳) : 糖質制限で血糖値も下がり体重も減るので続けられる。

と、糖質制限を絶賛するヒトがたくさんいました。

糖質制限で体力が落ちた

一方で、糖質制限で体調を崩したと訴える人もいるのです。

ある男性は、凝り性なこともあって、食事は糖質ゼロにして、肉や野菜は普通に食べたそうです。

糖質制限を始めてから 1ヵ月も経過しないのに、体重が3kg減少、血糖値を低下、とますます糖質制限に夢中になったのですが、、

糖質制限1ヵ月頃から、

  • 頭がボ~ッとする感覚
  • 脳細胞が機能してないような感じ
  • 疲れやすくなった

と感じ、さらには、

  • 階段を上ることがきい
  • ふらつきを感じる

ようになり、健康診断では、

筋肉量を表す「CK」という値が 7から 64 に低下

ちょっとこれはヤバイかな~って思い、身の危険を感じたということで糖質制限を中止したそうです。

 

さらに、

  • 男性(61歳) : 足腰の筋力が落ちて立ち上がるのすら 辛くなった。
  • 女性(45歳) : 朝ベッドから起き上がれないほど体が鉛のように重くなった。
  • 女性(19歳) : めまいや体力の低下を感じ、耳も聞こえにくくなった。

と、糖質制限で体の不調を訴えるヒトも多いことを紹介していました。

 


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糖質制限で守るべきポイント

最後の登場したのが、

北里大学 北里研究所病院 糖尿病センター長の 山田悟 氏です。

このサイトでも何回もご紹介していますが、江部先生に次ぐ、糖質制限の提唱者です。

山田氏が指摘するのは、『カロリー不足』です。

日本人の平均摂取カロリー数(男女を含め)は、2,000カロリーで、その60%を炭水化物から摂っているそうです。

 

糖質制限で、糖質をカットすると、、、、

そうです、カロリー不足なのです。

日本人は、摂取カロリーの多くを糖質から摂っているため、糖質をカットすると、総カロリーが不足してしまうことになるのだそうです。

糖質制限によって体調の不調を訴える人がいるのですが、

その理由は、

 カロリー不足なのです。

糖質を制限した分を、

 蛋白質をたくさん摂る

ことが必要なのです。

山田悟 氏は、「穏やかな糖質制限」を薦めています。

 

糖質は体の中で重要な栄養素でもあり、ゼロにすると悪い影響も出る可能性があるとして、穏やかな糖質制限を薦めているのです。

このサイトでも何回もお薦めしていますが、

  • 朝食のパンを半分にする
  • 夕食のご飯を半分にする

これで良いのです。

あなたに合ったマイルドな糖質制限を選んでください。

食事は生活の中で楽しいもので、いくら健康のためといっても苦行では長続きしません

  • ご飯やパンを半分に
  • 肉や魚や野菜を腹一杯

これが、正しい、長続きする糖質制限です。

 

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