今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
映画、「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」の7月公開が決まりました。
この映画は、
自らも妊娠糖尿病を患った女性監督がシュガー・ブルースを追求するドキュメンタリー映画です。
妊婦の方や高血糖に悩んでいる方は必見です。
「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」
映画、「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」が7月に公開されます。
この映画は、妊娠糖尿病だと告げられた、チェコ共和国出身のドキュメンタリー映画作家アンドレア・ツルコバーが、妊娠糖尿病ために自らの出産に向けて不安に駆られるとともに、自分たちの健康における砂糖の怖さに気づくも、もはや糖類の入らない加工食品を探すことのできない困難さなど、生活から砂糖を除くことの難しさに直面するのです。
砂糖が私達の生活に出現してまだ数百年しか経過していないのですが、、、、。
この映画は、子どもの健康を心配する1人の働く母親でもあるツルコバーの家族の生活と、ツルコバーが砂糖の怖さについて調査行動する姿を5年間に渡り記録したセルフドキュメンタリー映画です。
ツルコバーは、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなどの8カ国を訪れ、
科学者や研究者、医師、糖尿病患者、健康食を推奨する人たち、政治家、食品関係のジャーナリストや弁護士、砂糖業界の関係者らを取材し、
砂糖の健康や精神に及ぼす害を探ります。
アメリカにおける砂糖産業は、実は共和党も民主党も熱心なロビー活動を行っており、砂糖の有害性についてはなかなか表面にでないのです。
さらに、砂糖産業の「紐つき科学者」のは砂糖の害を否定し続けているともいわれ、この映画では強大な砂糖業界の闇にも迫るようです。
「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」は、7月23日に渋谷アップリンクで初公開されるほか順次全国でも公開されます。
これから妊娠される方や妊娠しておられる方には是非みて欲しい映画です。
Sponsored Link
妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病は、妊娠してから糖尿病に罹患したヒトで、妊婦の10%位で見られます。
妊娠する以前から糖尿病に罹患していたヒトは、「糖尿病合併妊娠」といわれ、妊娠糖尿病とは区別されます。
妊娠糖尿病も、通常の糖尿病と同様に血糖値が高くなる疾患です。
血液中の血糖(ブドウ糖)は、インスリンの働きによって、細胞に取り込まれエネルギー源として使われ、
余ったブドウ糖は脂肪に変えられて貯蔵されることによって血糖は低下するのですが、
妊娠糖尿病は、妊娠によるホルモンの影響によって、血中のブドウ糖の取込みが悪くなることが大きな原因です。
詳しく見る ⇒ 妊娠糖尿病は食事と運動で治る
妊娠によって大量に分泌される黄体ホルモンやプロラクチン、コルチゾールなどは、インスリンに拮抗しインスリンの働きを抑える作用が有ります。
これは胎児に栄養素(血糖)を供給するためではないかと考えられています。
妊娠糖尿病は胎児に悪影響を及ぼす
妊娠糖尿病になると母体は、
- 妊娠高血圧症候群
- 羊水量の異常
- 肩甲難産
- 網膜症
- 腎症
などの影響を受けるのですが、母体が高血糖になれば当然、子宮内の胎児も高血糖になり、胎児にも様々な害を及ぼすのです。
胎児に体しても様々な悪影響を及ぼしますが、
高血糖により多量に分泌されるインスリンには成長ホルモンの作用も有り巨大児になり難産の危険性があるばかりでなく、生まれた後も新生児はいろいろな合併症を抱える原因になります。
- 流産
- 形態異常
- 巨大児
- 心臓の肥大
- 低血糖
- 多血症
- 電解質異常
- 黄疸
- 胎児死亡
妊娠糖尿病は、母体よりもむしろ胎児に対する影響の方が心配なのです。
妊娠糖尿病は通常は分娩後には自然に直るのですが、最近は分娩後に2型糖尿病(通常の糖尿病)に移行するヒトが非常に多く、
妊娠糖尿病だったヒトの半数は分娩後に糖尿病になるとの報告があります。
詳しく見る ⇒ 妊娠糖尿病は食事療法より授乳
妊娠糖尿病だったヒトは、分娩後も充分気を付けてください。
Sponsored Link
シュガーブルースは砂糖中毒
映画のタイトルにもなっている、「シュガー・ブルース(Sugar Blues)」は、砂糖(甘い物)の摂り過ぎによる中毒症状や体調不良のことを指します。
しかし最初は、1922年にレオナ・ウィリアムズという女性歌手によって歌われた歌のタイトルでした。
1922年代にはアメリカでは禁酒法の全盛期で、同時に、アルコールに代って砂糖消費が急激に増大した時代です。
レオナ・ウィリアムズのシュガー・ブルース」はそんな時代に生まれた、砂糖常用者の「砂糖を止めたいけど抜け出れない」という状況を歌った歌なのです。
その後、1944年にウイリアム・ダフティが、「Sugar Blues」(シュガー・ブルース))を出版したことにより、「シュガー・ブルース」は砂糖中毒症を意味する代名詞になったのです。
国内では、1974年に「砂糖病」とのタイトルで翻訳本が出版されました。
是非読んで欲しい本ですが絶版になっており、Amazonでは中古でも20,000~30,000円の値段がついています。
内容は、砂糖中毒の重症患者だった著者のダフティ自身の、砂糖中毒からの脱出経験をもとに、砂糖病の背景と実態を綴ったものです。
ダフティは、8歳の時から砂糖水の虜となり、それ以来甘い清涼飲料水などによる砂糖中毒にかかり、思春期にはらい病かと思うわれるほどの顔や背中のニキビに悩まされ、体の調子によりう大学を中退。
第二次世界大戦に徴兵されてからは、砂糖入りコーヒー、パイ、キャンディ、チョコレート、コカ・コーラなど砂糖がタップリ入ったばかりを食べ続け、あげくは、ひどい痔や体調不良で長期間の入院の後に帰国、その後も大量の砂糖を含む食品をとり続け、、、というような食生活に溺れたのですが、何とか抜け出すことができた過程を記しています。
シュガーブルースの症状
シュガーブルースの具体的な症状は、
- 疲れやすい
- 集中できない
- 肌荒れ
- うつ気分
- 冷え性
- アレルギーや花粉症
などだといわれています。
日本ではそれほどひどい砂糖中毒はないようですが、コンビニのデザートや菓子パン、チョコレート菓子などを常食しているヒトは要注意です。
いつも体調不良、風邪をひきやすい、冷え性、肌荒れがひどい、、、というようなヒトは知らず知らずのうちに砂糖中毒かも知れません。
砂糖は精製されているからこそ危険で、血糖値を急激に上げさせさせ、自覚症状も無く依存症だとも気が付きにくいのだ特徴です。
妊娠中の方は砂糖の摂り過ぎに気をつけてください
関連記事(一部広告を含む)