糖尿病の予防のためには蛋白質が多めの食事が効果的です。
蛋白質は早く満腹感を感じさせ、また、炭水化物の摂取も少なくなります。
糖尿病を予防する食事は主食を少なくおかずを多めにが有効です。
蛋白質が多いと早く満腹感が得られる
糖尿病は生活習慣病で、肥満や高脂血症などが引き金になります。
糖尿病の患者は肥満タイプが多く、どうしても食べ過ぎの傾向があります。
最近の研究では、
蛋白質の多い食事では早く満腹感が生じる
と報告しています。
アメリカのパデュー大学の研究グループは、
摂食行動に関する多くの論文を解析し、Richard Mattes氏ら
蛋白質は早く満腹感をもたらすという結論が得られた
と報告しています。
The Effects of Increased Protein Intake on Fullness: A Meta-Analysis and Its Limitations.
詳しく見る ⇒ http://pmc.carenet.com/?pmid=26947338
研究グループによると、多くの研究報告を統合して解析したところ、
蛋白質は満腹ホルモンの放出を活発にして満腹感をより増大させる
ということが明らかになったのです。
食事をしたあとには脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌され、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激して満腹感を感じさせると食欲が抑制されるのです。
研究グループは、どのくらい蛋白質を摂取すれば満腹感が得られるかは未だ明らかでないが、蛋白質の摂取量をある程度増やせば過食を抑え減量に繋がる可能性があると勧めており、減量のために蛋白質の豊富な肉などを多く摂取する人も多いが、この見解が裏づけられたとしています。
蛋白質の摂り過ぎはいけない
一方、蛋白質をこれ以上増やすことは危険だとする意見もある。
すなわち、肥満、高血圧、糖尿病、喫煙、低コレステロール値、家族に若年性の心臓病のヒトがいるなどの心臓病のリスク因子を3つ以上持っている人が、炭水化物を蛋白質に置き換えると、体脂肪が10%増えるリスクが90%高まり、死亡リスクも59%高まったと報告している。
Dieters With Symptoms Of Heart Disease Should Take It Easy On High-Protein Foods
(http://www.medicaldaily.com/dieters-symptoms-heart-disease-should-take-it-easy-high-protein-foods-332736)
しかし、米国の成人は既に十分な量の蛋白質を摂っており、自分に必要な蛋白質の量がどれくらいかを理解していない人が多いと指摘している。
要するに、過ぎたるは及ばざるがごとしということですね。
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蛋白質を多めにとって糖尿病を予防
日本糖尿病学会が推奨する糖尿病の食事療法をご存じですか?
日本糖尿病学会の糖尿病の食事療法の骨子は、
- 適正なエネルギー量の食事を摂る
- 一日3回規則正しく食べる
- 摂取エネルギーの50~60%は炭水化物で摂る
ということなのですが、
問題は、「摂取エネルギーの50~60%は炭水化物で摂る」という点なのです。
この、「炭水化物が50~60%」ということについては、専門家でも賛否両論があるのです。
血糖値を上げるのは炭水化物だけ
栄養素は、
- 炭水化物
- 蛋白質
- 脂質
が三大栄養素といわれ、身体を作ったり活動のエネルギー源になります。
その他の栄養素は、ミネラルとビタミンで、それらも私達の生命維持には欠かせません。
糖尿病では血中のブドウ糖濃度(血糖)が上がりすぎることが問題なのですが、
血糖値を上げるのは炭水化物だけ
なのです。
蛋白質である焼き肉、炭水化物である白米を食べた後の血糖値の変化です。
焼き肉を食べても全く血糖値は変化しませんが、白米を食べた後には血糖値は急上昇します。
血糖値を上げているのは炭水化物だけなのです。
- 主食を食べない
- 糖質ゼロ
というような、炭水化物を全く摂らない方が良いとする食事療法もありますが、
「過ぎたるは及ばざるがごとし」
なのです。
炭水化物も私達の生命維持には必要な栄養素です。
私達、日本人が、
- ご飯を食べてはいけない
- 麺類を食べてはいけない
というような食生活を続けられる人は少ないでしょう。
- 朝食のパンを半分に
- 夕食のご飯を半分に
これでも充分なのなのです。
詳しく見る ⇒ スタンダード糖質制限のやり方
食べる楽しみがなくて、どうして生きていけるのでしょう、、
糖尿病の食事療法は健康食、長寿食なのです。
糖尿病の予防には炭水化物を減らして蛋白質を多めに
これが、キーワードです。
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