温泉の効能を知っていますか?
昨年6月、環境省は温泉は糖尿病の改善に良いと公表しています。
特に炭酸泉は糖尿病改善に効果があるのです。
温泉とは?
国内には北海道から九州、沖縄まで3,100ヵ所以上の温泉地があるそうです。
温泉地とは、温泉地とは、宿泊施設がある温泉の地域のことを指し、
温泉施設の数はおよそ22,700ヵ所。
温泉施設は、宿泊施設と日帰り温泉施設があり、
- 温泉宿泊施設は約14,800ヵ所
- 日帰り温泉施設は約7,900ヵ所
で、ここ30年ほど、泉宿泊施設数はほとんどかわらないのですが、日帰り温泉施設は3倍に増えたそうです。
東京都内や大阪市内にも天然温泉と表示しているところが有ります。
はたして温泉とは、、、
日本には、温泉法という法律があり、温泉が定義されています。
温泉法で定義されている温泉とは、、
地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温泉又は物質を有するものをいう。
「源泉温度が25度以上あること」もしくは「溶存物質の総量、リチウムイオン、水素イオン、沃素イオン、フッ素イオン、メタけい素、重炭酸そうだなど含有成分の関する19の特定の条件が1つ以上規定値に達しているもの」
とややこしいのですが、
簡単にいえば、
- 地中から湧き出していて水温が25度以上
- 地中から湧き出していてある規定値以上の含有成分がある
このどちらかを満たせば「温泉」といえるのです。
温泉の効能とは?
温泉の健康に対する効能には大きく分けて3つあります。
- 物理学的効能 : 血液循環が良くなり筋肉痛が緩和されたり肉体的疲労の回復
- 化学的効能 : 温泉成分が皮膚から吸収されることによる効果
- 生物学的効能 : 入浴によってリラックスしたり気分転換ができるなどの効能で
温泉の分析表に注意してください
温泉の脱衣所などにはほとんど例外なく「温泉分析書」が貼られているのを見たことが有ると思います。
温泉分析書には、温泉の成分、禁忌症及び入浴または飲用上の注意事項などが記載されているのですが、
これは温泉法第18条第1項の規定により、温泉の施設内へ掲示することが義務付けられているのです。
分析は各都道府県知事の登録を受けた分析機関が実施し、その掲示内容を都道府県知事に届け出ることが義務付けられているのです。
一方、温泉の効能は、適応症と表現されていますが、
温泉分析書には「一般適応症」と「泉質別適応症」が記載され、
注目すべきなのは、その温泉独特の効能が記載されている「泉質別適応症」なのです。
なお、 泉温が25℃あっても温泉水1kg中に含有成分が1,00mgに満たないものは単純温泉といわれ、刺激が少なく効能もさまざまなので幅広く利用されているのですが、効能は「一般適応症」のみです。
温泉の一般的適応症とは
一般的適応症とは、全ての温泉に当てはまるもので、
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、などです。
しかし、
環境省は温泉療法の専門家と共同で温泉の泉質別適応症を科学的根拠に基づいて見直し、2014年6月に32年振りに効能が改正されたのです。
従来の効能に加え新たに追加された効能は、
胃腸機能低下
軽症高血圧
耐糖能異常(糖尿病)
軽いコレステロール血症
軽い喘息又は肺気腫
自律神経不安定症
ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
耐糖能異常(糖尿病)が追加されたのです。
温泉の泉質別適応症とは
泉質別適応症とは、「その温泉の泉質に特有の効能」です。
温泉の泉質には、
- 単純温泉
- 塩化物泉 (塩類泉)
- 炭酸水素塩泉 (塩類泉)
- 硫酸塩泉 (塩類泉)
- 二酸化炭素泉
- 含鉄泉
- 硫黄泉
- 酸性泉
- 放射能泉
と大きく分ければ9種類に分類されるのですが、単純温泉を除く泉質名が付く温泉にはこの「泉質別適応症」を掲げることができるのです。
すなわち、
その温泉に含まれている成分による期待できる効果
ということです。
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どの温泉も糖尿病に良い
上に書きましたように、2014年6月に、環境省は温泉の効能の見直しを行い、
一般的適応症に「耐糖能異常(糖尿病)」を追加したのです。
一般的適応症に耐糖能異常(糖尿病)が追加されたと言うことは、
どの温泉でも耐糖能異常(糖尿病)に効果がある
ということです。
この見直しには、日本温泉気候物理医学会・副理事長である埼玉医科大の倉田教授も加わり、
5~6年間にわたって世界の論文を精査して科学的根拠を調べた
ということです。
九州大病院別府病院(大分県別府市)の前田豊樹准教授(内科)らも、温泉への入浴が病気の予防につながる可能性があるとする報告書を纏めています。
高血圧、高脂血症、糖尿病、うつ病などに効果があるというのです。
これらの根拠は、大分市に居住する65歳以上の人にアンケート調査を実施し、10,000人以上の方からの回答を得て、
- 毎日の温泉入浴を長年続けている人
- 入浴の習慣がない人
を比較調査したところ、「炭酸水素塩泉への長年の入浴」が「高血圧、高脂血症、糖尿病、うつ病」などを予防する可能性があると判断されたのだそうです。
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糖尿病には炭酸温泉が良い
2015年2月18日に放映された、「みんなの家庭の医学 :血糖値を下げて血管が若返る入浴法&酸性泉の効能」をご覧になられたでしょうか?
番組では、女性で血糖値が高めの山下さんと狩野に酸化して貰い酸性泉の糖尿病に対する効果を検証したのです。
- 神奈川県・箱根強羅温泉・桐谷箱根荘
- 2泊3日滞在で5回の入浴
- 食事制限や運動はなし
という条件で、
- 2日目、3日目の空腹時血糖値
- 血管年齢
の変化を調べたのですが、
なんと、、、、、
- 山下さん : 空腹時血糖値が 101 ⇒ 92
- 狩野さん : 空腹時血糖値が 102 ⇒ 83
に下がったのです。
さらに、
2人とも血管年齢が 80歳以上 ⇒ 40歳代 に若返った
のです。
食事制限や運動療法をせずに、2泊3日の5回の入浴だけで糖尿病が改善したのです。
炭酸温泉は糖尿病を改善する
北海道大学病院の温泉療法学の専門医で、日本温泉気候物理医学会理事長の大塚吉則先生は、炭酸温泉が糖尿病を改善する利用について、
- 酸性泉はインスリンの作用を高める(インスリン抵抗性を改善)
- 炭酸泉の亜鉛とマンガンがには血糖値を下げる作用がある
とその効果の科学的根拠について説明しています。
また、血管年齢が回復した理由については、
入浴で血管が拡張と収縮を繰り返すことによりストレッチ効果で血管の弾力性がアップ
したと解説しています。
環境省も炭酸泉を推奨
環境省も、2014年6月の温泉の一般効能の追加に伴い、
あんしん・あぜんな温泉利用のいろは
というマニュアルを公開していますが、炭酸泉には耐糖能(糖尿病)の改善効果があることを明記しています。
ただし、炭酸泉は酸性度が高いことが多く、肌への刺激が強いので、ご注意くださいということです。
糖尿病治療の基本は食事療法
糖尿病治療の基本は、
- 食事療法
- 運動療法
だということを忘れないでください。
しかし、糖尿病の治療には根気が必要です。
たまには、温泉でのんびり、そしてちょっぴり炭水化物も、、、
その分は温泉の入浴でカバーしてください。
糖尿病の治療の基本は食事療法だということを忘れないでください
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