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    Categories: 糖尿病の治療薬

糖尿病では薬の飲み忘れが多い

糖尿病治療薬のメーカーである日本イーライリリー社は、

仕事をしながら糖尿病を治療している患者に治療薬に関する意識調査の結果を発表しました。

糖尿病患者の治療服用遵守率はたったの44%

これでは糖尿病が治るはずはありません、、、、

どうしてこんなに服薬の遵守率が低いのでしょうか?

働く2型糖尿病患者の治療薬に関する意識調査

日本イーライリリー株式会社は、糖尿病治療薬であるトラゼンタ、ジャディアンス、そしてインスリン注射剤のヒョーマリン、ヒューマログなどを販売していますが、40~50代の働く2型糖尿病患者に、「治療薬などに関する意識調査」を実施し、先日その結果を発表しました。

調査では、

  • 40~50代
  • 糖尿病を治療中
  • フルタイム勤務
  • 複数の経口薬で治療

を続けている2型糖尿病患者390名を対象に「治療薬などに関する意識調査」を実施したのですが、8月25日にその結果をプレスリリースしました。

   詳しく見る ⇒ イーライリリー社プレスリリース

その結果、

働きながら糖尿病の治療を続けるポイントとして、、

  1. 効果が実感できる薬であること
  2. 外出中に薬を飲んだり注射したりする必要がないこと
  3. 薬に回数が少ないこと

を望んでいることが分かったそうです。

しかし、、

ちょっと都合が良さすぎるようですが、糖尿病予備軍で、このままだと薬物治療をしなければならなくなりそうなあなた、糖尿病の薬物治療の実態を見てみませんか?

服薬を守っていない患者が多い

医者から薬を処方され、「1日3回、毎食後に服用しなさい」といわれたら、大部分の患者はきちんと守っているものと思っていましたが、きちんと服薬を守っている患者は意外なほど少ないのです。

Q:あなたは医者から処方された薬を医師の指示道理きちんと服薬できていますか?

という問いに、「きちんと飲めている」と答えたヒトは44.9%しかいないのです。

 

複数回服薬を指示されている患者で、「指示通り服薬できていない」のは、

  1. 平日の夕食後
  2. 休日の夕食後
  3. 休日の朝食後

の順番で多く、

服薬の遵守と守れない理由は、

  • 外出先に薬をもって行くのを忘れる

というのが最も多く57%だったそうですが、「外出先に薬をもって行くのを忘れる」というヒトの服薬を忘れるのが最も多いのは、「平日の夕食後」で、データーを解析したイーライリリー社では、外出先に薬を持って行くのを忘れるヒトは、様々なタイミングで服薬できていないと分析しています。

治療目標達成はわずか10%

このような服薬遵守状況だと、治療ができているのかが非常に気掛かりになるのですが、

Q : 医者からいわれている「目標の血糖値」を達成できていますか?

という質問に対して、「達成できている」と答えた患者はわずか10%で、「まあまあ達成できている」という患者を含めても42%しかいないのです。

 

糖尿病患者が望んでいること

糖尿病患者では服薬の遵守ができておらず、治療目標である血糖値の管理ができていないのが現状なのですが、では、どんなことを望んでいるのでしょう。

Q : あなたの生活スタイルに合った治療薬が欲しいか?

については、93%のヒトがYesと答えていますが、当然のことですよね。

しかし、

Q : あなたの生活スタイルに合った治療薬について医者の相談したことがあるか?

については、62%がNoと答えています。

医者に処方されるがままに服薬しているということです。

調査でも、医者に相談しない理由として、

  1. 飲む量や回数が多いのは仕方が無い
  2. 医者やスタッフは忙しそうだから
  3. なかなか病院に行けないから

と答えており、日本人は医者にはなかなか意見や注文を出せない、医者崇拝主義が浮き彫りです。

治療薬の中には、1回/日で良いものや、水なしで飲める錠剤など、利便性の高いものがあるのですが、医者は自分の使いやすい、利益率が高い、など製薬会社の都合で処方している場合も多く、患者は医者に自分の希望を伝えるべきなのです。


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注射薬には抵抗がある

糖尿病の治療では、先天的にインスリン分泌が不良な1型糖尿病患者を除いて、まずは、

  1. 糖吸収抑制薬
  2. インスリン抵抗性改善薬
  3. インスリン分泌促進薬

などが処方され、それらの治療を継続しても高血糖が改善されずにインスリン分泌不良に陥った場合にはインスリン注射薬に切り替えられます。

また、インスリン分泌促進薬では2~3回/日の経口薬が一般的ですが、

  • 2回/日服用のバイエッタ  (アストラゼネカ社)
  • 週1回の投与のビデュリオン  (アストラゼネカ社)

のように、利便性が高い製剤もあるのですが、

Q : 注射薬に対する抵抗感はありますか?

という質問には、ややある も含めて82%が抵抗があると答えています。

そしてその理由としては、

  1. 面倒そうだから
  2. 重症な感じがする
  3. 飲み薬との両立が大変
  4. 薬の値段が高そうだから
  5. 痛いから
  6. 怖いから

と、効果とは全く関係ないことで拒否感を感じているのです。

特に、「重症な感じがする」には苦笑せざるを得ません、、、、

しかし、

Q : より良い血糖コントロールのために薬を追加する場合には?

という質問では、12%のヒトが、

  1. 週1回ならできそうだ
  2. 効き目がありそうだ
  3. これ以上飲む薬を増やしたくない

という理由で注射薬を選択すると答えているのですが、「治療に積極的な患者」だといえるでしょう。

治療をしている糖尿病患者は全体の6割

この調査では服薬の遵守率が非常に低いことが分かりましたが、その原因はどこにあるのでしょう。

厚生労働省の「2013年国民健康・栄養調査」によると、糖尿病有病者(糖尿病が強く疑われる者)の割合は、男性16.2%、女性9.2%で、2006年調査に比べ糖尿病有病者は増加傾向にあるのです。

30 歳代男性における糖尿病検診での高血糖などの異常所見者が事後指導を受診している受診率は、過去 10 年間で 40%から 60%と増加してきたのですが、健康診断で「糖尿病の疑いがある」と診断されても、その後に受診しているヒトは6割しかいないのです。

さらに、糖尿病治療の継続率は 45%から 56%と上昇しているものの、きちんと治療を継続しているヒトもわずか6割に過ぎないのです。

その理由として、

  1. 糖尿病には自覚症状がない
  2. 糖尿病は生命の危機感がない

からではないかとおもいます。

癌の場合を考えてください。

癌だと診断されて、治療を開始しないヒトはほとんどいないでしょう、、、

癌だと診断されて処方された薬を飲まないヒトはほとんどいないでしょう、、、

癌の後には死の危機感があるからです。

 

厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成21年1年間の死亡総数のうち、糖尿病は1万3,987人でした。
全死因のなかで、男性は7,399人、女性は6,588人で9位が糖尿病となっています。男女合計では上位10位以内に入りませんでした。

しかし、これらの数値には、糖尿病によって頻度が高くなる心疾患や脳血管疾患などの死亡数は含まれていません。

主な死因の死亡数 

  • 第1位 悪性新生物    36万5,000人
  • 第2位 心疾患       19万7,000人
  • 第3位 肺炎        12万4,000人
  • 第4位 脳血管疾患     11万9,000人

なのですが、心疾患、脳血管疾患による死者の大部分は糖尿病による血管障害に起因する死者なのです。

 

血糖値が高いといわれたらできるだけ早く食生活を見直して糖尿病体質を改善してください

 詳しく見る ⇒ 糖尿病の食事療法は糖質制限がベスト


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