糖尿病腎症の病期が進めば人工透析

糖尿病腎症をご存じですか?

近年、糖尿病腎症の患者が急激に増えているのです。

糖尿病腎症は糖尿病合併症の1つで、高血糖が続くと腎臓の細い血管が傷害され、

腎臓の老廃物の排泄機能が働かなくなってしまうのです。

透析患者数は

糖尿病腎症は自覚症状がないため気づいたときには病期が進行していることも少なくなく、

糖尿病腎症で透析を受けている人は10万人を超し、

年間2万人が糖尿病腎症のために人工透析に移行しているのです。

糖尿病腎症の治療は困難ですからできるだけ早い病期のときに発見することが必要です。

血糖値が高いあなたも糖尿病腎症の知識を持って下さい

腎臓の働き

糖尿病腎症を知るには、まず「腎臓はどのような働きをしているか」を知る必要があります。

私達の腎臓は主に下の5つの働きをしています。

  1. 老廃物を尿に出す

     血液中の尿素窒素、クレアチニン、尿酸などの老廃物をろ過して尿として体外に排泄する

  2. 水分の調節とイオンバランスの調整

     体内の余分な水分(体液)を1日に約1,500ccを尿として排泄し、体のイオン(電解質)バランスを一定に保って神経の伝達、筋肉の収縮などを正常に機能さる

  3. 血圧を調節する

     レニンという酵素を分泌し、血液中の蛋白質と反応して血管収縮作用のあるアンジテンシンⅡに変換され血圧を上げる

  4. 血液を作る 

    エリスロポエチンという造血ホルモンを分泌し、骨髄で赤血球を作らせる

  5. 骨を強くする

     ビタミンD脱水素酵素はビタミンDを活性型に変換し骨を強くする

 

腎臓はこのような働きをしていますから、

種々の原因で腎臓が病気になり機能が低下して腎不全になると、

  1. 老廃物がたまる
  2. 電解質のバランスが崩れる
  3. 血圧が上がる
  4. 貧血になる
  5. 骨がもろくなる

という、生命の危機にも陥る体のトラブルが発生するのです。

腎臓は老廃物を排泄する

腎臓の5つの働きはいずれも大切な働きなのですが、

とりわけ、

腎臓の老廃物を尿として排泄する働きは生命維持においてきわめて重要なのです。

 

腎臓には、ネフロン(腎単位)とよばれる腎小体とそれに続く尿細管からなる構造単位が、片方の腎臓だけで約100万個あります。

腎小体は、毛細血管のかたまりである糸球体とそれを取り囲むボーマン嚢からなっています。

腎臓に送り込まれた血液は腎小体でその20%が原尿としてろ過され、必要成分が再吸収され、老廃物と不要な水分が尿として体外に排泄されるのです。

 

私達の1日の尿量はおよそ1.5リットルくらいですが、

腎臓では、その1,000倍もの150リットルもの量が原尿として排泄され、そして、その99%が再吸収されているのです。

 

腎臓の機能を表す単位として、糸球体ろ過量(GFR)が使われますが、これは糸球体が1分間にろ過する量のことで、正常値は100~110ミリリットル/分ですから、1日およそ144~150リットルもの原尿がこし出されて、その99%が再吸収されているのです。

腎臓は休まずに働き続けているのです。


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糖尿病腎症と病期

腎臓が種々の原因で障害を受け腎臓の働きが悪くなると腎不全といわれる状態になります。

腎不全には、急激に腎臓の機能が低下する急性腎不全と、数ヵ月~数十年の長い年月をかけて腎機能が低下する慢性腎不全があります。

また、腎臓の疾患には、

  1. 慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)
  2. 腎硬化症
  3. 多発性のう胞腎
  4. ネフローゼ症候群
  5. 糖尿病性腎症

のようなものがありますが、最近、糖尿病腎症が急激に増加しているのです。

糖尿病腎症は糖尿病の合併症

糖尿病腎症は糖尿病の合併症です。

糖尿病において血糖値が高い状態が続くと、全身の血管壁が傷害されるのですが、高血糖によりどうして血管壁が傷害されるかについてはまだ明確に解明されていないのです。

 

腎臓においても、毛細血管の塊である糸球体における細い血管が壊れ、破れたり詰まったりして血液をろ過する機能が低下してしまうのです。

 

糖尿病腎症は糖尿病を患ってすぐ発症するものではなく、高血糖状態が10~15年以上と長い経過を経て発症するケースが多いのですが、

糖尿病予備群の期間にも血管の傷害が始まっていますから、

糖尿病腎症と診断されたときには病期がすでに進行している場合も少なくないのです。

糖尿病腎症は1~5期に分けられています。

糖尿病の病期と区分

区分 病期 糸球体濾過値 尿蛋白
第1期 腎症前期 正常~高値 陰性
第2期 早期腎症期 正常~高値 微量アルブミン
第3期 顕性腎症期 60mL/分以上  蛋白尿
(1g/日未満)
第4期 腎不全期 60mL/分未満 蛋白尿
(1g/日以上)
第5期 透析療法期 高窒素血症 蛋白尿
(1g/日以上)

糖尿病腎症では自覚症状に乏しく、かなり進行してからでないと自覚症状はあまり現れません

糖尿病腎症では、尿蛋白試験紙を使った検査ではその精度から異常を検出できません。

尿の精密検査で、尿中の微量のアルブミンが検出されれば腎症が始まっているかどうかが判別できます。

腎障害は病期の早いうちに見つけて治療をしないと取り返しがつかないことになるのです。


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糖尿病腎症がすすめば人工透析しかない

腎不全が、さらに進行して糸球体のろ過能力が低下すれば尿中に蛋白が排出され、

同時に血中の蛋白量が減少します。

全身症状としては、

  1. 体のむくみ
  2. 高血圧
  3. 高コレステロール症

などの、ネフローゼ症候群と呼ばれる症状があらわれますが、

この状態では糖尿病腎症がかなり進行していまっているのです、、、。

そして、

  • 貧血
  • 食欲の低下
  • 強い疲労感
  • 嘔吐
  • むくみの悪化
  • 筋肉の痛み

などの厳しい腎不全の全身症状が現れ、

最終的には、

腎臓が働かなくなり

  1. 体に水が溜まり肺水腫
  2. 心不全
  3. 毒素が溜まり昏睡

などを引き起こして死に至るため、

血液を人工的にろ過する人工透析治療が必要となるのです。

 

 

糖尿病が原因で蛋白尿が現れると、

平均数年以内で人口透析が必要となるほど進行が早い

という疫学調査もあり、

糖尿病腎症では病期の早い段階で病期の進行を食い止める必要がある

のです。

 

尿蛋白やアルブミンが微量な、1~2期の病期の段階では、

血糖コントロールによって腎臓の機能を回復することも可能

なのです。

しかし、

 

第3期では、むくみ、息切れ、食欲不振、満腹感などの自覚症状も現れ、

進行を遅らせることはできても、健康な状態に戻すことはもはやできないのです。

したがって、

糖尿病腎症では2期の病期段階までに糖尿病性腎症をみつける必要がある

のです。

糖尿病腎症の分類と治療

区分 病期 主な治療
第1期 腎症前期  血糖コントロール
第2期 早期腎症期  厳格な血糖コントロール
 降圧治療
第3期 顕性腎症期  厳格な血糖コントロール
 降圧治療・蛋白質制限
第4期 腎不全期  降圧治療・低蛋白食
 人工透析
第5期 透析療法期  人工透析
 腎移植

病期が4期まですすめば、

食事療法は厳密な低蛋白食にする必要があります

そして、

病期は5期に進めば、

  腎臓移植

も必要になってくるのです。

 

日本透析医学会の報告によれば、2014年度における

  1. 人工透析患者数     : 32万448人
  2. 糖尿病腎症による患者数 : 11万8,081人

と糖尿病腎症による人工透析者が38.1%を占めているのです。

 

糖尿病腎症は生命をも脅かす合併症です。

しかし、

糖尿病腎症は病期を経て病気が進行するのです。

糖尿病腎症はできるだけ早い病期で発見し適切な治療をすることが重要なのです。

人工透析が始まったら生涯にわたって続ける必要があるのです。

糖尿病腎症を早期の病期で予防することは難しいことではありません

血糖値を下げるだけで良いのです。

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