糖尿病腎症における人工透析の費用

長谷川豊アナウンサーのブログが炎上した。

長谷川豊アナは、自分のブログで、

  • 自業自得の人工透析患者なんて全員実費負担にさせよ!
  • 無理だと泣くならそのまま殺せ!
  • 今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!! 

と発言でしたのだ。

彼が指摘したのは、

糖尿病腎症による人工透析患者の医療費が膨大なものになっている

として、

糖尿病腎症に基づく腎不全による人工透析は自分の健康管理を怠ったことによる自業自得だというのです。

糖尿病による糖尿病腎症はどんな病気か知っていますか?

血糖値が高いあなたも、明日は我が身かも知れません。

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糖尿病性腎症を指摘した長谷川豊アナのブログが炎上

事の発端は、

元フジテレビアナウンサーである長谷川豊氏が、自身の公式ブログ、本気論・本音論に、

2016年09月19日、20日に、

医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?

今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!

「自業自得」とはっきり判断できるレベルの人工透析患者など、全額自己負担にせよ!

と書いたことによる。

事の真偽はともあれ、関係団体などから非難が噴出、全国腎臓病協議会は抗議文を公開するなどし、長谷川氏は出演番組すべてを降板させられることになった。

長谷川氏は、現状の健康保険制度の中で人工透析患者に言及し、人工透析を受けている腎不全患者の8~9割は自分の食生活と生活習慣が原因であり、いわば自業自得の結果であり、そうした患者の医療費の膨大によって、健康に留意して生活してきたが病気になったヒトが適正な医療を受けられなくなる危険があると指摘したのだ。

 

テレビの全国放送にも顔を出す、いわば公人が自分のブログとはいえ、殺せ!、自業自得!といった言葉を使ったことには配慮を欠くといわざるを得ないが、

 

その後、

新潮社も、「週刊新潮」の10月20日号では、「長谷川豊アナ発言が暴論じゃすまない“人工透析”年間1.6兆円」という特集を掲載するなど、糖尿病患者の糖尿病性腎症による人工透析はこれからも大きな社会問題になる可能性がある。

 

長谷川氏はJ-CASTニュースの取材に対して、

ブログを書く前に、人工透析の診療科の10人以上の医師を取材して、

 自堕落な生活が原因の患者が相当な割合で存在する

といった見解も聞かされたと主張しているが、

きちんと血糖管理を行えば糖尿病性腎症の発症は未然に防げたはずで、

糖尿病性腎症による人工透析は患者の責任は皆無ではないというのが真実であろう。

糖尿病性腎症による人工透析患者が増えている

糖尿病は血管の病気です。

糖尿病で高血糖状態が長期間続くことで、血管壁が傷害され、糖尿病合併症が起こります。

細い血管が傷害されれば、

  1. 糖尿病神経症
  2. 糖尿病網膜症
  3. 糖尿病腎症

が、

そして、更に高血糖が続いて太い血管が傷害されれば、

  1. 心筋梗塞
  2. 脳卒中

などが引き起こされますが、全て、血管壁の傷害に基づく合併症なのです。

 

糖尿病性腎症は、腎臓の糸球体という部分の、非常に細い毛細血管が破れたり血液の塊によって詰まったりし、老廃物をろ過する能力が低下する病気ですが、根本的な原因は完全には明らかになっていません。

糖尿病性腎症は、3つのステージに分けられますが、老廃物をろ過する能力が低下してしまうと、血液中の老廃物が溜まるために、人工透析によって定期的に老廃物を取り除く必要があるのです。

糖尿病腎症で人工透析が必要になると多額の費用がかかる

 

日本透析医学会によると、

2014年の人工透析を必要とする患者は320,448人

もいるのです。

糖尿病腎症の人工透析の費用は500万円です

2014年の透析患者数は前年度より6,000人の増加で、ここ数年は人工透析患者数の増加はやや減速していますが、年間約1万人ずつ増加していたのです。

 

人工透析に至った原因は、

1998年までは、慢性糸球体腎炎はトップでしたが、

 1989年以降は、糖尿病性腎症がトップになり、

その後は増加の一途をたどっているのです。

2014年には43.5%の患者が糖尿病性腎症を原疾患として人工透析に至っています。

糖尿病腎症で人工透析になると膨大な医療費用が必要です

糖尿病腎症は糖尿病を患って10年から

糖尿病腎症は糖尿病を患ってすぐに発症するものではありません。

糖尿病患者を患って10~15年と長い年月を経て発症するといわれています。

糖尿病合併症である糖尿病腎症の終末は人工透析で莫大な費用がかかります

しかし、糖尿病を発症しても気付かないヒトも多く、また、糖尿病と診断されても治療をしないヒトも多く、更には、糖尿病腎症も糖尿病と同様に初期症状が乏しいため、見つかったときにはすでに糖尿病腎症のステージが進行している場合も少なくないのです。

 

糖尿病腎症は、血糖値のコントロールによって進行を遅らせることが可能です。

ステージが第1~2期であれば、

  • 血糖値のコントロール
  • 血圧のコントロール

によって、蛋白尿が出ないほぼ平常状態で維持することが可能です。

しかし、

第3期以降のステージに進んでしまうと、

 進行を遅らせることはできても通常の状態に戻すことはできない

ため、糖尿病性腎症では、

  • 早期発見
  • 早期治療

が最も重要なのです。

人工透析が開始されてしまうと、生涯にわたって人工透析を続けなければなりません。


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糖尿病性腎症の人工透析の費用

透析患者一人当たりの年間の医療費は500万円です。

2014年の人工透析患者は32万人ですから、

 透析患者の医療費総額は年間1兆6,000万円

もかかっているのです。

腎臓透析患者の負担はゼロの場合も

人工透析の医療費費は月に直せば40万円ほどもかかりますが、

高額療養費の特例が適用されるため、

 自己負担は上限月1万~2万円程度です。

さらに、

透析患者は身体障害者1級に認定されますから、

 身体障害者1級に認定されれば自己負担はゼロ

になるのです。

しかし、

人工透析患者は年に約6,000人増えていますから、年間の医療費は毎年300億円づつ増え続けることになるのです。

 

このような現状を多くの人は知らないのです。

人工透析にかかる費用が1兆6,000億円で、今後毎年300億円以上づつ増え続けるという現状を知れば、長谷川豊アナのように、

人工透析の自己負担額を増やせ

という議論が起こることは容易に想像がつきます。

年間500万円もかかる人工透析費用も身体障害者1級に認定されれば自己負担はゼロになります。

しかし、

週に3日、1日4時間ほどの治療を死ぬまで続ける必要があるのです。

自己管理で糖尿病も糖尿病腎症も防げる

長谷川アナの、

医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?

今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!

「自業自得」とはっきり判断できるレベルの人工透析患者など、全額自己負担にせよ!

という表現はやや過激だとは思いますが、

長谷川豊アナが言いたいことは、

糖尿病の、

  1. 血糖値を下げる努力をしなかったから糖尿病性腎症になった
  2. 糖尿病腎症になっても血糖値を下げる努力をしなかったから人工透析に至った

ということは、紛れもない事実なのです。

 

  人工透析にならなくても済んだのに努力をしなかった

 

これは自業自得といわれても仕方が無いことだと思うのです、、、。

かつて、

麻生副総理大臣は、

食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費を俺たちが払っているのは公平ではない

などの発言で物議をかもしたこともあったが、

 糖尿病は自己責任です

といわれても仕方が無いのです。

2型糖尿病の原因には、

  1. 食生活
  2. 運動

    のほかに

  3. 遺伝による糖尿病体質

も関与しているのですが、

  1. 食生活の改善
  2. 適当な運動

で、糖尿病を防ぐことができるのです。

そして重要なことは、

糖尿病腎症だと診断されても

  1. 食生活の改善
  2. 適当な運動

で、人工透析に至ることを防ぐことができるのです。


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